洒落怖の名作「裏S区」 地域の風習や呪術などリアルな怖い話

洒落にならない怖い話

洒落怖の名作「裏S区」を紹介。この話は九州地方のある地域の風習や呪術や霊障や除霊についてリアル描写された都市伝説のような、呪いのような怖いながらも興味がそそられる洒落怖の名作です。「裏S区番外編」も併せて恐怖の洒落怖体験談を。

洒落怖の名作「裏S区」

九州のある地域の話。
仮だがS区という地域の山を越えた、裏S区って呼ばれてる地域の話。
現在では裏とは言わずに「新S区」って呼ばれてるが、じいちゃんばあちゃんは今でも裏S区と呼んでる。
まぁ、裏と言うのは良くない意味を含んでる。
この場合の裏は、部落の位置する場所を暗に表してる。
高校時代は、部落差別の講義も頻繁にあるような地域。そこでの話。
(あくまで体験談&自分の主観の為、部落差別、同和への差別の話ではありません)

今から何年か前に、男の子(仮にA)が一人行方不明になった。(結局自殺してたのが見つかったけど)
俺はS区出身者。彼は裏S区出身者だけど、S区の地域にある高校に通ってた。
まぁ、彼は友人だった。あくまで『だった』だ。
1年の頃は仲良かった。彼が一人の生徒をいじめるまでは。
いじめられたのは俺。周りはだれも止めない。止めてくれないし、見てもない。傍観者ですらなかった。
必死にやめてと懇願しても殴る、蹴る。
俺は急に始まったから、最初はただの喧嘩と思い殴りあったが、彼の体格と俺のでは全く強さが違う。
でも、次の日も急に殴ってきた。意味も無く。理由を聞くも答えない。
薄っすらと笑ってたから、もう兎に角怖かった。

ある日、いきなりAが学校に来なくなった。俺はかなりうれしかった。
でも、もうその状況では、誰も俺に話かける奴はいなかった。初めての孤独を味わった。
多数の中に居るのに絶対的な孤独だった。

それからAが3週間学校を休んだある日、先生が俺を呼び出した。
ここからは会話。

先生「お前Aと仲良かっただろ?」
俺「いえ・・」
先生「う~ん・・・。お前Aをいじめてないか?」
俺「はい??え?俺が??それともAが俺を???」
先生「いや、お前が。大丈夫誰にも言わんから言ってみろ。問題にもせんから」
俺「いや、俺がですか???」

このときは、本当に意味が分からなかった。先生の中では俺がいじめてることになってるし。
で、俺は本当のことを言うことにした。

俺「本当は言いたくなかったけど、俺がいじめられてました・・・。
 皆の前で、殴る蹴るの暴力を受けてましたし・・・」
先生「本当か??お前が??他の生徒も見てたか??」
俺「見てましたよ。っていうか、何で先生は俺がいじめてるって思ったんですか?誰かが言ったんですか?」
先生「いや・・・。いや、何でも無い」

先生の態度が、この時点で明らかにおかしい。何故か動揺してる感じ。
それから数分、二人とも無言。
その数分後に、いきなり先生が言い出した。

先生「Aがな、休んどるやろが?なしてか分からんけど、登校拒否みたいな感じでな。
 家に電話しても、親がでて『おらん』って言うてきるんよ」
俺「・・・」
先生「そんでな、昨日やっとAと連絡とれて、色々聞いたんよ。
 そしたらAが言ったのが、お前が怖いって言うんよ」
俺「はい??俺が???」
先生「う~ん・・・。そうなんよ。お前が怖いって言って聞かんのよ」
俺「いやいや、俺が?逆ですけどね。俺はAが怖いし」
先生「ほうか、いや、分かった。もっかい聞くけど、お前はいじめてないな?」
俺「はい」
って言うやりとりの後解放されて、自宅に帰った。

実際のイジメって、多人数を1人でイジメルものだと思ってた。
中学生の時にイジメを見たことあったから、そのときのイメージをイジメだと思ったし、
よく聞くイジメも、大体が多人数が1人にお金をたかる、トイレで裸にする。
こういうことをすることだと思ってた。
まさか、たった一人の人間がたった1人の人間をイジメルのに、
先生まで巻き込み、俺一人だけをのけ者にしようとしてるとは思わなかった。
生まれて初めて人に殺意を抱いた。ぶん殴るとかじゃなく、『ぶっ殺したい』って本気で思った。

その次の日から、俺は学校を休んだ。行く気にはなれんし、行っても一人だし。と思って。
ただ、この登校拒否中にありえないものを見てしまい、俺はちょっと頭がおかしくなりかけた。
起こったのは、『飛び降り自殺』。
俺の住んでたマンションから人が飛び降りた。
たまたまエレベーターホールでエレベーター待ちだった俺の耳に、
「ギぃーーーーー」って言う奇怪な声と、その数秒後に「どーーーーん!」っていう音。
そのどーんっと言う音は、自転車置き場の屋根に落ちたらしいのだが、
それを覗き見たときは、本当に吐き気と涙がボロボロ出た。
これはただの恐怖心からなんだが、でもイジメにあっていた俺には、とてつもなく多きな傷だった。
これは本当にトラウマになっていて、今でもエレベーターに乗れなくなった。
会社とかにある、建物の中にある奴はまだ何とか乗れるが、
マンションにあるような、外の風景が見えるものには全く乗れなくなった。
なぜなら、このときに絶対ありえないものを見たから。

自転車置き場を見下ろしてた俺が、前を向きなおした瞬間に、螺旋階段が見えた。
そこに、下に落ちてる人間と全く同じ服で髪型(これは微妙で、下にあるモノとは異なってたようにも見える)の、
ニンゲンが立ってた。
これは多分、見てはダメだったんだと思う。
螺旋階段を下に向かって、ゆっくり降りていってたんだ。すごくゆっくり、下を向いたまま歩いてた。
下にあるものと瓜二つのニンゲンが。
ここで、エレベーターが来たときの合図の「ピン」って音が鳴ったんで、ビク!ってなり後ろを振り向いた。
そこにも居た。と思う。多分いたんだろう。でも良く覚えてない。
今考えれば居たのか?と思うけど、そのときは居たって思ってた。
「ピン」の音に振り返った瞬間に、どーんって再度聞こえたんだ。
でも今度の音は、エレベーターの中から。
どーん、どーーん。どーーーん。どーーーーん。って。
俺はもう発狂状態になって、それから倒れたみたい。

直ぐに病院に連れて行かれた。
見たもの、聞いたものを全て忘れるように医者から言われて、薬も処方されて、
それから1週間は、「うぅぅ」ってうめき声を上げてるしかなかった。
1週間過ぎぐらいにはだいぶ良くなっていたのだけど、本当は親や医者をだましてた。
よくなってなんか無かった。寧ろそのときから、その「どーん」って音はずっと付いて廻ってた。

その後、学校に行こうと思いだしたころに、Aの存在を思い出した。
俺がそもそもこんな事になったのもAのせいだ。
あいつがあんなイジメをしなければ、こんな目にも遭わなかった。
あいつは俺をこんな目に遭わせる様な奴だから居なくなればいい。
そうだ、この「どーん」って言う音に頼もう。
って本気で思ってた。俺は本当におかしくなってたんだと思う。
本気でこの『音』の主にお願いしてた。

次の日に学校に行った俺は、昼休みの時に早退したいと先生に言った。
先生も俺がどういう状況かを知っていたから、すぐにOKを出してくれた。Aはその日も休みだった。

その帰りがけに、先日部落差別を無くそうという話を学校でしていた(講義で)、おじさんに出会った。
そのおじさんはAのおじさんに当たり、何度か会って話したこともあった。
だけどそのおじさんが、俺を見た後からの様子や態度が明らかにおかしい。
最初見かけた時は普通に挨拶をしたのに、その後俺を二度見のような感じで見て、
いきなり、「あ~・・・」とかいいだした。
俺は「こいつもAに何か言われてんのか?」って感じで被害妄想を爆発させて、
怪訝な態度のこのおじさんを無視して横切ろうとしてた。
そのときに急にそのおじさんが、ブツブツブツブツお経のようなものを唱え始めた。
俺はぎょっ?!っとして、そのおじさんを見返した。
いきなり、あって「あ~」などとわけのわからない態度を取り出し、
それだけならまだしも、俺にお経を唱えたのだ。

生まれて初めて自分から人をぶん殴った。
言い訳がましいけど、精神的におかしかったから、殴る事の善悪は全くなかった。
ただ、苛々だけに身を任した感じ。
いきなりでびっくりしたのか、そのおじさんもうずくまって「うぅ…」って言ってたが、無視して蹴りを入れてた。
Aの親戚ってだけでも苛々してたのもあり、
「こら、お前らの家族は異常者の集まりか?人を貶めるように生きてるのか??
 お前差別をどうのこうの言ってたが、自分がする分にはかまわんのか?あ~??何とか言えや。こら!
 お前らは差別されるべき場所の生まれやけ、頭がおかしいんか?」
って感じで、ずっと蹴り続けてた。

