平々凡々なハイスクールライフを送っていた私。そんな私がある日トイレ掃除をしていたときに奇妙な体験をする。私の通っていた高校は歴史のある学校で幽霊がいる等の様々な噂が立っている。そんな噂を全く信じようとしない私だったがこの日を境に幽霊の存在を信じてしまう・・・
あれは私が高校生のときのお話です。掃除の場所の振り分けを一週間ごとに変える学校は多いと思いますが私の学校も例外ではなく、不思議な体験をしたときはトイレが担当だったときです。
私が通っていた高校は120年以上前から続いている歴史のある女子高であるが故に色々な怖い噂(あまり使われていない食堂に黄色い傘を差した女性の霊がいる、下駄箱の下には骨が埋まっている等)を耳にしていたのですが私は「どうせ噂でしょ」と信じていませんでした。
話を戻し、私と友人は一緒にトイレの便器を掃除する係になったので一生懸命一つ一つの個室の便器を磨いていました。トイレの個室は確か12個だったと思いますが、そのうちの1つが使用中になっていたのでそこだけは掃除をしませんでした。
しかし掃除終了時のチャイムが鳴ってもまだ使用中になっていたので、さすがにおかしいと思い、私はドアをノックしてみることにしました。すると「コンコン」と音が聞こえたので誰かトイレに入っているんだなと思いました。しかし(やってはいけないことでしょうけど)個室の隙間を覗いてみると生徒が本来履く上靴が見えません。
体調が崩れて倒れているのかもしれないと思い、ノックをしながら「大丈夫ですか?」と声をかけても何の反応もありません。そばに一緒にトイレの便器を掃除していた友人がいなかったので、友人を呼び止めてもう一度ドアをノックするとまたもや「コンコン」と聞こえてきました。
最初は私のドアを叩く音が大きくてドアが揺れているだけなのかと思い、友人が優しく叩いても聞こえてきました。しかし次の日トイレの掃除をすると使用中になっていた個室はあいていて友人と「昨日の出来事は何だったんだろうね?まさか幽霊?」という話で持ちきりになりましたとさ。