洒落怖の名作「妖怪退治の仕事してるけど、何か質問ある?3話」 リアルな怪異の話

洒落にならない怖い話

洒落怖の名作「妖怪退治の仕事してるけど、何か質問ある?」を紹介。全7話ある長編の洒落にならない怖い話の3話をお届け、リアルで臨場感のある語り手が体験した妖怪や怪異を退治する仕事について質問や体験談を中心に展開する、怖くて不思議で楽しい名作中の名作を。

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洒落怖の名作「妖怪退治の仕事してるけど、何か質問ある?7話(最終話)」 リアルな怪異の話

洒落怖の名作「妖怪退治の仕事してるけど、何か質問ある?3話」

(やっぱり1さんは文章がうまいな
よくできた小説とかみたいに引き込まれる
ちょうどこのタイミングでの復活だけどやはり旧の十月は忙しいのですか?

忙しいというか。精神的な疲れがたまるものが多いから
パソコン開く気になれない時が多い
プロ2ちゃんねらーじゃないからそこらへんわww

(一乙
年末年始は祭り事多そうで忙しそうね
かみさんいじればおまけも色々でてきそうで

(嬉しいぜ
続きが読めること以上に1が帰ってきたことがな

(建ててくれてありがとう!
本当、他の話とは一線を画した面白さがあるよ!最高!

質問なんだけど、人間死んだらどうなるんかな?
考えたりできるんかな
1の話だと霊は精神的な作用が可能なんだよね。だったら交信とかできるんかな
できるなら殺された人の霊と交信して犯罪の解明とかできないのかな
あと、行方不明の子の捜査とか

実際アメリカとかではあるんじゃなかったけ?
心霊捜査的なやつ
俺は死んだことないから死後の世界のことはわからないし
幽霊の電波受信できる霊能力者でもないから正直どうなのかは知らん。

ただ、昔先生に同じようなことを聞いたことあって

そんときは、地獄に落ちたくないから、多分地獄はないって言ってた。

こういうのって、目に見えないから、他人にいくらなんと言われようと
結局のところ確認のしようがないし
実際どうのこうのより
自分が何を信じるかのほうが重要だろうね

(最近うしおととらを読み返ししてる俺にはタイムリーなスレ

(まとめから読んできたけど興味深い。
感覚でならわかるが文字にされるとまた別物だな。

(面白い。得度しようと思っていたところだったので、業の話が興味深かった
現世で業が深いので修行して少し落として来世に期待、と思っていたのだが持ち越しなのか・・・

(先生が亡くなった時の手続きが、とか言ってたけど先生の家族や出自については>>1はある程度聞かされてたのかな?
それとももしもの時のために、と遺言書みたいなのをあらかじめ渡されてたり?
あるいはこういう仕事してる人って親戚縁者とは絶縁なんだろうか

(大多数の人間が認識できないものを
特定の人間だけが認識できるという主張は
彼らの脳や精神が異常をきたしている可能性がありますが、
ご自身ではどうお考えですか?

でもまぁ、絶対音感とかそういう風に普通の人はもってないするどい感覚が
ある人っているじゃん。

もちろん、疾患がある可能性もあるけどね。

昔先生にきかれたことなんだけど
人間でもっとく強い欲求ってなんだと思う?
食欲睡眠欲生存欲とか色々あるけど、大抵は理性で抑えることだ出来る
食欲とかは、断食して死ぬ人もいるし、睡眠欲も、死ぬまでに寝ないことができるひとがいる
生存欲ですら、最終的には自殺する人も出てくる。

性欲はオナ禁出来る人もいるんだから、これも何とかなる。

なら最終的に何が最大の欲求かというと知識欲だよ。

何かについて考えることだけは絶対に抑えられない。
抑えようと思えば思うほど、脳にこびりつく。

昔の人たちは、分からないことだらけで、そのわからないことに恐怖した
夜、われわれ現代人でもカーテンを閉めるんだけど
それはもちろんプライバシーとかもあるけど、人間ってのは闇が怖いんだよ
今だと特に理由がないのかもしれない。
それでも、怖いという感情は抑えることなんかできない。
頭の中ではぐるぐると闇の中に何がいるのか、と考えてしまう。
俺が言うのもあれだけど
もしかしたら、妖怪とか幽霊とかはこういう形のない恐怖に無理やり形を与えて
無理やり知ることによって、自分たちの中のこういう恐怖について考える欲求を
抑えたんじゃないかな?

続き

だから、人より少し物音に敏感とか、そういう人たちが
自分たちのそういうわけのわからないことに対して蓋をしようとして

いつの間にか幻想をみて
それで納得するように精神がおかしくなるのも十分にありえるとおもう。

でも、そういう人たちにとって、確かに妖怪はいるんだよ。

自分の心の中の恐怖の中に。

もしかしたら、俺の仕事も、妖怪を退治してるんじゃなくて、精神病医だったのかもwww

(我思う故に怪あり
みたいな考え方だな
怪しげな霊能者とかが聞いたら怒りそうだけどw
でも、こういうスタイルで妖怪の存在をとらえてるから
オカ板の住人とか時々、このスレに怪しげな投稿する人達にくらべ説得力ある内容になるんだろうな

(怖くなる前におふろはいるわww

(怖すぎて寝られなくなった….
三尸が一匹多いことと自殺率の高さにはなにか関係が?

(前どっかのスレで見たんだけど、韓国?の方で日本に強力な呪いをかけたやつがいて、日本の神様はそいつと戦ってた。
で、結局神様が勝ったんだけど、その間日本の方が手薄になってこないだの震災が起きたと。
日本は神様に守られてるけど、それがここ最近の一番のピンチで、それ以前のピンチが第二次世界大戦だっていう話。
うろ覚えだからどこか間違ってるかもしれないけど、前スレで戦争で色々失ったとかなんとか言ってたから気になった。
そこら辺の話は何か知ってますか?

何を持って神さまとするってのも問題かな。
マンガでわかる古事記とか、昔先生に無理やり読まされたけど
ああいう意味合いでの神さまか

それとも、神道を極めたものがのぼりつめたものなのか

それとも、妖怪を祭った的な意味なのか

たくさんの神さまいるけど
俺が先生から習った場合だと、そのどれでも日本という国を守っているというのは
少しおかしいかな。
どっちかというと、自分の縄張りを守るとか、自分の住み心地がいいところを
荒らされたくないからとか、そういう意味でなら

日本を守るために利用した人たちとかがいたのかも

(先生、なんで死んでしまったん?