でも、ここで再度予想外のことが起きた。
以下会話。

おじさん「ははははははははは」
俺「!?なんか気持ち悪い。いきなり笑い始めやがって!」
おじさん「あははははは。お前か、お前やったんか。はははは」
俺「??まじ意味分からん、なんがおかしいんか?」
(未だ蹴り続けてたけど、この時は大分蹴りは弱くなってる)
おじさん「ははは、やっと会えたわ。はははそりゃAも****やなー。ははは」(何を言ってるのか意味不明)
俺「は???お前ら家族で俺をイジメようてしよったんか?」(この辺りで怖くなって蹴らなくなってた)
おじさん「おい、お前がどうしようが勝手やけど、○○(俺の名前)が痛がるぞ。アニキは許しても俺は見逃さんぞ」
俺「は???マジでお前んとこはキチ○イの集団なんか?おい?」
おじさん「○○君、ちょっと黙っとき。おじさんが良いって言うまで黙っとき」
俺 「いや、意味わから・」「どーーーーーん」

いきなり耳元で音が鳴った。
俺はビクってして振り返ったら、
目の前にのっぺりとした細面の顔が、血だらけのままピクピクしながら笑ってた。
俺はまた発狂した。
この顔の見え方がかなり異常で、通常ニンゲンの顔を見る場合に、半分だけ見えるって言うのはありえない。
でもこの目の前の顔は、例えていうと、
テレビ画面の中にある顔が、カメラのせいで半分だけ途切れてて半分は見えてる状態。
その瞬間に、Aのおじさんに力いっぱい殴られて、意識を失った。

起きた時に、俺は家の自分の部屋ではなくて、リビングの隣の両親の寝室で寝かされてた。
時間を見たら20時。リビングからの明かりが漏れてて、両親が誰かと話しをしてた。
俺が起き上がり寝室のドアを開けて、その人物を見たときにすぐに飛び掛った。
AのおじさんとAのおばに当たる人が、そこに座って両親と話してたから、
それを見た瞬間に、もう飛び掛ってた。
直ぐに親父に抑えられてたけど、俺は吼えてたと思う。
Aのおじさんは「ごめん、本当に悪かったね」と繰り返してたけど、
どうしても許せなくて、親父の腕の中でもがいてた。
母親がイキナリ俺の頬をひっぱたいて、「あんたも話しを聞きなさい!」とか言い出してたけど、
俺はもう親にまで裏切られた感じがして、家を飛び出そうとして親父の手から抜け出し、
自分の部屋に向かい上着とサイフをとった。
が、上着を羽織ろうとした瞬間に、上着の腕の中に自分以外の手があった感触がして、再度叫んだ。
両親とAのおじおばが直ぐに来て、Aのおばがブツブツ言いながらお経みたいなものを唱え始めだして、
おじが俺の服を掴んで踏み始めた。
親父は青ざめてそれを見てて、母親は一緒に手を合掌して俺を見てた。
この時は、マジで自分が狂人になったのかと思った。

数分後、俺も落ち着いてきて、両親とAのおじおばと共にリビングへ向かった。
それまでの短い時間、Aのおじさんはずっと俺に謝ってた。
それからのリビングでの話しは今でも忘れられないし、そこで再度起こったことも忘れられない。

以下会話(Aのおじさん=Bさん、Aのおばさん=Cさん、とする)

Bさん「本当に、殴ってしまってごめんな」
俺「いや、いいです。こちらも苛々してましたので、すみません」
親父「ん?お前なんかしたんか?」
俺「いや、俺がBさんを殴ってしまった」
Bさん「あ、いや、それは俺が○君を見ていきなりお経とか唱えたから、嫌な気がしたんやろ?
 ○君のせいじゃないわ。俺がいきなりすぎたんがいけんかったやから」
親父「申し訳ございません。それは聞いてなかったので」
俺「え?なんの話をしよん?俺がBさんを殴って、Bさんがいきなり」
ここまで言って、気絶前の事を思い出した。
俺「あれ??俺、気絶する前にナニカ見たわ・・・」
Bさん「うん、そやろな・・・。俺は○君みて直ぐに気づいてなぁ。何かおるって、それでお経を唱えたんよ」
母「大丈夫なんですか?何かって何ですか?」
Cさん「えっとね、私らが住んどる地域が、なんで裏S区って言われるか知っとる?」
親父「えっと、失礼かもしれませんが、差別的な意味ですよね?」
Bさん「それはそっちだけの認識やな。じいさん、ばあさんによう言われたやろ?裏Sには近寄るなて」
親父「言われましたね。でもそれは、部落差別的なもんやと思ってましたけど、違うんですか?」
Bさん「いや、そうや。そうなんやけど、差別があるけ言うても、今も言い続けよるんは、裏Sの歴史がちと異常なんや」
親父「いや、私も妻も生まれはS区やから、その辺は分かってますけど、
 部落とか集落系での差別って、どっこも同じようなものでしょ?
 だから、異常っていうのはわかります」
Bさん「はは。そうやろ?そういう風にとらわれてしまってるんやな。
 裏S区は部落やからって事でも、他国のモンの集まりでもなく、昔からこの地域に住んでたモンの集まりなんや」
親父「はい。ただ、違いが私にはちょっと・・・」
母「あれですか?あの鬼門がどうのとかって言う話ですか?」

Bさん「ん?鬼門の話か。まぁ、そんな感じなんやろうけど、裏Sにうちと同じ苗字が多いやろ?」
母「はい。多いですね。A君とことBさんの家は親戚やから当たり前やけど、それにしても多いですね。
 S区には全然いないのに、裏S出身者では結構みかけますしね」
Bさん「あの辺は、昔から霊の通り道って言われとんな。
 ナメ○○○(なんて言ったかは不明)とか、そんなの聞いたことないですか?」
親父「いや、名前はしらないですけど、聞いたことはあります」
Bさん「まぁ、その地域はそういう地域でして、うちらの家系はほとんどが霊感があるっていわれてたんですね。
 それが原因で発狂する奴もおれば、いきなり何するかわからんって感じで、
 いつの間にかそういう集落、部落になっていき、差別されるようになったんですわ。
母「でもそれやと、裏S区はかなり広いからおかしくないですか?
 Bさんとこの家系だけで、裏S区自体がそういう風にわかれますかね?」
Bさん「うん、わかれるんやろうな。
 最初は3、4の家のもんが発狂し始めて、それが村中で始まって、最終的に4、50件も起きれば、
 その周辺全体がおかしいって思われるやろうし。
 昭和の時代にそんなアホみたいな話を、信心深く聞く人間が少なくなってきてるしな」
親父「それでも、それで部落になるんかなぁ」
Cさん「まぁ、うちらの家系ではそう教わっとるんです。
 だから生まれてきた子らには、霊が見えるってことを前提に接しとる。
 見えん子もおるやろうけど、霊は居るって教えとるんですよ」
俺「いや、それと俺が体験しとるのと、Bさんの話と、何が関係するんですか?」

Bさん「○君。最近Aの様子がおかしくなかった?
 いきなり学校休んでるのは置いといて、それ以外に何かおかしいことなかった?」
俺「最近っていうか、わからん。急に殴りかかってきたりしてたけど」
Bさん「急にか、なんも言わんかったか?」
俺「いや、急に。意味わからんし。
 あ!そういうことか。Aが急に異常になったってこと?霊が見え初めて、発狂し始めたんっすか?」
Bさん「いや、Aはまともや。でも、何をすればいいかわからんかったよ」
俺「は?まともじゃないっすよ。あいついきなり殴り始めたし、しかも笑いながら。
 皆怖がって、俺を助けようともせんかったし」
Bさん「○君。殴られたときに、怪我するようなこと受けてないやろ?
 いや、殴る事自体は悪いことやから、庇ってるんじゃなくてな。
 うちの家系での霊を見つけたときの対応は、笑う事なんよ。
 やけん、異常者に見られることもあるけど、普通は無視してるんやけどな」
母「ってことは、○に霊がついてたって事ですか??」
Cさん「うん、今も憑いてる。それと○君。ベランダに誰か見える?」
俺「はい??なんですか?ベランダですか?」

