大学生活を過ごしたアパートで体験した心霊現象の怖い話

恐怖の心霊体験談

私が大学入学とともに入居したアパートの隣の部屋から、深夜に響いてくる男性の歌声とギター。誰に聞いても隣の部屋は空室とのこと。事情を知る先輩に、怪奇現象が起きた話を打ち明けるとようやく、あの部屋の秘密を教えてくれたんです。

私が大学一年生の時に同じ大学の先輩から聞いていた話です

私は大学に通うために、学校の近くのアパートに引っ越しをしたんです。
元々、地元ではなかったので、土地勘もなく学校から近いアパートを選んで契約をしたのですが、引っ越して早々に、隣の住人に挨拶向かいました。

その住人は、私より2学年年上の女性で、色々と情報を教えてくれました。
例えば、「何処何処のアパートは築何十年で古くて地震が来れば一番に倒壊する建物と言われているよ。」等、たわいもないことです。
でも、私が住むことになったアパートについては、何故か口をつぐんでしまうんです。

そうして、4月から学校が始まりアパートでの新しい生活にも慣れたころです。昼間に私の部屋のインターホンがなりました。
インターホンを受けてから扉の前の映像を確認すると、誰も映像に映っていないんです。
私は、仕方なく「もしもし」等と受話器から外へ向けて呼んでみましたが、応答はありません。

そんな事が頻繁に続いたので、その件について先輩に相談をしたんです。
2学年上の先輩は、「女性の一人暮らしだから心配はわかるけれど、子供の悪戯かもしれないから。気にしない方がいいよ。」と話をしたんです。
それでも私は、「私の部屋は3階なのに、学生アパートに子供が悪戯するのかなあ。」としつこく助けを求めたんですが、先輩はそれ以上、私の相談の相手をしてくれませんでした。

月日が経過した2回生の夏の日のことです

夜間になると、私の部屋の中に、隣の部屋から男性の歌声がギターとともに聞こえてくることが、頻繁に起こるようなったんです。
時には数人の歌声で騒いでいることもあるんです。

音楽は機械から流れてくる歌謡曲やフォークソングの様に落ち着いた曲ではなく、まさに隣の部屋で、のど自慢大会に出場した若者の歌う音色そのものでしたので、
明らかに隣の部屋に人が複数名居ることが分かりました。

そこで、大家さんとお会いした時、私の隣の部屋に入居者がいるかどうかを尋ねてみました。
大家さんは、「まだ入居者は決まっていない。」と教えてくれたんです。
そこで、不審に思った私は、夜間の買い物帰りに隣の部屋の明かりを確認してみました。

すると明かりが点いていたんです。
そのまま階段を上がり、自分の部屋に戻った私の耳には確かに、隣の部屋から複数人の男性が騒ぐ声が聞こえるんです。

私は思い切って、隣のインターホンを鳴らしました。
「深夜は静かにしてください。」と伝えるつもりで。
ところが、インターホンを何回鳴らしても反応が無いんです。
諦めて部屋に戻ると、やはり男性の騒ぎ声が聞こえてくるんです。

不気味になった私は、先輩に電話をしました。
そして、先輩の口からは「あの部屋の住人は、私が引っ越して来る以前に隣の国道で車に跳ねられて亡くなったんだよ。」
という事実でした。

それ以降は私は何も言えませんでした。