うーん、その話はまた長くなるから。
また今度するよ
すまん、そろそろねるー

(業が深かったからじゃないか

(妙にリアルで興味深い。

(ここに書くことで1が多くの「業」に繋がっていくんじゃなかろうかと思ってしまう。

あと、1に資金援助するにはどすればいいんだろ。

お金はほしいけど、フィリピンにでも寄付するといいと思う。

後思ったけど、確か昔妖怪退治しているころの川越シェフの画像貼ったんだけど
誰か保存してない?
なんかなくしちまって。。。

(まとめから
一気に全部みたけど頭がおいつかない

(取り敢えず玄関入り口に盛り塩してみた
生姜塩たっぷりのレシピが分からないんだけど
白湯に生姜おろしたやつと塩を適量入れた感じでいいの?

(塩たっぷりってどれくらいなのかな
レシピ欲しいね

(生姜塩水ってどうやって作るんかね

やぁやぁ
それにしても、生姜塩水試す人結構いるんだね。
たぶん、霊的にはすごく体にいいものってわけじゃないし

普通に考えて科学的に体にいいとかないと思うし、ていうかむしろ、悪いきがするから
毎日飲むとかはさすがにやめたほうがいいともう。
洗腸を毎日やるようなものだしね。

肝試しとか、夜の廃墟めぐりとか、自殺の名所めぐりとか
そういうの終わったときくらいでいいと思うよ。

生姜と塩は分量とかを気にするってすごく現代人チックだな
それこそ、言葉とか文字にとらわれてなんというかもっと大事な部分の根幹がまちがってるきがする
俺も理屈とかすごい細かくは分からないけど

こういうのはまずは作る人の想いとか
あとは物に込めた意味とか、そういうのが大切だから
分量自体はあまり気にしなくていいともう

(待ってたー!!おかえり!

(おかえりなさい
お疲れ様っす

(おかえりなさい!
先生のこと気になるんですけど落ち着いてからでいいんで教えて欲しいです

今日はあんま時間内から、先生の話明日しようかな

(ゆっくり休んでね
そして川越見つからない

すこしだけ時間あるので、先生の話にも関係する妖怪の話しようかな

あんまり有名じゃないけど、「倀」っていうやつ

これについてのくわしい記載とかどこの本に乗ってるとかようわからなんが

確か、昔話で、虎に食われた人間が「倀」になって、他の人間を嵌めて虎に食わせる。
そうしてやっと、最初に食われた人間は虎から解放されて、成仏できるとかなんとか。

つまり「倀」ってのは、よくある系の話で
例えば、自殺した人間が、次に来る人間を殺そうとするとかそういうのよくあるじゃん

(待ってました!

(おぉ!無理すんなよ!

まぁ、多分、それができるのはそうとう道行を得た妖怪みたいなやつらなんだろうけど
有名のやつだと、金太郎とかの話でもクマの手下として出てなかったっけ?
ここら辺はよく覚えてないや。

「倀」はそういう風に殺されてもなおとらわれている人間のことを指すし

とらえている側のこともさしている部分がある。
昔だと、そういう風に道行の高い動物または入道がこういう風に呼ばれたりしてたんだけど

最近だともっぱら、とらえているのが「場所」だったりして
そういう「場所」もこの「倀」って妖怪なのかもね。

自殺の名所とかw

やっぱ眠いわ。

おやすみん

(おやすみす

(乙、ゆっくり休んでまたきかせてほしい

(妖怪を利用して嫁の連れ子を行方不明にしたいんだけど(死んでもいいけど)、どうやるればいいのかな

(創作面白くない。

(やめとけ

相当つれごのこと嫌いなんだね。

これで少し思い出しのたのが昔、先生が言っていた「死」という漢字
もともと「死」は「一」つまり地面かな?
その下に死体が埋まっている状態を指しているんだって。

つまり土の中に「タ」と「ヒ」の形で死体がね。

むかしでは死体を埋葬する際に二種類の方法があって。
どっちか忘れたんだけどひとつは親族とかを普通に埋葬するときで
人を座った形にして、樽の中に入れて埋めるんだって。

もう一つはすごくむごくて、なぜか埋葬する人の背骨をま逆にへしおって
そのまま地面に埋めるとか何とか。

これからわかるものの一つが「怨」という漢字。
ぱっと見た感じで分かると思うんだけど。
これは誰かの「死体」になることを、「心」から望むという意味になるらしい

それも、普通の死に方じゃなくて、なんかよくわからない感じに背骨をへし折って
死ぬのを望んでいる。

続きざんす。

で、この怨と同じ読みができるのが「恨」

これは「心」から変化した、えっと、何へんかわすれたけど、あの左側の部分と
「良」という漢字から点をとったものからなっているんだよね。

つまり、良いという状態から、何かかけてしまった。
もっとはっきり言うと「恨」っていう漢字は、心が良くない状態にある

ということなんだよ。

だれかをねたんだりうらんだりするのは仕方ないことかもしれないけど。
それは相手側にとっても嫌なことだけど

一番は自分の心にとって良くないことなんだよ。

まぁ、他人事だから言えるかもしれないのだが
そんなにいやなら、離婚したら?

子供が嫌いで、でも母親のほうを愛しているとかいうなら。
それ惚れたほうの負けだからとしかいいようがww

童貞だけど生意気なこと言ってすまん

(文字ひとつひとつにやっぱりちゃんとした意味があるんだね
しかし説明がわかりやすくて有難い

(初めて1氏に会えたので質問していいかな、
年末年始とか鬼退治の節分のあたりとかって妖怪が活発化したりするのかな?
単純な興味本位なので気が向かなかったら無視して

多分どっちかというと旧暦のほうが騒がしいんじゃないかな?
妖怪が見えてるわけじゃないから、いま活性化してますから!!
とか言えないけど

年末年始の間は多分仕事あんまない。たぶん普通の家庭だと
少しくらいおかしいことがあっても、楽しいことがいっぱいあって
少なくとも、この時期はあんまり気にしないんじゃないかな

(レスありがとです、、
それが、自分にとって良いことがおきる、おきそうになると思ったら、すぐ悪い事が起きてそれが無かった事になる

ということがここ数年顕著なんですけど、そういう風に人の邪魔をする妖怪とかいるんですかね…?(-_-;)

状況もわからず変にアドバイスするのはよくないから

とりあえず近所の神社にお参りに行ってみたら?