ここで俺は、気絶するまえに見たモノとは別のものを見て、発狂しそうになった。
Cさん「大丈夫。絶対にココには入れんから」
親父「え?なにがですか?」
親父には見えてないし、もちろん母にも見えてない。
Bさん「あ、いえ。それでね、○君にはちょっと憑いてるんや」
俺「あ、あれか・・・飛び降りの奴見てしまったからか・・・」
Bさん「いや、ちがうよ。あれは多分たまたま。本当に偶然。
 でもその偶然がベランダの奴で、それ以外についちゃだめな奴が憑いとる」
俺「え?」
Bさん「うん、それがついちゃだめなんよ。
 厳密に言うと霊とかじゃなく、うちの家系では××××って言うんよ。
 それを言葉には出しちゃだめですよ。すぐ移るから」(両親を見て)
母「××××」(なんて言ったか忘れた。バラ??なんとかだったけど不明)
俺「!?」
母「これで私についたけん、○は大丈夫でしょうか?」
Bさん「いや、そういうもんでもないけど、本当にそれは言わないでください」

母「息子が困るのは一番いやですから」
Bさん「多分、それをするともっと困ります」
俺「もう、やめていいよ。っていうかなんなん?俺が霊に呪われてて、Aはそれみて俺をなぐってたん?
 でも、それはおかしいやろ。そんなんします?普通。
 っていうか、笑いながら殴ったらいいん?霊が追い払えるん?」(ちょっと困惑しててまくしたてた)
Cさん「ごめんね。そういう風にしか教えてなかったから、やったんやろうね」
Bさん「お払いするときにはな、絶対に笑いながら相手を追い出すんよ。
 こっちは余裕だ、お前ごときって感じで。
 んで、憑かれてる者を叩くと、憑いてるものが逃げ出すって感じなんよ。
 もちろんお経やったり、お呪いやったりが必要なんやけど、あいつは見様見真似でやってしまったんやろうな」
俺「でも、あいつ蹴ったりもしたし」
Bさん「うん、それは行き過ぎやな。でも、Aが学校休んでる理由は○君が怖いって。
 まぁ、○君に憑いてる者が怖いってことなんやけどな」

それから数分そういう話をした後に、Cさんが御祓いするための道具を駐車場に取りにいって、
Bさんが俺を守る形で周りを見張ってた。
その後、準備が整い御祓いが始まったけど、今まで見たどの御祓い方法よりも異常だった。
神社のような御祓いでもなく、お寺のようにお経を唱えながら木魚を叩いてるわけでも無い。
ただただ笑いながら、お経を読んでる感じ。
そのお経もお経という感じではなく、ブツブツブツブツを繰り返してて、小声でただ話してるような感じだった。
それから何度か手を叩かれたり、頭を払われたりした。
それが終了して、Bさんが「もう大丈夫」と俺に言い、Cさんが「もう見えないでしょ?」って言うので、
ベランダを恐る恐る見てみたが、何も無かった。

次の日から、俺は普通通りに学校に行くようになった。
(エレベーターは一人で乗ることが出来ないため、いつも親と一緒に乗ってた・・・)
ただし、この日Aに異常が起きたらしく、
その日の夜に「Aが居ないんだけど、○君の家に行ってないか」という連絡が、Aの父親からあった。

次の日から、BさんやAの両親が捜索願いを出して探してたらしいが、
家に家出をするといった感じの手紙が置いてあり、
家出人の捜索のため警察が捜索をする、ということは無かったらしい。

Aの親が電話をしてきた理由は、その手紙に俺の名前が何個も書かれていたことが起因らしい。
俺は『霊がのりうつってたから』と言う理由があったからと言って、Aを許してはなかったから、
どうでもいいって思ってた。

Aが行方不明になって3日目の朝に、どーーーん!っていう音が聞こえて起きた。
俺はもう、そんなことがないと思ってたから、本当に汗がびしょびしょになり、
直ぐに親の部屋に逃げこんで、少したって、夢での出来事だったことに気付いた。
(というか、そういう風にした)
ただ、その日にAが飛び降り自殺をしており、時間帯も朝方であったと聞いて、
その夜から怖くなってきて、一人で寝ることが出来なくなった。
遺書が見つかっている事から、自殺で間違いないようだ。
遺書の中に俺宛の部分があり、
『ごめん、本当にわるかったね。
 多分俺らの家系は、部落でちょっと頭がおかしい家系が多いんやと思う。
 自分の家系のせいにしたくないけど、お前を殴ったのは本当に悪かった。ごめん。』
って書かれてた。

その次の夜にお通夜があり、俺も両親とともに行ったのだが、俺はすごく嫌がってた。
ただ親が、「一応供養だけはしとかな、変なことあったら嫌やろ?」って言うので、
仕方なく行くことになった。

お通夜もかなり変わっており、通常のお通夜と違い遺影など無く、その代わりに紙にAの名前が書いており、
それを御棺の側面にびっしり貼り付けていて、近づくのも嫌になるような不気味さを漂わせてた。
Bさん曰く、
「写真を置くと、写真の顔が変形するんだよ。
 それは見るのが耐えれないほどの奇怪なモノだから、この地域ではこういうやり方でやるんだ。
 名前の書いた紙をびっしり貼ってるのは、『コイツはAだ。××××ではないんだ』っていう証なんだ」
との事。(本当に意味不明。奇怪すぎる内容にひいた)
その時、Aの父親が俺に話かけてきて、
「迷惑かけてごめんね」と、Aが家出したときに書いた手紙と遺書を見せてきた。
遺書の部分は上記の通りだが、この時は本当は見たくなかった。
家出をした際に書かれた手紙には、
『○(俺の名前)にあいつが憑いてたんだけど、ずっと俺を殺そうと見張ってる。
 おじさん(Bさん)が、○のあいつを御祓いしたからもう大丈夫って言ってたけど、
 あいつは俺に来たみたい。
 でも、おとうさんはあいつを御祓いできないだろうし、おかあさんの家に行ってきます。
 行く道であいつがついてきたら、他に行ってみるね。』とあった。
Aの両親は別居中だったため、Aは母親方の実家に向かったらしかったが、
そのまま行方不明になったらしい。
ただ、何故か警察は家出だと言って、行方不明というよりは、家出人としてしか扱わなかったそうだ。

それは本当に、見なかったほうが良かったって思った。
あいつとか書かれてるし、意味も不明なので。
その日までの現実離れした出来事をかなり思いだされて、怖さで震えてきた。
Aの自殺した時間が朝方だったことも怖さをまして、ココには居たくないって本気で思った。
俺がおかしかったんじゃなく、こいつらが異常だって思った。
お経も無く、変な平屋のような場所に棺桶が置かれており、びっしりとAの名前が書かれた札を貼っていて、
その挙句、親戚の何人かは笑っているのである。
韓国だかどこかで泣き子といって、泣くだけの為に葬式に参加してるってやつがいるって、
気味の悪い話も聞いたことがあるけど、
この集落に伝わる葬式も、気味が悪いを通り越して異常でしかなかった。
うちの両親もさすがにこの状況は怖かったらしく、「もう、かえるか」と、挨拶も早々に切り上げた。

それから数日後に、Bさんが両親に言ったのが、
俺に憑いてたのは、Aのおばあさん(つまりBさんの母親)が、
××××になって(霊だろうけど、そうは言わなかったので)憑いてたとのこと。
もうそんな話はどうでも良いから、聞きたくも無かったけど、「聞いといて」との事なので聞かされた。
飛び降り自殺をしたニンゲンも裏S区出身者で、××××に追いかけられてた事。
俺に取り憑いた理由はわからないが、以前Aの家に行った時についたのかもとの事。等を聞かされた。

そこで俺も、怖いと思ってたことを2つ聞いた。
1つ目は、Bさんに殴られる前に見た『顔』。
2つ目は、飛び降りしたはずの人間が階段に居て、下の遺体のもとに駆け寄ろうとしてたが、
アレは何なのか。

そうするとBさんは、2つ目については、
「死んだ人間は、死んだことを分からない事が多い。
 だから、下に自分が居たので、取りに行こうとしたんじゃないかな」との事。
ただ、そこで邪魔をされると、呪いをかけようとするとの事。
ここで俺は、「邪魔をしてない」と口を挟んだところ、
「お前、エレベーターを呼んだだろ?『ピン』って音が邪魔なんだよ」
って、Bさんの口調がかなり強い言い方に変わった。
本当に飛び跳ねそうになった。俺の両親もかなりびびってきてた。
Bさんはその口調のままいった。
「お前なぁ、見ちゃだめだろ?俺はいいがお前はだめだろ?見んなよ。俺をみんなよ。
 なぁ?おい。聞いてるか?おい?」って感じで。
さすがに親父が怒って、「何言ってんだ?怖がらせてどうする!」というと、Bさんがビクンってなって、
「あ、ごめんなさい。申し訳ない。ちょっと来てたので、聞いてみようと思ったんです。申し訳ない」
って言い出して、口調を戻した。
「見てはダメだったと言っても、見たくて見たんじゃないから、もういいだろ?な」と自問自答を繰り返し、
その後俺に向かって、
「もう、絶対に大丈夫。本当に申し訳なかった。
 この亡くなった奴も××××に追いかけられてて、○君にのりうつってたあいつに怒ってしまって、
 ○君のとこに来たみたい」との事。

