地元で有名な廃病院へ行った時のお話です。若い頃、男女8人で肝試しとしてドライブも兼ねて行きましたが、そこで人生初めての恐怖体験をしました。今思い出しても背筋が凍りますし、未だにメンバーが集まるとその時の話になります。
私がまだ20代前半で若かった頃の話です
同年代の男女8人でドライブがてら肝試しに行こうという話になりました。
私はホラー映画や怖い系は苦手でしたが、霊感などは無く、今までに見たこともなかったことや、8人という人数で行く安心感もあり、了承しました。
結果、人生で始めての心霊体験をすることになるとは、その時は考えもしていませんでした。
皆、軽い気持ちで向かうことにしまして、道中の車内も楽しい会話で騒いでいました。
メンバーの中に非常に霊感の強い男2名(AとB)がいましたが、彼らも同様に騒いでいるうちに、目的の廃病院へあっという間に到着しました。
さて行こう、となると男とは案外臆病なもので
皆車内の元気はどこへ行ったのかと思うほど、尻込みしたり、誰から行けよなどと正門の前でグダグだとしていました。
私も同様で、実際に正面から見た夜の廃病院は異様な雰囲気に包まれており、山中の静けさとあいまって、人を寄せ付けない独特の空気が漂っていました。
まるで、侵入者に警告をするような、嫌な感覚に陥ったのを覚えています。
しかし、せっかく来たのだから入ろうという話にようやく落ち着き、ほぼ全員横並びで入口へ向かって歩き始めました。
皆、恐怖を忘れる為に口数も増え、しかし誰に言われるでもなく、皆小声で話しながら歩き続けました。
そんな時でした。誰かが突然言いました
「あれ?AとBは?」・・・その声に気付き、私もAとBを探したところ、暗闇の中正門の入口付近に2人が寄り添って留まっていました。
特に霊感の強い2人が付いて来ていないことに皆少し不安を覚えつつも、「何びびってんだよ~」と言いながら、2人の方へ歩き、戻っていきました。
しかし、怯えて寄り添っているのだろうと思っていた2人でしたが、近づくにつれ、何か小声で話し合っているのが聞こえてきました。
「A:なあ、お前も見えてる?」「B:お前も?あぁ、俺もずっと見えてる」・・・もう間近に近づいた2人は、真剣な顔で揃ってそんな話をしていました。
行く前から聞いていましたが、幼少の頃から霊感の強い2人には、零が見えることは普通であって、あまり恐怖は感じないそうです。
しかしそんな会話は私達の恐怖を煽りました。でもどうせ2人でびびらせようとして言ってるんだろうと思い、聞きました。
「何が見えるんだよ?」
すると2人はこう言いました。「さっきからさ、病院の屋上あるだろ、そこからさ、何人も飛び降りていってるんだよ・・・。
しかもさ・・・こんだけ暗いと見えるはず無いんだけど
飛び降りる前に必ずこっちを見て、飛び降りてるんだよ、何人も何人もさ・・・」・・・そういった瞬間でした。
私も妙な感覚と強烈な視線を背後で感じ、恐怖を感じましたが、振り返らずを得ないような感覚になり、視線を感じた屋上を振り返りました。
すると・・・はっきりと黒い人影が佇んでおり、目も見えませんでしたが、明らかな視線、それもあまり良い意志ではない強烈な視線を浴びせ、その人影が飛び降りていったのです。
私は思わず声を上げました。他の数名も見えたらしく、同様に声を上げていました。正直、ヒザも震えるほどの恐怖に全く動けませんでした。
「A:ここさ、絶対止めたほうがいいよ・・・すぐ帰ろう」といい、見えたメンバーもそうでないメンバーも満場一致で、すぐに車に乗り込み、山を降りて行きました。
結局、中には入りませんでしたが、今まで感じたことの無い恐怖にしばらく夜は電気を付けないと寝られないようになってしまいました。
皆さんも、心霊スポットに行く際には十分注意し、軽い気持ちでは絶対行かないことをおススメします。