あと、昔そういうので聞いた話だと。運が悪い時とかは水道水をそのまま飲むんじゃなくて
やかんで沸かした後に飲むといいとかいう話があるよ。

高いお茶は飲むと落ち着くしね。

あと、天皇の写真か川越シェフの写真おば

業や因果についてだけど

もともとの意味と、現代人がおもっているものは違う意味な気がする。
現代のやつは結構仏教に影響されているもので

で、仏教というのは偏見かもだけど
良いことをすれば幸せになれると的なことを言っているようなものだと
俺は先生から教わっている。

でも、いいことをしていい結果が生まれないなんでざらにある話だし。

じゃあ、これから先生の話をするので

多分その話の終わりころには、業とか因果とか当いうのがもう少しわかると思う

(おー1だ。お疲れ様です

(なんかどうでもいい質問してる奴何なの?

(まぁ元々質問のスレだからね。

下らないことでもいいかなとは思うけども

(お、良いタイミング

俺の先生の死因は溺死。

今思えば、先生は水場というのが嫌いであった。
海は絶対に近づかないし、川にさえめったのことない限り近づかない。

水道とかでさえ、あまり使わずに、水分補給はいつもペットボトルで
風呂は、浴槽にためたやつを使う。
昔、夏に先生を海に行かないかと誘ったことがあるのだが、もちろん断られた。

何でそんなに水が嫌いなんだとか聞くと、先生はいつも自分には霊感があるから
水辺とかそういう妖怪とか幽霊とかたまりやすい場所にいくと気分が悪くなる

と説明していた。

でも、一度酒を一緒に飲んでた時、先生はうっかりなのかわからないが口を滑らせて

自分は小さい頃港町で住んでいて、小さいころはいつも海で遊んでいた。
潮干狩りしたり、釣りしたり、もちろん泳いだりもした。
しかし、あるとき、先生が海で泳いでいるたら、何かに掴まれた感触がして
それで溺れそうになった

そして、一つ上の兄が溺れ死にそうだった自分を助けるため色々頑張って
結果自分は助かったけど、兄はかわりになくなってしまった。

とか言っていた

(どっかの海岸で集団溺死事件とかあったな
あれはやっぱ幽霊なのかな

(三重県津市の中河原海岸の事かな?

でも、津出身の旦那(39)はこの事件も海岸の事も知らなかった。
海岸の事は遊泳出来ないから知らなかったのか、
事件が風化したのか、大人が子供に代々隠してるのか…
って言ってたよ。

実際幽霊に足を引っ張られたって言ったのは1人だけらしいね。
それを週刊誌やメディアがさも皆がそう証言した様に盛ったとかなんとか。

先生はお酒が結構好きだった。
しかもどっちかというと強いほうで、居酒屋めぐりとかが趣味だったりした。

あんなふうにべろんべろんに酔うの俺が知っているなではあの時だけだった気がする。

俺もまぁまぁ飲むほうなんだけど。
強いほうじゃないし、特にビールとかの美味しさがまだわからなくて
いつも果肉入りのなんとかサワーとかを頼むタイプだった。

ちなみに先生によれば、脱童貞できればビールのおいしさが分かるらしい。
本当かどうかわからんが。

酔ったその日の飲みは、ちょうどとある仕事を終えた後で
詳しくは先生の話だからあまり語らないけど

ある家の妖怪を追い出した。でも、その家の子供は多分だけど虐待を受けていて
その妖怪は子供のことをかばおうとしていたのかもしれないとか
少なくとも、俺と先生は推測していた。

そして、俺がサワー2杯くらい、先生がアツカン3合くらい飲んだ時に
お前は、俺のやっていることがあくどいと思うか?

と聞かれたんだ。

俺はすぐさま頷いた。

すると先生は笑って。

実は自分でも、たまに自分のやっていることがすこし残酷じゃないのかとか思うことがある
でも、例えそうだとしても、後悔はしていない。
なぜなら、それは間違いなく自分のその時にやりたいと思ったことだからだ。

人間はセイチョクにいきるのが一番だ。とかなんとか。

俺はセイチョクって何ですかと聞いた。
すると先生はお酒が入ってか、すこし饒舌になって語り始めた。

セイチョクってのは「正直」ってかいて「セイチョク」って読むんだよ。
でも勘違いするな、セイチョクは「ショウジキ」じゃない。
「ショウジキ」はお坊さん用語で、嘘をつかないことを指している

お坊さんたちの世界ではウソをつくと地獄に落ちる。たとえそれが人のためのウソでも
だめだ。まぁ、お前も酒が飲める年になったから、世の中には「良いウソ」ってものがあるくらい
しっているだろうけど、でも、そんなことお構いなしに、ついたら地獄

だからウソをつかずに「ショウジキ」にいないとだめだ。

でも、セイチョクは違う。セイチョク正直、文字通りまっすぐであるという意味だ。
何にまっすぐか、そりゃあ、自分の心にだよ

(興味深いです。

(先生の考えに同意
なんてのか、セイチョクっての、これしっくり来るわ

そして、先生は、昔のすごい人で孔子ってひとの話をしてくれた。

ある日、孔子がある国の王様と話をしていたら、その王様が

「うちの国のものはみんな正直だ!例えばAの家の父親がBの家のヤギをぬすんだ
 すると、Aの家の息子さんが、自分の父親が盗んだと証言したんだ」

 すると、孔子はこう答えた

「私が思う正直はそうではありません。もし親が盗みを働いたら、子供はそれを隠くし
 子供が盗みを働いたら、親はそれを隠ぺいする。これが本当の意味での正直だ」

と。

(ふむ

自分の心に素直に従って行動する。
これがとても大切だ。妖怪と接する際も、人間と接する際もこれだけは変わらない。

自分の本当の心に従うんなら、うそついても、ごまかしても、なんか悪いことをしても
それはしかたないことだ。自分の本心なんだから。

セイチョクに生きるとどうなるかというと「満足」する。
「満足」している状態こそが一番心にとっていい状態で
それこそ、幽霊や妖怪なんて目じゃない。

「破ァ」でそういうのを追っ払うとか言う話があるけど
あれこそ真の意味で「満足」している人間だからこそできることが。

とかなんとか、確かそういう話をされた。
でも、そこで俺はふっと疑問を抱いた。
そして先生に、なら自分の心の欲するままに行動すればいいなら
セッ○スしたいならレ○プすればいいし、ものがほしいなら盗んだり奪ったりすればいいけど
そういうのも仕方ないの?