1つ目の質問については、「それが××××」との事。
(この名前はもしかしたら、日本語とかでは無いか、もしくは方言なのかなぁと、このときに思った)
そして、Aのおばあさんが××××になってしまった。
でもAの父親が、自分の母を消すのは心許ないとの事で、御祓いを避けてたとの事。
ただしAが亡くなってしまったため、流石にもう腹を決めたらしく、御祓いを昨日済ませたとの事。
等を聞いた。

そして、Bさんが帰るとの事だったので、玄関で見送りした。

Bさんが玄関を出た直後に、いきなりBさんの笑い声が聞こえた。
「あはははははは。ははははは」って。
俺はびくっ!ってなり、膝から崩れた。
親父は「やっぱりあそこの連中はおかしいわ」と、怖さからか、それとも本当に怒ってるのか、
怒鳴る感じでそういってた。
母は「もう、あの人らに関わるのはやめようね」と言い出して、涙目になってた。
あんな話をしてて、笑いながら御祓いすると聞いてても、
家を出た瞬間にあんな笑い声を張り上げている奴を、流石に同じ人種とは思えない。
「あはははははははは」と笑ってて、その声が聞こえなくなって、
初めて三人とも動けるようになり、リビングに戻った。

俺が「あいつらはおかしいよ、絶対異常やって。っていうか、あいつエレベーターで帰ったんやろうか?」
と言ったら、
親父が「あいつとか言うな。一応年上やろうが。はぁ・・・もう、関わらんようにしとけ」と言って、
鍵を閉めに行った。

その直後に、「はやくかえれ!!」っていう怒鳴り声が聞こえて、心臓が止まりかけた。
母親も「ひぃ」ってなってた。
親父が鍵を閉める前に、夕刊が郵便受けに入っており、
それを中から取ろうとしたら、上の部分に引っ掛ってしまっており、外から取ろうとしたらしい。
そうしたら、Bさんがまだエレベーターホールでニヤニヤしてたらしい。
親父はぶち切れてて、「警察よぶぞ!」とか言い出しており、(怖かったんだと思う)
横の家の人とかも出てきて、
Bさんは「え、い、いや、今帰ろうとしてたとこです。え?なんですか?」とか言ってたらしい。
言った瞬間に又ケタケタと笑い始めて、エレベーターに乗って帰ったらしい。
(親父が「塩まけ。塩!」と言い出し、狂ったように塩をまいていたので、
 隣人からしたら親父も異常に見えたかも)

その後、両親と一緒に有名な神社に行って御祓いを受けて、家を引っ越した。
S区からは移動してないため、同じ学校の地域だったが、
俺は他の地区の学校に転入をしてもらい、それ以降は一切裏S区には近づいていない。
今は新S区と名前を変えてるが、地域性自体は変わってないようであり、
従兄弟の通うS区の学校では、未だに同和教育があり、
地域は言わないものの、差別的な事が現実にあると教えてるとの事。
しかし、アクマで部落、集落への差別としか言わず、
裏S区の事情、情報は皆無で、裏S区と呼ぶと教師が過敏に反応し、
「新S区だ」と言い直したりとかもするそうである。
(これは九州特有の人権主義、日教組等によるものだと思うけど)
Bさんに関しては一切関わりを絶っているため、今はどうなってるかは不明。

うちの両親はこの事件までは、裏S区に関しての差別意識は皆無だったが、
これ以降はかなり毛嫌いしており、その地域の人達との関係をかなり制限してる。
俺はそれ以降霊的な出来事は皆無だけど、エレベーターだけは一人で乗れず、
はずかしながら一人で寝ることも出来ないので、妻にすごく馬鹿にされている状態。
終った直後の頃は、トイレに行くときも親を起こして、(高校生なのに・・・)
一々行ってた位に、心身が恐怖で埋まってた。
俺に関しては、裏S区の出身と聞くと、差別というよりも恐怖だけが全身を駆け巡り、話も出来なくなる。

駄文、かなりの長文失礼しました。一応体験談として置いておきます。
読んだ人マジで乙

(ナメ○○○>ナメラスジ
魔の通り道や、鬼門裏鬼門の線上のことだったりするね。
似たようなものに、ケガレチ(気枯地)なんかもあったりする。
自分も九州人なので、こういった話は時々聞くね。
古墳、遺跡、巨石機構、山岳信仰など多いし、民間伝承、迷信、神懸りなんか、今も脈々とつづいてる。
長崎の外海、五島なんかは、隠れキリシタンの独特の風習、迷信や呪詛なんぞもある。

洒落怖の名作「裏S区番外編」 裏S区の続き

続きが知りたい???
残念ながら続きはないです。ただし、別のお話。
まぁ続編ではなく、アナザーストーリー的なものでよければありますけど・・。
ただし、裏S区について聞いた話みたいな感じです。
怖いかどうかは知らんし、本当かどうか体験者ではないので不明。
ただし、信用は出来そうです。汚しにならん程度になら投稿してみますね。
今夜か明日にでも。

そんな感じの名前だと思うよ。
一応調べてみたら、岡山方面、九州、四国辺りで、鬼門に続く道、霊の通り道、って感じの名前らしいね。

(おまえwww
自演しててアナザーストーリーだとwww
楽しみにしてるよwwwwがんばれwwww

アナザーストーリーやってみるよ。(ただし実体験での上でね)
その前にトリつけておきます。

余計な話になりかねないのでスルーしてください。
それと偽者、もしくは自作物と思われてる方もスルーしてくださいね。(かなりの長文ですので)
作家志望でもないけど、なれるならなりたいです。

また、これから書くことは、俺の体験とは全くの”別物”です。
(俺はこの事件以降、霊的体験皆無ですので。それと、信用してる友人ですが、この話が信用できるかは不明)

アクマで聞いた話の為、本当かどうかは不明。(俺の体験だと本当と言い切れるが、人の体験なので)
自分の体験をS区出身の友人に話したところ、
彼が(仮にKとする)俺に酷似するような体験があると言い出したので聞いた話。

まずはKについて。中学からの付き合いで、高校は俺が引っ越すまでは一緒。
ただし、引っ越す前までに、そこまで仲良かったわけでもない。大学時代になって再度仲良くなった。
霊的な体験談多数。
しかし本人曰く、「全然怖くないことばっかり、あんな事件があったし」それ以外にも変な体験が多い。
例1:大学時代にストーカー(女)に付きまとわれる。
(ただし、このストーカーは異常者であり、
 Kをストーカーしてるというより、Kが住んでいた部屋への異常なまでの執着心。これは怖かった)
例2:かなり有名な殺人事件が、借りていた部屋の近くであり、
 Kの家に、殺されているはずの人間が出てきて(夢まくらの様な感じ)、その次の日に事件が発覚。
 犯人の自供から、死んだ時間と現れた時間が一緒だったとの事。(本当かどうかは不明)
例3:風俗に行って、風俗嬢にいきなり耳を噛まれる。
 その際に耳元で、「あーああーあーあー」と言われたとの事。(意味不明、耳に噛まれた痕あり)
例4:以上の事から、K自体に何かがとり憑いてる可能性があるため、神社に御祓いに行くも拒否される。
 これはうそ臭い。神職にある者が助けを断るとは思えない。が、Kの彼女の話からすると本当の事らしい。
 (意味不明、理由も不明)

そんな感じの奴。ただし、実際に話を聞くと全てに置いて真実味がある為、嘘ではないと思います。
話をもどします。

S区って言うのはかなり大きくて、目の前に海、後ろに山がある。
S区の目の前の海を正面と捉えており、山を越えて広がる場所が裏S区。もちろんこちらもそれなりに大きい。
ただ、裏と名前がついたり、差別観的な名称からも分かるとおり、S区と裏S区ではかなり文明が異なる。
裏S区にはまず電車が通っていない。
電車に乗って隣町(S区から見ての話だが)に行く際にも、
わざわざ車かバスでS区に出てきて、電車に乗らなければならない。
たかが隣町に行くだけに3、40分以上かかってしまうのである。
だから裏S区出身者は、あまり外(自分の地域以外)に出たがらない。
その為か、かなり身内に対しての思いやり、連結力というのは強く、
子供の起した事件に関しても、一々親がしゃしゃり出てくる。
ただし、こういう地域に限り絶対にある、『排他的』なものに関してもかなり強い。

