【怖い話】霊感のある友だちと一緒に見た黒い影の走者

恐怖の心霊体験談

私が大学生の頃、とても仲のいい友達がいました。その子は、いわゆる霊感のある子で「坂の上に赤いワンピース着た人が手を振りながら立ってる。怖い」「2つのトイレの壁に、女の人が布団みたいにぶら下がってる」とよく話してくれていました。

私は元々心霊番組を見るのが好きだったし、「へー、そんなのが見えるんだねー」と答える反面、嘘っぽい話だよなぁと思っていました。

ある日、空きコマだったので空き教室で2人一緒に、動画サイトで心霊映像を見ていました。

夏の暑い頃で、部屋にクーラーをかけていたと思います。
ふと、何の気なしに顔をあげると、扉がちょっと開いていたんです。
廊下が5センチくらい見える感じだったので、実際には8センチくらいでしょうか。
その隙間から、目が離せなくなったんです。何もないのに。気になって、友だちに聞きました。

「ねぇ、あそこめちゃくちゃ気になるんだけど、なんか見える?」
「うん、こっちみてる人がいるよ」

親族の体験談で、「霊感がある人と一緒にいると、霊感がうつる」と聞いたことがあったのでこれが霊感かと思いました。実際には姿は見えてなかったんですけど。

それから数ヵ月して、その子と放課後に夕食を食べに行きました。
もう秋も深まる時期で、肌寒かった日でした。
19時すぎくらいでしょうか。そんなに遅い時間でもないのに、
日が落ちるのは早く、田舎なものであたりは真っ暗でした。

街頭がポツポツとあって、道路の両側に歩道がある1本道を2人で並んで歩いていました。

友だちが車道側、私は外側。
お寿司おいしかったね、明日の授業めんどくさいね、レポート終わんないなど
楽しい雰囲気で満ちていました。いつも通りの会話でした。

会話の最中に、対向の歩道をランニングしている人がいたのを見かけました。
こんな寒いのによく走るよなぁ。そういえばそろそろ持久走の時期だっけ、懐かしい…
なんて昔を思い出しながら、駅に向かって歩いていると
私の2メートル前くらいでしょうか、突然地面に黒い影が出てきて
私たちの間をその影が走り抜けて行ったんです。

見たのは地面にうつる黒い影のみ。走っているであろう本体は見えないんです。
いきなりのことに驚いて、振り向きました。友だちも同じタイミングで振り向くのが見えました。

でもそこには何もなくて、走る影もなくて。ましてや対向の歩道にも誰もいなくて。
それまできゃっきゃと話していた私たちは無言になりました。
「今幽霊いたよね」っていうと、幽霊にばれるかもしれないから。

駅について電車が来るまでずっとしゃべれませんでした。
「また明日」と一言挨拶を交わし、電車に乗ってから連絡しました。
「黒い影が通って行ったよね?」
「同じタイミングで振り向いたとき?びっくりしたね」
友だちにもあの影は見えていたのだと思うと、やはりあれも霊感がうつったからなのでしょうか。