職場の試着室で起きるポルターガイストのような不思議な体験談

不思議な体験談

私が以前勤めていた職場の出来事です。
二階建のスーパーの二階部分(衣料品店)なのですが、以前より試着室が何かおかしいといわれていました。

店内中央部に設置してある試着室。

不正行為の防止のため、レジから人が入るのを確認できるようにしてありますので誰か入ればすぐにわかります。そんな見やすい場所にある試着室なのですが。

点けたはずの試着室の電灯が消えている。逆に消したはずなのについている。それが頻繁に起こる。
上司がやたら不思議がっていましたが、個人的には只の不注意だと思っていました。

ある日、中学生くらいのお客様が試着室でイタズラをして電灯のスイッチ(ヒモ式)が壊れてしまいました。ヒモをいくら引っ張っても電灯は点いたまま。仕方がないので修理していただくまで、閉店前にコンセントを抜くことに決まりました。

閉店時には就業時間の問題もあり、私一人きり。店を閉めレジ周りの片付けをしていると試着室の方からカチカチッと音が聞こえました。ボールペンを早く二度ノックするような音でした。

(誰か残っていたのかな)そう考えて試着室、それから店内を見回りますが、誰もいません。

やけに耳に残る音だったので店内を見回りした後には事務所の方にも向かいました。

二階には私一人きりなのをしっかりと確認。狐につままれたような思いでレジに戻り作業を再開すると、またカチカチと音が聞こえました。

先程と同じボールペンのノック音のような音。それが試着室の電灯のヒモを引っ張る音だと気付いた後はもう、急いで片付けを済ませ店を出ました。
誰もいないのは確認済みだったのですから。
次の日上司に報告すると「ほら、やっぱりね」とどこかすっきりされた表情をされたのを覚えています。

この試着室、その後も電灯は点いたり消えたりしましたが、従業員がヒモを引っ張る手間が増えるだけだったので放置していました。子どものいたずらのようなもので有害な行為でもないですし。

ただ、電灯以外にもう一度不思議な出来事がありました。
試着室の前に円形のハンガー(手で廻せるタイプのものです)を置いていましたら、ある日、周りに誰もいないのにゆっくりと廻っていました。小さな子が隠れて廻しているのかもと思い近付きましたが、誰もおらず。

私が近付くと、これまたゆっくりと動かなくなりました。注意されそうになって子どもが逃げ出した後のように。
試着室の鏡は見ませんでした。でも、覗いてみたら鏡の中で誰かが廻しているのが見れたのかもしれませんね。