例えば、俺が高校の時にAに苛められたときに、殆どの奴らが俺に対して手を差し伸べる事は無かった。
俺は生まれも育ちもS区なのだが、クラスの半数以上が裏S区出身者の為、
裏S区の奴等に関しては、傍観とか無視とかとも違うくて、『そこに俺は居ない』って本気で思ってる感じ。
また、S区の奴等にも友人が居たが、彼らは裏S区の人間を怖がっている為か、
俺に手助けをしたり庇ったりして、何か自分に火の粉がかかるかも、という事を嫌がってる感じで無視。
まぁ、俺の中でも一番仲が良かったAの突然の奇行にビビッてたし、他に助けを求める気も無かった。
また、裏S区は本当に田舎な為、未だにヤンキーと言われる奴等が多く、
たばこやお酒は当たり前で、シンナーまで吸ってる奴も居た。
(流石に俺の高校には居なかったけど、S区出身者で裏S区の学校に通ってる奴からの情報。
 また、その高校はお世辞にも頭が良いとは言えないため、そういう奴等が集まるのは必然かも)

ただし、ここで俺が疑問に思ったのが、
俺がAに苛められてる時に何も無かったようにしていた他の裏S区出身者には、俺についてるモノが見えなかったのか?
それとも、それが見えたからこそ、Bさんが言った「通常は無視をする」っていう感じだったのかは不明。
ただ、後者のほうの様な気がする。
そうでなければ、教室の後ろでいきなり殴られたりしてるのに、笑顔で飯食べたり、会話を楽しんだりなんか出来るわけない。
S区出身者の奴等でさえちらちら見てたのに、全く無いモノのように振舞えるわけが無いから・・・。
まぁ、どっちにしろ気持ちのいいものではない。

それと追記として、俺の高校のときのクラスの、5分の1の苗字がAと同じ。
別に親戚とか従兄弟とかではないみたいだけど、昔に遡ればそういう関係なのかもしれない。
けどこれは不明。
(俺が転入した先の高校にも、この苗字のやつが学年に3人ぐらい居たので、ただ単にこの地域に多いだけかも)
この家系の奴等だけしか見えないとしても、裏S区の奴等に言えばモノを理解し、俺を無視ぐらいはするだろう。

ここでKの話にもどる。

ある日Kが、裏S区の友人(G君とします。彼とは一度も話した事はありません)宅に、
初めて泊まりに行った時の話。
KはS区出身と書いたが、本当は小学生の時に引っ越してきた。
それまでは福岡県の都会に居たらしく、ここに来たときにかなりの田舎だと思ったそうだ。
俺からしたらS区は、田舎でも都会でもない所謂普通の町だったけど、Kからしたら田舎らしい。
別に畑や田圃が広がってるわけでもないし、コンビニまで歩いて30分なんて場所も皆無な場所。
(むしろコンビニは多いと思う)
まぁ、そんなKだから、
高校に入って裏S区の知り合いが出来て遊ぶ範囲が広がっていき、裏S区の奴の家に泊まりに行くことになって、
初めて裏Sを見ることになる。
初めて向かう際に足に使ったのがバスだったが、そのバスを待つ時間が40分に1本ぐらいの割合。
(高校の放課後の時間帯でそれ。朝や夕方5時以降から7時までは20分に1本。
 それ以降は1時間に1本とかそんな感じ)
しかも、隣町の都会に電車で出るよりも時間がかかる。
それだけでもかなりショックだったらしく、グダグダ文句を言ってたんだそうだ。
ただ、値段がかなり安い為、
(もし隣町の都会にバスでいくと300円以上かかるが、それ以上時間がかかるのにも関わらず160円ぐらい)
裏Sの出身者はそのバスを結構用いてる為、
Kがグダグダ文句を言ってる時に、前に座ってたおばさんがまず咳払いをし始めて、
それを合図かのように、その周りの2、3人がちらちらKを見てたそうだ(被害妄想っぽいけど・・・)

その後、裏Sの田畑が広がるだだっ広い場所に出ていき、ポツンポツンと家が見えてきたところで、Kはバスを降りた。
バスの通り道はそのまま住民の主要道路となっており、そこしか大きな道はない。
その為、辺鄙を通り越したような感覚になる。
その時にすごく嫌な匂いがして顔をしかめてると、Gが「どうした?」と聞いてきた。
(めんどくさいので、「・・・らしい」とか、「・・・だそうだ」を多少省き、Kの話とします)
以下会話。

K「この匂いなん?めちゃめちゃくせーよ」
G「なんの匂いよ?ちゅうかお前、人の家の近くに来てめちゃめちゃ失礼やのぉ」
K「いや、なんやろ。なんか匂うやろ?わからんの?」
G「あ~、お前これ家畜の臭いやろ。牛とか豚とか飼っとるけん、そのにおいよ。気にすんな。
 あ、それとお前、さっきいらん事文句いうなや、後で俺が言われるやろうが」
K「いらんことって?ちゅうか遠いもんは遠いやろ。
 しかも怒られるって。あんなおばさんとか無視しとけや。全然知らんおばさんやし」
G「いや、お前が知らんだけやけね。
 俺とかは結構見かけたりするし、うちのオカンとかと知り合いかも知れんやろうが」
K「まぁまぁ、俺は関係ないけいいけん。しかも俺が言ったんやけ、お前が気にすんな。俺が怒られるだけよ」
G「あー、それと、お前うちに来たときに変なこと言うなよ。匂うとか臭いとか。おとんにぶん殴られるぞ」
K「言わんよ。さすがに」
G「いや、まじめに聞けって。うちのおとんメチャメチャ怖いけん、絶対怒らせんなよ」

ここまで来て、さっきまでのGの不真面目さが消えてて、Gの父親の怖さを凄く強調するので、Kはかなり緊張してきた。
その後Gの家に向かうことになったけど、バス停からさらに10分近く歩いてやっとつく。
さすがに文句言おうかと思ったけど、家の前に来たことで、Gの両親に聞かれたら困るしと思い、何もいわなかったそうだ。
ただ、この時点でKはもう帰りかったらしい。
理由は3つ。
1、臭いがひどすぎる。
家畜の臭いは今まで嗅いだ事の無いぐらいの臭いだそうで、トイレの臭い匂いみたいな感じ。
2、家が凄い怖い。
木造の平屋の様な家で、日本家屋的なものらしいけど、家の色が『黒』。
別に真っ黒って意味ではないけど、黒っぽい感じ。
(これはAの家もそうだったけど、ただ薄暗い。
 都会育ちの奴には明るいのが当たり前だったから、とかそんな感じではく、
 木目調の色合いが、なんか『黒い感じのもののみで』って感じ)
3、お札びっしり。
家の玄関の扉をあけたら、靴を脱ぐ前の壁にお札びっしり。
(Aの家でも同じ感じだったが、葬式だったからと思ってたが、Gの家は不明)

この3つのうち一番嫌だったのは、もちろん匂い。
2に関しては、外面が黒かろうが、中に入れば普通だったので気にしないから。
3に関しても、家の玄関の側面の靴置き場のみなので、家に入れば特に問題なし。
ただ、匂いだけはどうしようもない。
家の中だから安全という感じでもなく、少しはおさまってるだけで臭いものは臭い。
靴を脱いで居間に居たGの母親にあいさつをして、Gの部屋にむかったところ、
Gの兄貴が居たらしく、一緒に色々と遊んでたそうだ。
Gの母親もかなりいい人で、わざわざおやつやジュース等を持ってきてくれた。
その際に、「K君ちゅうんか?ほうか、Gと仲良くしいや。ね?」と言われたそうだ。
その後Gの兄が、「今日の夜は一緒に遊ぶか?」と聞かれた為、GもKもOKを出して遊ぶことになった。
ただし遊ぶと言っても、徒歩10分以内にあるものはバス停のみ。
何をするのか?とも思ったそうだが、
Gが「うちの兄貴おもしろいけん、いっしょあそぼうなw」と言われたので、楽しみにしていたそうだ。

その後ぺちゃくちゃ話をしてると、Gの父親が牛舎から戻ってきて、
「おい、G、友人つれてこい。挨拶させんか」と聞こえてきたので、少々緊張気味にあいさつ。

あいさつも普通におわり、「おう、よろしくの。Gと仲良くしとけの」と言われ、
「飯準備するけ手伝え」の一言で、K、G、Gの兄で用意をしてたそうだ。
その時に「キーーーーーーー」って言う小動物の鳴き声に、Kは焦ってビクっってなりながら、窓の外、庭を見たそうだ。
そこでGの父親が、鶏の頭を切り皮を剥いで、調理用にしてたそうだ。
Kはめちゃめちゃビビッたらしい。
生まれて初めて、自分が食べるものを『家』で『殺める』事に焦ったのと同時に、Gの父親がニヤニヤ笑いながら振り向いて、
「うまいもん、食わせてやるけんのぉ。自家用やからうまいぞ」の言葉に動きが止まった。
まぁ、確かに理解は出来てても、さすがに目の前で見るとちょっとヒク気持ちはわかる・・・。
でもK曰く、飯はめちゃめちゃ上手かったそうだ。
そのときには、匂いにも多少は慣れてるのと、料理の際の良い匂いに部屋中が包まれる為、気に留めなくなる。