すると先生は
それはいい質問だ。といった。

(いい話だね

(ふむふむ

自分の心の欲望を満たすために好き放題やる。

しかし、これも心にとっては良くないことだ。
なぜかというと、心が「満足」を忘れてしまう。

いつの間にか心の中ではいつも「もっと、もっと、次は、次は」とひたすらそれだけになってしまう
これが、「魔」だ。
お前は霊感ないし、術とかそういうものとも無縁だろうが、この魔というのが
この業界の人間を滅ぼす一番の理由だよ。

いつの間にか心が欲望だけになった、満足することも、自分の心の目指すべき本当の道も
見失って、最後は妖怪よりもみじめなものになってしまう。

(魔か
そう言われるとやりたい放題やってるような人間は満たされているようには見えないな

(魔が刺す。とはよくいったもんだね

(なるほど

あ、ドヤ顔でまがさすとか言おうとしたら、先に言われてた。はずかしい

(どんまいw支援

その頃にはもう先生から道とかの話しをされていたんだが
それについても、先生は触れた。

魔は、道をくもらす。
昔の修業するやつらはよく厳しい訓練とかしたりするんだけど
なぜかというと、この魔を産まないためだ
しかし。まがさす、という言葉のように。魔は駆除できるものではない。

ならどうすればいいのか。中国では無為自然という言葉がある。
なにもしない、何ともかかわらない。
そうすれば、魔はうまれない。

でも、これも無理だ。当たり前だが、なにもしないとか、死んじゃうwwww

じゃあ、どうするべきか。
まずは自分の心の中の魔を見つけて、それと向き合うこと。
自分の醜いこと、ダメなとこ、そういうのをちゃんと受け止めること。

それで卑屈にならないこと、なんか妙に自信かになったりしないこと。
あるべき現実をあるべきように受け止めて。

そして、それに振り回されて一喜一憂しないこと。
それができて初めて、人間としては一人前。

で、そこからも大切だ。

(己の悪い部分と向き合い受け止めるというのを丁度自分でやっていた所だったので、このスレ読む事で良い後押しとなったよ。

己の悪を自覚する事で、己の善を同時に自覚する。
すべて合わせてこそ己の心の形そのものである。
ただし、善悪の概念はあくまで主観でしかないので、自分の心を自分で表現する言葉に過ぎない、と俺は結論付けた。

長文になってすまなかったが、そんなわけで先生の話は良い経験となった、ありがとう。
1スレ目から楽しく読ませてもらってる中の一人として>>1を心配しつつも話の続き、楽しみに待ってるよ。

(先生の言葉には毎回引き込まれるわ

すまぬ、なかなか本題の話に入らなくて。なんか略そうと思うんだけど
うまく書けない。少しは文章力は成長したと思うが

まだまだか

(ものすごく為になる話しだが、完全にフラグだね

話されたこと自体はかなり昔だから、フラグではないw
ただ、先生という人をもっとしってほしかった。

魔を駆除ぜず、手を引いて、自分の心の敷いたレールの上をゆく。
これが本来の意味のセイチョクだ。

しかし、自分ひとりだけで生きていく場合ならこれでいいかもしれないが
世の中にはたくさんの人間がいて、その人たちと関わり合いを持ちながら
我々は生きていかねばならない。

この時、他人がわれわれの心をぶらしてくる。
例えば、どっかの会社のサラリーマン。自分の本心を保っているとしても
例えば嫌な上司がいて、その前で嫌なのにぺこぺこしたりする。

すると、自分がどんどんと自分の本心が嫌になってしまう。
そして、いつの間にか本心を拒絶してしまい。
セイチョクどころか、魔でさえも直視しない。

これが今はやりの「鬱」だ。

じゃあ、どうすればいいか?
そんなのわからん。わかっていたら私もとっくに「聖人」だ。
方法は自分で探すしかない。

(そうなのか、失礼
とても興味深い話だから、じっくり話してください

(全然読みやすいよ
続き待ってる

ここらへんで申し訳ないけど眠くなっちまった。
日常的に悪い夢見ると、慢性的に寝不足なんだ。

すまぬな、おやすみ。

(おやすみなさい
ぐっすり眠れますように

(ゆっくりでいいすよ。今日も楽しかった

(ありがとう。
いい話だ。

先生にはいくつかのポリシーみたいなのがあった。

例えば、こういう清らかなことを言ったとすると。同じくらい卑猥なことをいうとか
誰かに親切をしたら、その直後に同じくらいの意地悪をするとか。

そういうところのある先生は、さらにこういうことを言った。

私は自分の魔を手なずけるのがへただ。
だからこうしていつも、行動で自分に言い聞かせないといけない。

自分は善人でも悪人でもない。
自分のやっていることに、自分の本心以外、別の理由をつけてはいけない。
善悪ではなく、自分が何を選ぶのかが大切だということ。

そして、自分の選んだことなら、決して後悔はしない。
こういうやり方を、中庸の道という。

私は、これが自分にあった道だとおもっている。
だが、多分、お前にこれは向かない。

じゃあ、お前はどうする?
お前にとっての本心とはなんで、どういう道をとるか?
その年だ。そろそろ決めなさい。

俺はそんな先生の話を聞いて悩んだ。
思うところはたくさんあったんだが、自分の道とかそういうのを
言葉にして言えるほど、多分まだ俺はおとなじゃなかった。

先生が俺にこの話をしたのも偶然とかじゃなかった気もした。

かなり最初のほうで、うちの流派の話をしたが。「搬山」というもので
これの由来は愚公移山だ。

昔々、あるところにある村があった。その村は交通の便がかなり悪かった。
というのも、その村の目の前に大きな山があったからだ。

その村で一番頭の悪いじいさんは、これをなんとかしようとして
その山まで行って、土を掘って、その土を持って遠くの海までいき
その土を海に捨てた。

彼は毎日それをやった。そして、彼の息子と孫も、それを手伝った。
それでも、毎日海に捨てられる土の量は、微々たる量だった。

すると、村の最も頭のいいじいさんはその頭の悪いジンさんに言った
「あんたがどんなにがんばったところで、それくらいのことで山が本当になくなることはないだろう」

それを聞いた頭の悪い爺さんはこう答えた
「確かにそうだ。少なくとも私の生きている間に、この山は動かないだろう
だって、毎日これくらいしか捨てられないんだから

しかし、私が死んでも、私の息子は毎日土を掘っては捨てに行く。
息子が死んでも、孫が毎日土を掘っては捨てに行く
 
孫が死んでも、その子供が。その子供が死んでもその子供の子供が
毎日土を掘っては捨てに行く

そして、それを積み重ねば、いつかは山はなくなる」

村で一番頭のいい爺さんは、それを聞いて絶句した。

一方、その村の前の山の神さまがその頭の悪い爺さんの話を聞くと
やばい、この爺さん本気だし、多分マジでこれを実行される。
なら、山を無くされるくらいなら、どっか別なところに移ろう、と
自分で山を移動させた。

搬山流で最も大切なのがこの頭がわるい爺さんのような意志だ。
詩を歌う際とかも、この意志を持って歌う。

つまり、自分は決してあきらめない。どんなことがあってもあきらめない
だから、そっちのほうから折れろ。というようなことを妖怪に伝えるのが大切だ。

でも、それをやるには、自分の心の道をまずは見つけないといけない。
道しるべもなく、それほど強い心を持てる人間などありえないからだ。

(なるほど~

質問についてだが

俺の書き込みとかはいつもパソコンからだよ。
5個くらいを3カ月くらい単位でローテーションしてる。

携帯はガラケーで3つほど。カードを差し替えながら使ってる。

仕事は紹介がめいんだねー
昔のお客の口コミとかそういうの。
あと、お金持ちほど、嫌なものとかにつかれやすいから。そういう方面で
色々とね。

あと、芸能人とかよく宗教に入ったりしてるけど、こういうのも原因の一つだね。

おやすみるたんく

(お疲れ様 すごく興味深い話しで面白い!