ここで食卓中の会話。

G父「どうや?うまいやろうが?ほとんど家で作っとうけんのぉ」
G兄「いや、うちの飯はうまいんは、おかんの手がかなりかかっとるけんのー」
G父「お前にゃ聞いとらん。どや?K。うまいやろ?」
K「あ、めちゃめちゃうまいっす」
G父「おう、S区に住んどったら全部スーパーとかやろうけど、自家製ちゅうのは味が全然ちがうけんの」
K「そうですよねー。うまいです」(何故か『S区よりもうまい』を強調してたとのこと)
G母「それはそうと今日、Hちゃん(G兄の友人)のおばちゃんが怒っとったよ。あんたらバスで何か言うたろうもん」
K「あ、すみません。俺が道が長いって文句言うてもうて」
G「まぁ、悪気はないけん謝っとって」
G父「おい、G。お前一緒におっていらん事いうな。Kもこの辺に遊びに来るときに文句言うたらいけんぞ。
 夜中に××××がくるぞ」
(よく分からないけど、俺の体験に出てくるような名前らしい。本当かどうかは不明。

 K曰く、俺のと同じとのことだが、俺は名前を良く覚えておらず、Kも適当に俺にあわせてるのかも)
G兄「はは、ちゅうか俺ら子供やないし、そんなじゃもうこわがらんて」
G「んなこというてG兄、結構信じとるやん。Hさんの兄貴がおかしくなったときも、ビビッて言いよんたやん」
K「・・・」(何の話か全く意味不明な状態)
G兄「あ?あほか。あいつの兄貴はシンナー吸いすぎなだけって」
G父「シンナーすっただけであそこまでなるか、ぼけ。っていうかお前等、シンナーなんか吸ったらぶっ殺すぞ」
G兄「いや、俺は吸ったことないし、すうきもないって」
K「××××ってなんすか?」
G父「!?。お前はよそもんやから知らんでええわ。
 それとお前、その名前二度と口にすなよ。よそもんが言うていい事と悪いこともわからんのかのぉ」
G母「お父さん。K君も知らんでいいよんやけ、そんなん言わん。そんな言い方したりせんよ」
G兄「K。気にせんでええけん。だけどそれは、この地域の年配者には言うなよ」
K「あ、なんかすいません」

こんな感じの流れで、いきなりGの父親が怒り始めたらしい。
それで、飯食ったらすぐにGの部屋に行って、
再度GとGの兄に「その名前はかみさんみたいなもんやから、言うたらいけん」と念押しされたらしい。
まぁKからしたら、かなり居づらい場所になってしまったらしくて、
Gの父が「さっきはすまんのー。あんま気にすんな。おい、K、風呂入って来い。きもちいいけん」 と言いに来てくれて、
やっと変な居心地の悪さから解放されたそうだ。

まぁ風呂も普通に入って、Gも風呂上がって、
寝る時間になるまで、適当にゲームしたり話したりして時間つぶしてた。
その時にGの兄が友人を呼んで、「一緒に遊ぶか?」って聞いてきたので、それから外に遊ぶことになった。

田舎ならではというのと、その地域の特色というのも合間ってか、
その辺りは本当に不良が多く、暴走族の真似事をするやつらが結構多い。
GもGの兄貴もバイクを持っており、Kを連れて皆と遊びに行くことになったそうだ。

それから数分後に用意ができたので、Gの後ろにKが乗って、Gの兄貴についていくことになったらしいけど、
そこで外に出たときに、Kが『異常』に気付く。
GもGの兄貴にも『異常』では無いけども、Kにとっては異常以外の何モノでもない。
まぁ、都会と田舎の違いかもしれないけど、街灯が全くない。
今のご時勢に、舗装されてない道もそうだけど、街灯が無いと言う事が、Kからしたら『異常』。
恐怖でしかなかったらしい。
夜の9時ぐらいのため辺りは真っ暗。
別に田舎なら当たり前だろ、って言う人も居るだろうけど、俺もこの状況は知っているから言える。
宮崎県のど田舎(失礼)の村に行ったときの、商店まで車で30分、自動販売機まで歩いて20分の場所に行ったときでさえ、
凄く遠くにだけど、街灯が見える。
田畑だけが広がってる場所なだけに、少なくとも対面にある光ぐらいは見える。
けどこの地域は、(裏S区全体がそうではありません)
田畑が広がっていて、向こうまで見渡せるだけの視界があるのに、街灯は見えない。
闇が光を吸い取ってる。それほどの地域。

その『異常』にかなり怖がりながら、バイクでずっと進んで、
5分ぐらい行ったところの広場の様な場所で、Gの兄の友人が5、6人集まっていた。
Kが挨拶したら、結構気さくに話してくれる人たちだった。
ただし、ヤンキーと言われる部類のファッションとしゃべり方。全員裏S区出身者でG兄の幼馴染。
そこでやる事は特に無く、タバコ吸ったり、酒のんだり、Kにバイクの乗り方を教えたり、って感じで遊んでた。
その時にもう一台バイクが来たらしく、降りてきて早々に、
「まじ、兄貴うぜぇ。あいつまじおかしすぎ。意味分からん」と言いながら降りてきた。(彼がH)

再度会話。
(G兄の友人は6人いるが、重要人物を友人A、Bとする。他は話には加わってるが特に必要ないので)

G兄「おぉ、H。おっせぇぞ」
H「おぅ、だれかそいつ?なんしよんか?あー?」
G兄「Gのツレよ」
K、G「あ、どうも」
H「ほうか、アッー!あいつマジうぜぇー!」(地面を蹴ったり、つばを吐いたりしながら)
友人A「うっせぇのー、来てすぐに、なんなんか?どうしたんか?」
H「あいつ狂っとるわ。まじ、どっか病院入れーよ」
友人A「またか?ほんと、どうしようもないのぉ」
友人B「××××さんがきたんちゃう?」
G「こんなこわい場所で、いらん事言わんでくださいよー」
H「いや、来たんやって~。おれのオカンがいいよるわ」
G兄「ほなお前もみえるんちゃうん?」
H「いや、何がみえるんかも全然わからんし、ちゅうか小便ぐらいトイレでせぇや、いきなり居間でもらしよるん。
 あほやけ、まじで」

友人A「なんじゃ、そりゃ。むちゃくちゃやね」
H「しかも笑わないけんけね。もう、うぜー。目の前であんなんされて笑えるかって」
G兄「笑っとったんやろ?」(ニヤニヤしながら)
H「あたりまえじゃ。こわかろうもん」(こちらもニヤニヤ状態)
友人B「じゃぁ、おばちゃん今度やるん?それともつれていくん?」
H「家じゃせんやろ。どこに行くかわからんし」
友人B「ほな、奥さんはどうするん?やるん?」
H「いや、せんやろ。あんだけおかしかったら別れたいやろおし。それに普通のときにも殴られたりしとんに」
G兄「あそこん奥さんの母親もせんの?」
H「いや、もうしんどるし」
友人A「ほしたら、Yのばばぁにでもお願いでもするんやろうね」
G兄「うゎー、めんでぇー。あそこしょっちゅう(結構)通りよるけんめんどいわ」
H「今から行くっちいいよったけん、俺もいかないけん」
友人B「ほしたら、言って来いや。俺らもいこうか?」
友人A「そやね、ひまやし」

ここで、友人A、B、G、G兄、K、Hはそこに行くことに。他のメンバーは帰宅。

H「あいつらは怖がりやし、名前が○○家やけのぉ(Aの苗字)みえるんやろ」
G兄「お前もやん」(Hの苗字もAと同じ)
H「しらんし。こわくもねぇし、あのクソアニキがシンナー吸いすぎておかしくなっとんのに」
G兄「俺はみえるけん、信じるわ」(ニヤニヤ)
H「うそつけや、お前は違うやん。俺にはみえるけどね」(ニヤニヤ)
友人A「みえんやろ。お前は。俺もやけど。あいつらはしらんけど」
G兄「まぁ、いいや。いくぞ」

そんな話をしながら、Yという人の家に向かったらしい。
Kが意味が全くわからなくてGに聞いたところ、
Yという人は霊媒師みたいな人で、
Hの兄は霊にのりうつられてると両親や他の大人に考えられてる為、そこに連れて行くとのこと。

ちょっと話はそれるけど、
これまでの話で霊関係なのか、その風土によるものなのか、それとも家系的なものなのかわからないけど、
俺の体験談でもあるように、この地域では精神異常者が結構出ていたために隔離されて、部落、集落となった。と言う事。
それと、この地域には有名な精神病院が一つあるけども、まぁ、場所的に閉鎖的な為に建てられてる感じ。
だから、この地域の人はかなり反対したらしい。
(それでなくても差別的なのに、そんな場所に精神病の患者を集めるような収容施設なんて、嫌でしょうがないだろう)
この2つの事がらもあり、この地域で精神を病んだ場合は、
病院とかよりも、まずは霊的な現象、事象と思われて、霊媒師等にいく場合が多い。
それと裏S区はかなり広い場所なので、全てがそうとはいえないけども、
俺の高校に来る裏Sの奴等の家の近くには、本当に寺も神社も全くない。
(もしかしたらあるのかも知れないけど、俺が知る限りでは無いです)
ただし、神社の代わりの様な場所があり、そこは墓地も含んでいる。
肝試しをする場所として俺らの地域では凄く有名で、
地蔵とかそういうのの代わりに、風車と小さな石塚がたくさんある。(水子地蔵の様なもの)
つまり、信仰が異なってるため、精神異常者も霊等のせいであり、病とはかけ離れてると考えられてる。
今のご時勢に、と思うかもしれないけど、それがそこでの事実。

その後、K達はYさんの家に行ったそうだが、Hさん以外は大人にメチャメチャ怒られて家に帰された。
でもその時に、Kはめちゃめちゃ怖かったらしい。
怒ってるって表現は、皆同様のものだと思う。目を吊り上げて、顔を少ししかめたような感じで。
でもこのときの怒ってるは、かなり奇怪、奇妙な感じ。
笑いながら注意する感じ。怒られてるほうも、笑いながら怒られてる。
Kだけあっけにとられて、キョロキョロ辺りを見渡してるって感じ。
それは怖いとか、恐れるとかのものとかけ離れてる存在。
あり得ないもの、見てはだめなもの、って感じのモノ。

その後、何があったわけでもなくGの家に帰り、
「今日見たことは絶対誰にも言うな」とGの兄に念押しされ、寝る事になったらしい。
ただKは、変なのに関わってしまった、っていうのと、
Gの部屋の電気を消した後の真っ暗さ、
カエルなのか虫なのか、それとも家畜なのかわからないようなものの鳴き声。
そして極めつけは、その日の夜に起こった金縛り。
それら全てに、ココに来た事への後悔を押し当てられた。
金縛りにあったからと言って、別に霊が出た訳でもない、
目を薄めにしたら、自分のおなかの上におばあさんがとか、お経が聞こえた、とかも無かったらしく、
ただの金縛り。体が動かないだけ。
ただし、ナニカの鳴き声。それだけでもう十分に恐怖だった。
そして、金縛りが途切れる瞬間に聞いたのがGの寝言。というか、Gが寝ながら笑ってたとの事。
金縛りが途切れたのは、意識が睡眠状態になった瞬間らしい。というか、寝ただけだと思う。

次の日の朝、朝飯の用意がしてあり、Gの両親は不在だった。
Gのアニキは、その時間に起きる気なしだったらしく、
GとKで朝食をとり、これからどうするかを話してたらしい。
それから一本の電話があり、GがGの兄を起しに行って、Gのアニキが誰かと変わり真剣に話しをしてる。
Gはソワソワしだして、その電話が終るのを待ってる状態。
そして電話が終了した後に、Gの兄がKに対して「今日はもう帰れ」っていきなり言い出した。
Kはかなりびっくりしたらしく、Gのほうを向いたら、
Gの兄がGに、「Hのアニキが死んだけん、通夜と葬式の用意するっち」と言って部屋に戻っていった。
Gも、ちょっと悪いって感じの言い方で、
「すまんが今日は帰って。そういう事情やから」とのことで、Kは帰ることになった。

そして家に帰る準備をして、Gの兄に挨拶をしバス停に向かった。
バス停でバスを待っていたときに、Gの知り合いのおばあさんも一人待ってた。
バスが来るまでの間、GがKに色々事情を話してたらしい。

以下会話。

G「わりぃね、急に」
K「いや、いいよ。っていうか、マジでびっくりするわ。昨日の今日で」
G「うん、っていうか、お前家に帰るバスの中で、Yさんの家が見えると思うよ。そこの前通る時笑えよ」
K「は??なんて???」
G「いや、その前通る時に笑顔でもいいけん、笑って通れよって」
K「いや、人が死んどるんやない???あほかお前。笑えるわけないし」
G「いいけん、この地域の人らは、個人が死んだときに笑顔で送り出そう、っていう感じなんよ。
 だけ死んで悲しそうな顔しとったら、霊が憑いてくるけん」
おばあさん「ほっか、そん子はこっちの子やないんか?いらん事こっちにきたりしたら大変なことになんぞ?」
G「あ、うん。昨日とまりきとったんやけど、今朝H君の兄ちゃんが亡くなったんや」
おばあさん「そりゃ、そりゃ。Yんとこ行ったんか?あ?それやったらあかんな」
K「いや、でも笑うのはおかしいやろ。ちゅうか普通に考えて、呪われるとしたら普通は笑ったほうが怖いし」
おばあさん「きさんはあほか??この地域の神さんと、きさんとこが一緒と思っとったらくわれるんぞ」
G「おばあちゃん、そんな怒らんでもええやろ、知らんのやし」
おばあさん「知らんかったで死ぬんで?死んだら終わりやろうが」
K「あ、はい。わかりました。笑えばいいんですよね?」(少しビビッたらしい)
G「うん、すまんけど、おねがいやわ」

こんな感じのやり取りがあったらしい。
その時にKは、もう絶対に裏S区に行かないって決めたとの事。

それからバスが来てGと分かれて戻る際に、Gの笑い方がめちゃめちゃ怖かったらしくて、
(目は笑ってないけど笑ってるって感じ)
直ぐにGが見えない位置に座った。
それからが『恐怖、混沌、異常』そんな感じの世界観をバスが包みこむ。

まずバスに、K以外におばあさんを入れて7人座ってる。
ただ、Kが座ろうとしたときに、後ろに座ってたおばさんが「ちっ」っていう舌打ちをした。
その後、斜め後ろに座ってる人や、前のほうに座ってる人に睨まれてる。
そんな感じの雰囲気。
凄く嫌な気がしてたので、下を俯いたままで座ってたら突然、
「あはははははははは」
「はーはははははははははは」
「はははは」
って、バスに乗ってる人が笑い始めた。

もう、Kはパニック。
何があったのかもわからないし、自分を睨んでたりとかしてたことがそんなに面白いんか?
って感じで、顔真っ赤にして涙目になって俯いてた。
その瞬間に、後ろのおばさんに肩をポンポンって叩かれて、後ろをキッ!って睨み返したら、
そのおばさんの異様な怖さに萎縮しまくったらしい。

ケタケタケタ笑ってるのに目は怒ってる。
(理解不能でしょ?
 目が怒ってるのに笑うこと事態が、あり得るのかどうかもわからんけど、一回試しに鏡に向かってやってみて。
 目が笑ってないのに、顔と声だけ笑ってる状態っていうのは、めちゃめちゃ怖いから)
「ははははははあはは」ってずっと声がでてて、目が怒ってて、ナノに顔は笑ってる状態。

その直ぐ後に、バス停で待ってたおばあさんがクィって顎で場所を指して、直ぐに気付いたらしい。
窓から見える家に、喪服姿の人がいっぱい集まってて、皆笑ってる。
本当にケタケタって表現がぴったりな感じで、そこに居る十数人がケタケタケタケタ笑ってるっていう状況。
Gの両親やGの兄貴、友人、Hもいたらしい。
もちろん目から涙をながしながらの人もいるし、怒ったような人もいるけど、顔は笑顔。
Kは唖然として笑えなかったらしいけど、
再度後ろのおばさんに肩をバシって叩かれて、どうにか笑顔を作ったらしい。
異様で異常。バスの外も中も笑顔だらけ。普通の人の形をした全く違うニンゲン。

霊にとり憑かれない為、霊を追い払う為、そう言われても納得できないぐらいの恐怖。
寧ろ、この人達自体がとり憑かれている感じ。
バスの外から聞こえて来るのには変な笑い声も混じってるらしく、
「ギギギギギギギギギギギ」というバスのゆっくり進む音に紛れ込んでる、
「あははははは」や「ギャガヤギャガ」って感じの変な声。
「ギィッギッギギギギギギアハハハハギギギギハハギャギャアアハハ」っていう奇怪なコエ。
(これはKの頭が混乱してて、こう聞こえたんじゃないかと思う)