(おお、なんかすごい話きてるー

いつもご苦労さま
1 *-ω-)ノ” オヤスミー♪

(お疲れ様でした(^○^)

(1に質問なんだけど、ペット飼えないのは分かったんだが、
電子ペットとかは飼うのセーフなの?(例としては たまごっちとか)

(1に質問したいです。ワンさんとこの地下室で死体が動く、みたいな話があったけどそれは幽霊?お化け?妖怪?
どのカテゴリに入るんですかね。暗闇で良かったけど、明かりがあって見えてたら卒倒しそう。

(質問ですが、日本に住んでる外国人とかから依頼あったりしますか?

こんばんわ。ご飯食べたら何書くよ

印象に残っている中ではないなぁ

正直わからない

考えたことないけど、愛着持っちゃうからやっぱり良くない気がする

(とりあえず師匠の話を待つぜ

晩御飯はやきそばと白いご飯と野菜ジュース

ちなみに魔道も、道のひとつだよ。
自分の本心を完全にすてて

ひたすら、自分の欲のみに忠実に行動する
もちろん欲求はどんどん膨れ上がるんだけど

もし、どんなにふくれあがっても、それを叶える手段をもっているとしたら

最終的に、この世のすべてを自分の思い通りにできるようになり
魔道にて、聖人に至るというわけだ。

続き。

先生の話を聞いて、少し俺は考え込んだんだが
やっぱり自分の道なんてまだよくわからなかった。

そして、ふと疑問がうかんだ。

そういえば、先生はどうやって自分の道をみつけたんだろう。

まぁ、人間なにも経験せずして、自分の道を見つけられるなんてめったに
ないことだから。
もちろん先生にだって、きっかけとか、そういうのがあるはずだ。

俺が素直にその疑問を口に出すと。

先生はそこから、自分の出生を語り始めた。

まず最初にびっくりしたのが、なんと先生はある港町の小さなお寺の次男坊だった
ということだ

(先生、寺の息子だったのか…

やっぱり寺生まれはすごい。

焼きそばを書きこみながら、俺はそう思った。

(Tさんかよ!

あと、焼きそば掻き込もう、な。

先生は三人兄弟だった。

長男と、次男である先生、そして三男。
両親は厳しい人たちだったらしく。かなり躾とかにうるさかったとか。

そして、まぁ、お寺の生まれってこともあって、結構仏教とかに触れる機会が多かった。

先生は小さい頃、自分の両親が嫌いだった。というより、怖かったらしい。

兄である長男は、かなり優秀で、両親のほこりだった。
そして、三男は末っ子ということもあり、大人たちから可愛がられた。

そんな中で、先生は自分が一番親に愛されていないのではないかと考えていた。
なぜなら、兄は優秀さもあってか、あまり叱られることがなかった。
弟は可愛がられていたから、何かやんちゃしても
仕方ないなー、という風に流されていた。

でも先生だけは、何かをやらかすごとに、いつもこっぴどく言われていた。
失敗するときに叱られる言葉といえば
「兄さんの小さい頃はこんなことはしなかった」とか
「お前は本当にダメな子だな」とかそういうやつ。

その割には、あまりほめられることもなかった。
学校で、自分としてはかなりいい成績をとっても
家では「もっと頑張りなさい、お前の兄さんのこのころはもっと高い点を取っていた」
とかであった。

先生の兄はやさしい人だったらしい。

先生が叱られて、一人部屋の中に閉じこもって泣いているときでも
いつも慰めてくれるのは兄だけだった。

でも、先生は家族の中で一番兄のことが嫌いだった。
兄はいい人だと分かっていたんだけど。

それでも、嫉妬というか、兄のその優しさがかえって自分をみじめにしているような
気がして

なまえきだった弟以上に、兄とは顔を見たくなかった。

そんな先生だったけど。
一つだけ、自信があることがあった。泳ぐことだ。

先生の兄は、運動神経はかなりのものらしかったが、泳ぐことに関してだけは
からっきしだった。

一方、先生は泳ぐことが大好きだった。
学校が終わると、いつも友達と海に潜っていた。
泳いでいるときだけは、兄より自分が優れている感じがしたらしい。

(追いついた。1、無理すんなよー

ことの起こりは先生が10歳の時のこと。

初夏の頃の話。普通の年なら、そこまで暑くないはずの時期だったんだけど
その時はかなりの猛暑だったらしい。

学校のプール開きはまだだったし、仮に開いていたとして
海のほうがたのしいから、そっちに行っていたんだろうけど

先生は友人たち何人かと一緒に泳ぎに行く約束をした。

しかし、それを親に伝えると、父親から反対された。
普段はそんなことないはずだったんだけど。なぜかダメだと言われた。

なんでと、父親に聞くと。これはお前の書いたものか?と
先生に一枚の絵を見せてきた。

そこにはうねうねとしたミミズのようなものが書いてあった。
しかし、そのミミズからは足のようなものが3本伸びていて
全体的に真黒に塗りつぶされていた。

確かに、それは先生の書いたものだった。
以前海辺に遊びに行った時、岩場でみた変な生き物だった。

学校の美術の時間に書いたものだ。

先生が確かに自分が書いたものだと答えると
父親はさらに聞いた。お前が見たものなのかと?