それが1分ぐらい続く。
その1分がかなり長くて、Kが言うには、
「世にも奇妙な物語ってあるやん?あれでよく異次元とか、そんな感じで言いよるけど、あーいう状態。
 こそソレそのものやね。っていうか、現実世界であそこまでするか?そりゃこっちでは、避けられるんけんね。
 それを避けれるように、あの人等を避けるのは当たり前やろ」との事。(意味不明)

その後、その家をずっと後ろになってから皆が笑いを止めたので、Kも笑うのをやめた。
そしたら、バスの運転手に向かって前のおじさんが、
「~ちゃん、ちゃんとゆっくり言ってくれてありがとね」と言い出し、
運転手も「いや、しょうがないけんねー。××××さんつかれたらたまらん」とか言い出したらしい。
つまり、1分間もそこを通るのにかけたのは、運転手もその部落のモンで、
それを理解しててゆっくり、というか黙祷代わりに、1分間もかけてそこを通り過ぎた。と。
それに気付いた瞬間に、Kは怖さでブルブル震えてしまって、バスの中で泣き始めた。
「人前で泣くのはアホよ」とかかっこつけてるKが泣いたらしい。
K曰く、「そこにヒトはおらんかったけね」との事。
そこに居る全員、Kと同じニンゲンとは異なるモノだったらしい。
(いやいや、ありえんやろ?って思ったけど、Bを知ってる、又見た限りでは、分かる気もする)

その後、バスがS区のバス停についた瞬間に、家から一番離れてる場所ではあるけども、
それ以上そのバスに乗ってるだけで恐怖心が増したため、降りて歩いて帰ったらしい。

数日後、KはGとは全く遊ばなくなり、あえて避けてたら、Gが怒り出し学校で喧嘩になった。
その後、殴りあいに発展して、先生に呼ばれて話合いをすることになったとの事。
ただし、Kは避けてはいたが、手を出したわけでもなく、文句を言ったわけでもないので、
Gが悪いということになり、先生はGに謝れと詰め寄ったらしいが、
Gは文句を言いながら謝らずにそのまま家に帰っていった。

その時にKは、裏S区の怖さを再度身にしみる出来事が起こる。
それは上記にも書いてるけど、「子供の喧嘩に一々親が出てくる」。
KとGの喧嘩で話合いだったのにも関わらず、次の日に一々Gの親と母が来て先生に詰め寄り、
Kを呼んで再度Gとの話をさせろ。
それから、そこにその二人も立ち会う、との無茶苦茶な要求。
でも、先生が情けないやつなのか、それともそちら側のニンゲンなのか、それを了承。

以下会話。

先生「いや、昨日はいい加減な話になってしまったから、ちゃんと話合え、な?」
K「え?昨日話たじゃないですか。俺は別に何もしてないのにGが殴ってき・・・」
G母「うるさいねぇ!お前の話聞きたいで来とんやない!」
G「いや、Kが無視して俺を追い詰めたけよ」
K「はい?俺そんなことしてませんし、っていうか、もう良いですよ。ごめんなさい」
先生「ん、喧嘩両成敗って感じでね。Gも。ほら」
G父「Kに最初に会ったときに、言ったと思うけどのぉ。覚えとらんか?お?」(にやにや笑ってたとの事)

ここでKは、G父、G母の、最初の言葉を思い出したらしい
「Gと仲良くしとけ」「Gと仲良くしいや」
この言葉を聞いた時は、普通の親の挨拶と思ってたけど、色々考えなおしたら明らかにおかしい。
普通は「Gと仲良くしてね」。若しくは「二人とも仲良くしいや」。
でもこの家庭では、「Gと仲良くしとけ」
そんなに違和感が無いことかも知れないけど、よくよく考えれば明らかに自分優位。
それを再度強制なのか強要してるGの父は、話が通じるとは思わない。と思ったらしい。
そしてKが、
「もうGは謝らなくてもいい。俺が無視したのかも知れない。
 でもGとは仲良くなれない。ごめんけど関わらないでほしい」
との事を言って、最後に再度謝って全てを終えたらしい。

ただ帰る時に、Gの家族がケタケタ笑ってたところを見たときに、再度恐怖心が自分を襲い、
それ以降、裏S区のニンゲンとは話もしなくなったとの事。

以上がKの話。

本当かどうかは一切不明だけど、Kという友人は信用できるので、俺は本当だと思う。
それと、この年になるまで『裏S区の人間は怖い』と大人に言われているのは、
暴走族や不良がかなり多く、
又、精神病が近くにあるため、良くある噂で、『患者が外を歩き回ってて殺人事件が多い』とか、
精神病院の施設の中に、多数の患者が無残な死に方を強いられているとかの噂により、怖がられてると思ってたけど、
この年になり色々事情が分かってきて、何故裏S区と言われているか、
そして怖がられているかが、かなり分かってきた。
それ(色々な事情の事)が、差別をされるだけの事情になるのかどうかはわからないけども、
それが原因で恐れが生まれて避けられている、と言うのはどうしようもないような気もする。
又、この年齢になってからだけど、
裏S区についての怖い話、奇妙な話、奇怪な言い伝えをかなり聞くようになっていた。
(高校時代は全く知らなかったような事です)

今現在は新S区と名前を変えて、新興住宅や大型マーケット等も段々建ってきてるけども、
その地域だけは未だに街灯も無く、葬式や冠婚も独自のやり方でされており、
就職もそこの住民は、そこの地域にある職業についてる。
(酪農、農業、漁業って感じ。もちろん、普通に就職する人もいますので悪しからず)

ただKの話と俺の話では、『××××』と呼ばれる存在が異なっている。
AやBさんの話では悪霊。Gやその家族からしたら神さま?
この違いが、どういうことを表してるのかは不明。
名前が思い出せればいいのかも知れんけど、
経験上では思い出さないに越したことはないんだと思うので、一切思い出す気はない。
この地域の奴等に聞く度胸もないし、言わないと思う。
一応九州地方にある地域なので、わかる人もいるかも知れませんが、当たってても何も言いません。

ただし、AとBさんの話と、Gさんとの認識の中に重なる点があり、
又、Hのアニキの死が本当の話なら、××××が何から生まれるか。何なのか。
は、風土的なもので、大体の予想もつくかと思います。
(まぁ俺の中での予想なので、本人達はどういう教えを受けてるのかは微妙)

それと追記として、Kの話に出てくる人の一人が、とり憑かれたのかは不明だが、
Kが高校2年になった時に死んだらしい。(これも俺には真実は不明)
誰かはわかると思うが、Gの兄貴。何故死んだかは本当に不明。
ただKが高校2年以降に、同学年の結構な人数が休んで、葬式に参加する事件があったらしい。
俺は既にこのときには転入していたので、そんな事も知らないし、Gとも別に仲良くなかった為知らない。

ただ、何故『誰かはわかると思うが』って書いたかというと、
Kの話の中に矛盾な点があるので。(アクマでKの話どおりなら)

1つ目は、Gの兄は見えるべき人ではないのに、見えてたということ。
○○家(Aの苗字)の家系は見える可能性が高い。
それは俺の経験でもわかるけど、家出届けとかにあいつ等と書いたりと普通に出来る家系であり、
BさんやCさんにもわかったみたいだし。
それと、Gの兄とHと友人等とGとKで、Yの家に行く時の会話上からも、何となくそんな感じがする。
つまり、Gの兄は見えてた。見えるべきではないのに、見えてた。

2つ目は、Hの兄の葬儀の際にGの兄が居たとのこと。
これはあり得ない。Kがバスに乗るまでの間Gの兄は家に居たし、それ以降はGの兄を見かけてない。
もしKが俯いてた時にバイクが通ったなら、聞こえたはずだ。
なぜなら、外でケタケタ笑ってる音や、「ギギギギギギギギイギギギギ」って言う音に、
「あはははははは」の混じったコエも聞こえるのであれば、バイクの音は聞こえてるはずだから。
なのに、Gの兄は笑ってた。ケラケラケタケタと、Hの兄の葬儀の場で笑ってた。

駄文で申し訳ないです。
またかなりの長文になってしまい、わざわざ読んで頂いた方ありです。

ただ何度も言いますが、これは俺の体験談とは全くの別物です。含まれては居るものの”別物”です。
Kからの話を聞いてのことが軸になってるため、本当かどうかもわからないので、
聞いたままこんな感じで記述してます。

それと、差別意識を増すために書いてるのでは無いので、その辺は憂慮してくださいな。

(乙。
殿堂入り!
不謹慎かもしれないが『面白い』
長さを長く感じさせないし終わってしまった時はもっと知りたい、読みたいと思った。

(いやー、久々におもしろかったww
傷さんには悪いが、そっちはちょっと俺には抵抗があったけど、今回の763さんの話はかなりきたw
悔やまれるのは夜見るべきだったなぁ、怖さを増幅させるために。

久々の良コワ、殿堂入りは決定だねwおっつんw