先生がさらに頷くと
父親は、ならお前は今年、海にいっちゃいけない。と
そういった。

北海道の黒いきつねだけど。
別に一匹いたところで日本が破滅するとかそういうやつじゃないし。
悪い予兆でも何でもないと思う。
昔のどっかの国の話で、ある日、日食が起きた。
いまだと、それは太陽と月がならんでうんぬんってわかるんだけど。
大昔の人間はそんなことわからなかった。
それを見た王様はとても不安になった。
そして、配下の人間に、これは吉兆とみるべきか、それとも
とんでもない悪いことの前触れなのか。
ある大臣は言った。
昔の国でもこのようなことが起きた。その時は人民がひどくおびえ
最終的には乱もおきた。だから、王様。気を引き締めてくださいと
しかし、もう一人の大臣はこういった。
いいえ、王様。これは喜ぶべきことです。太陽などよりも重要なのは民衆がどう思うかです。

日食はもしかしたら、乱がおきるという前兆であるかもしれません。
しかし、王はあらかじめ、それを知ることができ。
自分の間違った政治とかを見直す機会ができた。
その結果、乱を未然に防ぐことはできた、とお触れを出しましょう。
そうすればきっと、民衆は王の器に感心し、もっと王を信頼することでしょう。
といった。
日本でも、王宮で白い蛇をみて、それで吉兆だとおもい。
貴族たちが豪遊していたら、乱がおきて
こんなの吉兆ではないじゃないかと切れた貴族が蛇を切ると
たちまち蛇が真黒になったという昔話あるよね。
これはもともと黒い蛇が白い蛇に化けた、という考え方と
実は白い蛇で、最終的にそのおかげで乱は収まるはずだったのに
貴族がころしたから、真黒になってしまった、という説がある。
でも、結局のところ、考え方一つで全然違う。
いいことの予兆だとしても、それで気をゆるさず。
悪いことの予兆だとしても、それでパニックにならず、むしろ自分の間違ったところとかを
見直すチャンスだと、思えば良いと思うよ

(おかえりなさい。
毎回勉強になります。

続き。

そんなことでもちろん先生は納得しなかった。
なんでいっちゃだめなの?と父親に聞いたが、父親は駄目なものは駄目だと
一点張りだった。

さらにやっぱり行きたいと言い出すと、父親は怒り始めて
こっぴどく先生を叱った。そして、今日は一日中家を出るな。といった。

先生はあまりの理不尽さに、悲しくなって、また自分の部屋にもどると
また隠れて泣きはじめた。

すると、父親が叱っているのを聞いたのか
兄が部屋にやってきた。そして、何があったと、先生に聞いた。

兄は話を聞き終わると、少し笑って、なんだそんなことかといった。
そして、兄は先生にある提案をした。

(続きが気になる木

(ほしゅします

(腐女子に人気だな

ファ!?

俺こんなイケメンじゃないな。でもワン君は結構良い線いっているかも

続き。

先生の兄は親からかなり信頼されていた。
だから、今日は友達とドッジボールをするとウソをついて
弟の先生も連れて行きたいと親に言う。

先生は今日の間、家を出るなと言われているが
さすがに、いつもしっかりしている兄が世話をやくといいだすなら
外出は許可してくれるだろう。

まぁ、泳げない兄が先生を連れて海に行くなんて思わないだろうしね。

そんで、兄は先生と一緒に海に行く。
水着とかは隠して持っていけばいいしね。

子供が考えるようなザルな作戦だったけど。
海に行くたかった先生はこの話にすぐに乗った。

兄はさっそく、その話の許可を父親からもとめた。
父親は、いいが、絶対に弟を海に連れていくなよ。と念を押したが
結局、許しを出した。

多分父親のほうも、次男を家に一日中閉じ込めておくのはすこし申し訳なかったのかもしれないね。
兄も同行するし、とかで安心した部分もあったのかも。

しかし、兄と先生は家を出ると、すぐさま海に向かい始めた。

海についた先生は早速海に入って遊び始めた。

兄は泳げなかったけど、やっぱり猛暑に堪えたのか、すごく浅いところで
水につかっていることにした。

ちなみにだけど、そこは砂浜とかそういう立派に整備された海水浴場のような場所ではなく
むしろごろごろとたくさんの岩が転がっているような場所だった。

先生と、その時待ち合わせしていたメンバーは、よくそこで泳いでいた。
岩が結構多かったためか、潮の流れがあまり急じゃなかったし。
溺れそうになっても、すぐにそこらへんのでこぼこした岩に掴まれるから
地元で泳ぐというと、そこだったらしい。

先生は待ち合わせていた友人たちと泳いでは、はしゃぎまくっていたんだけど
そのうち、友人たちは疲れて一人また一人と、兄のいる水の浅い場所に移動して
兄とおしゃべりするようになった。

しばらくたって、気がつくと、先生は一人で泳いでいて
自分の友人たちは全員、兄と何やら楽しげに遊んでいた。

すると、先生はなんだか自分の友人をとられた気分になって。
なんだかいたたまれない気分になった。

(おお!初遭遇!!

楽しませてもらってます

(いつも楽しみにしています

続きをおとなしく待ってますw

先生は少しむきになって

自分は泳げるから、一人でも楽しいしとか強情を張って
正直少し疲れていたんだけど、浅瀬にもどらずにもっと水が深い場所に向かった。

そして、そのかなり水深があったところに着くと(実際は2メートルくらいらしいけど、子供からしたらかなり深いだろうね)

そういえば、あのヘンテコなミミズを見たのも
ここらへんだなぁと、思い出した

でも、なんで急に父親は海にいっちゃいけないとか言い出したんだろうとか
ぼんやり考えていた次の瞬間。

先生は右足のほうに何かひんやりとしたものが触れたような気がして
そんで、全身が急に動かなくなった。

あ、やばいとか、思う暇もなく

何かに足をひっぱられたような感覚で
先生の体はぐっと、水面下に沈んだ。

あまりにもいきなりのことだったから、先生は何口も水をのみこんでしまった。
それでも、みずに慣れていた先生はなんとかして態勢を立て直そうともがいたが

やっぱり体は思うようにうまく動けなかったし、ぐいぐいとひっぱられる力のせいもあって
逆にどんどんと沈んだ。

息ができなくなって、半分パニックになって、水の中では上下左右もわからなくなって
先生の頭はどんどん真っ白になった。

そんで、ふとした拍子だったんだけど、先生は水中で目をあけた。

塩とか水中のゴミとかそういうのでかなり目は痛いし、みずの屈折とかもあるし

落ち着ける状況ならともかく

パニックな頭で一瞬で状況を把握できるわけなんかなかったんだけど。

先生はなぜかそれだけは奇妙なほどクリアに見えたと言っていた。

真黒で、毛むくじゃらで、目も口も鼻も耳も顔さえもなかったんだけど
不気味なニタニタした雰囲気をだしていて
それからは何か黒いモヤのようなものが自分の足に伸びていて、絡みついていた。

そこからの先生の記憶はあいまいになったらしい。

深い水の中で、一体何が起こったのかはもう覚えていなかった。

しばらくして、意識をぼんやりと取り戻すと
まわりでは焦った、大人の声とかが聞こえてきた。

口の中からは激しい異物感がして、頭はガンガン痛く、体はピクリとも動かなかった。
なんとかして無理やり目をあけると

まず見えたのは、自分のすぐ隣に横たわっている誰かだった。

だれだろうとか、自分はどうなったんだろうとか、どこか思考が遠く、まとまらなかった。
でも、目線を少しづつずらし、なんとか隣の人物の顔が見えた。

先生の兄だった。

顔は真っ青になっていて、目と口は半開きになっていた

あれ?どうして兄がとかおもったのは一瞬。
次の瞬間、兄の瞳はじろりとこちらを向いた。
何かすごい感情がこもった目だった。

もちろん、言葉はなにもなかった。
でも、なぜか先生にはその目だけから、兄の言いたいことがわかった。

「おまえのせいだ。」

そこで、先生は再び、気を失った

あとから先生が聞いた話。

先生が溺れてからしばらくたってやっとそれに気がついた子供たちは、あせって大声をだしたりして
大人を呼んだ。

幸い、その日は暑かったから、近くで、他の大人たちも泳いでいて
なんとか駆けつけた

そしていつの間にか兄が子供たちの間から消えたこと。

たぶん、兄は弟である先生を助けようとしたこと。
兄は先生の近くの場所で溺れて死んでしまい、先生は助かったこと。
とかそんな感じの話。

でも、先生はそんな話を信じられなかった。
兄は泳げなかったのである。そんな兄が自分を助けるために
水が深い場所に来るなど、ただの自殺であることなんて明白だった。

葬式やら、何やら色々あって。先生の両親はずっと泣いていて
病院に2,3日いた先生が家の中に帰ると、ひたすら居心地がわるかった。

だれも先生をせめなかったんだけど。
しかし、なんとなく、まわりは自分のせいで兄が死んだのではないかと考えているのではないかと
思った。

(リアルタイムで見れると思わなかった
1乙

父親ともまともに話せなかった。

なんせ、海に行くなといわれたのに、それをやぶって
しかもこの始末である。

というか、父親だけでなく、周りとも目もまともに合わせることができなかった。
目を合わせると、お前が悪いといわれている気がした。
誰とも話したくなかった。

学校にもいかず、ずっと一人部屋に閉じこもっていた。
食事はいつもいつの間にか部屋の外に用意されていた。

そして、ひさしぶりに口を開いたのは、兄の四十九日だった。

夜になって、父親に無理やり部屋から引っ張り出されて
こういわれた

「兄に会いに行こう」

(つらいなあ

先生と父親は月明かりの中

先生が溺れた場所の近くの岩場まで向かった。
そして、しばらく二人とも無言でじっと水面を見つめていた。

先生は兄さんはなんで死んでしまったのだろうかとか
あの水の中でみたものは本物だったのだろうかとか色々と考えた。

すると、暗い少し離れた水面のほうに、何かが見えた。
靴だった。

たしか、あの日、兄が付けていた靴だった。
なぜかその時は先生は、あれを拾わないと!とか思って
そんで、ニ三歩海のほうに近づくと

がしっと後ろの襟を父親に掴まれ、どうしたんだ?と聞かれた

兄さんの靴があそこにある、と先生が答えると。

父親はどこにある?よく見てみろと言ってきた。

先生はもう一度、目をこらえて先ほど靴があった場所を見てみると
今度は何もなかった。

あれ?と先生がふしぎに思っていると。
父親は何かに納得したかのようにして

そして先生にこういった。
内地のほうに知り合いがある。お前をその家のほうに送る、と

ねるねるねーるね

(おやすみー

良い夢をー

(生殺しーwww
おつ

(おやすみなさいー続き待ってます!

(内地ってことは沖縄の人?
海怖いわ

(北海道民も内地とは言うらしいぜ

そこからの話を、先生はまぁ色々あったと略した。

とりあえず、わけもわからず急にある人のお家に居候させてもらうことになって
その家はかなり遠い親せきの人で、年をとった夫婦だったんだけど、子供がいなくて
それなりにかわいがられた。

そして、兄の死からしばらくして、先生は水の流れがある場所がこわくなった。

というのも、死んだはずの兄の声が聞こえてくるらしい。

最初はなにか聞こえないことをひたすらささやくだけだったんだけど
だんだんと、その声はエスカレートしていった。

兄の声は様々なことを語りかけてきた。

実は兄も自分のことが嫌いだったこと。
確かに兄と三男は親から甘やかされたが、でも、
兄弟の仲で、いつも先生が一番親に注目されていたこと。

両親はいつも次男の先生と一緒にいることが多かったとこ。
自分はどんなミスをしても、親に軽く流されていて、どこかないがしろにされていた感覚があって
先生がうらやましかったこと

先生が叱られると、良い気味だとおもっていたこと。

泣いている先生を慰めることで、自分はできた人間だと良い気分になれたこと。

そして、自分が死んだのは先生のせいだ、ということ

(辛い話だな…

先生は、その後実家に戻ることはなかったらしい。

なんだか、あの町の、あの海の近くに行くのがこわかったからだ。

中学に入って、高校に入って、そして大学で京大に入った。
大学に入ると、父親ががんで亡くなったと知らされた。

大学ではとにかくいろんなことを勉強して、いろんな人と出会って

やっと、自分を悩ます兄は「倀」という存在になったのではないかと分かった。
兄はいまでも、あの海のほの暗いそこで、先生をおぼれさせたいとおもっているんだと。

自分には霊感のようなものがあって。
自分の両親は自分を守るために、色々ときついことを言っていた。

自分は両親が嫌いなわけではなく、好きだからこそ、愛してほしかった。

自分が兄に対して複雑な感情を抱いているように
兄も自分に対して色々思っていたこと。

そして、先生は後悔した。

父親にも、兄にも、言いたいことはたくさんあった。
でも、周りの状況とか、自分の意地とかとういうのが邪魔して
素直になれず、何も言えずに二人はもうなくなった。

離脱

(乙、続き待ち

(乙!!

ただいま。
続き。
そうして先生は結局のところ自分という人間にとって
一番大切なものが何なのかを見定める力が足りないと
そう感じた。
まぁ、人間ならそういう部分少しくらいあっても仕方ないかもしれないが
先生の父親は頑固おやじで、先生も少しそれに似てしまったせいかもしれないが
素直になれなくて、それで苦しむことが多かった。
だから、先生は中庸の道を選んだ。
中庸はよく中途半端とかそういう意味で勘違いされるけど。
本来の意味はそういうものではない。
どんな時でもその時々に起きたことを判断する場合、どちらにも偏らず
自分の平常心で行動でする、という意味だ。
まぁ気になる人はググってみれば、もっと深い話とかあると思う。
前にも言ったが、先生はポリシーというかそういうのを持っていて
良いことをしたら、同じくらい悪いことをするとか
正直なことを行ったら、次はウソをつくとか
はたから見たらただのおかしい人なんだけど
これは一種の願かけで
そういう風にして、いつも自分の素直な気持ちを見つめることにしているらしい。
これが先生が自分の道を選んだ経緯だ。
話を聞き終わった俺は、先生にではなぜ、俺にはこの道が向いていないんですか?
と聞いた。

まぁ、話を聞く限りこういう考え方とかも悪くないかなぁと思う部分もあったからだ。

すまん、文章力ないのに、なんか人の内面とか語ろうと思うと
結構ぐちゃぐちゃになっちまう。
先生はすごくしゃべるのがうまかったんだけどなぁ。
あの時に聞いた話を再現できている自信がない

(わかりやすいよ

(うん。わかりやすいし、読みやすいよ

先生は俺の質問にこう答えた。

世の中には霊だの幽霊だのが見える人間と、そういうのが全く見えない人間がいる。

そしてさらに、そういうのを見えると主張する人間には

本当に霊感があるひとと、霊感がないのにあるといっているひとと、二種類存在する。
でも、この二種類の人間どっちにしても、どこか心がおかしい人間だ。

この世に本当にいるのかいないもかも分からないようなものが見える人間ってのは
どこか心に闇がある。
そういう闇を通して、人間は化け物を見つけだす。

そして、見えないくせに見えるとか言い出すような人間も
心は不健康だ。そんなウソをつくやつはつまり、心がどこか満たされていない人間である証拠だ

まぁ、見えない人間が全員が全員正常とはいわないが。
でも、先生的には霊感のない俺は、精神的な部分においてはきわめて健全な人間であるということだ

そうなれたのは、きっと俺が良い育てられ方をされたからだ。
もちろん先生にではなく。

もうすでにいなくなった。俺の家族のほうだ。

人格を形成する一番大事な時期に、俺は間違いなく幸せだった。

(相変わらず面白いです。あと質問答えてくれてありがとー!

(面白い。

今でもたまに思い出すんだ。
ちょうど昨日金曜日だったけどさ。俺が小さい頃の金曜日はよく家族全員で
金曜ロードショーとか一緒に見てた。
俺は親父の膝の上で、妹は母親の膝の上。
そんでインディ―ジョーンズとか見て、重要なアクションシーンとかになると
俺は少し背伸びをして、わざと父さんの目線を遮って見えなくするといういたずらをした。
そんで父さんはいつも、ちょ、おまwwwwみたいな感じで、なんとか見ようとして
頭をよこにずらしたりするんだけど、俺もそれに合わせて頭を振って隠したりして
最後は、父さんが顎を俺の頭のてっぺんに乗っけて、こら!つかまえたぞーみたいな感じなこと言って
となりでみてた母さんも、妹も、それで笑って。
少しエッチなシーンとかになると、急に父さんが手で俺の目をふさいだりして
いや、俺はもうこういうのわかるからとか、指の間から覗いたりもした。
そういう家族だった。だから先生がいう、俺が幸せだったというのは多分間違いなかった。
俺は良い家庭で育てられた。
先生は自分は自分に素直になれない人間であるが
俺はそういう人間ではないと言った
何か喧嘩した後でも、すぐに笑って人に謝ったり、許せたりして。
傷ついたりもするが、その分他人のこともおもったりもできて。
よくついついさぼっちゃうが、それでもなんとか自分を律することができて
自分の幸せのよりどころというか、そういうのがはっきりとわからないかもしれないが
ぼんやりとイメージできて、そしてそれを追い求めることを恐れない。

俺のそういうところが、間違いなくただの「普通の人間」であると
先生は評した

(じいちゃんがイタチを無理にでも食ってたらまだマシだったんじゃない?
ぶった斬りスマソ

でもだからこそ、そんな俺には、道についてのアドバイスはできないと
先生は続けた。

この業界の人間は大抵どこかおかしい境遇があって。
正直、殆どのやつはみんな頭がわいている。

そんなどこか心が欠けている奴なら、それなりに苦労はするだろうが
自分の心に住む「魔」はすぐに見つかるし、自分にあった道もかなり分かりやすい。

自分でわからなかったとしても、少し人生経験があれば、そんなもの簡単に指摘できる。

でも、俺が「普通」であるゆえに、逆にそれが難しい。

俺の心に何が足りないのか?何が俺を不満足にさせているのか

客観的にみても、主観的に見てもそれは非常にわかりずらいものなんだ。

もっと簡単にまとめると、つまり

お前はこんな仕事には向いていない。ということになるのだがwww

とかその後先生はちゃかした。

そっかー、俺はまだなんとか「普通」の範疇にいれるのかー
とか、初めて聞いた先生の過去話や自分の道についてもやもやして

そのあとの飲みは普通のとりとめのない話をして、終わった

(なんか切ない…

また離脱

(忙しそうだね

(無理しないでゆっくり休んで自分のペースで書いてください(>_<) 気長に待ってます!

(先生は自分の霊感によって物の怪を惹きつけてしまい
そのせいで巻き込まれた形で兄の方が物の怪に捕まってしまった
先生は物の怪になってしまった兄の魂?を救える方法を調べて探していくうちに
だんだん妖怪と交渉する仕事をしていくようになった……
こんな感じかね?

(んで、先生は一家で優秀な血筋を持っているからプライドが高く意地っ張りな性格
小学生くらいだった君を引き取ったのは、自分と同じように妖怪に狙われてるからで
その君を救う事で、あの時の幼かった自分と兄を救えるような罪滅ぼしかな?
人って自分の過去にある大きな失敗と後悔の傷を
自身が投影出来るような似た人に対して
それを救済するような行動をする事により
自身の過去のトラウマという傷を少し癒やそうとするよね

君の一家はイタチの呪いによって亡くなってしまったけど、先生は君を引き取る事が怖くなかったのかな?

きっと先生は、いつ死んでも後悔しないような人生の道を選んだはずで
1人の人間を養子に迎えいれて大人になるまで見守るって凄い事
年を重ねるほど人間の成長の難しさを知るから、それなりの覚悟があったのだろう

どうなんだろうね

今はもういないひとだし。何考えていたかなんてわからない

そんで次はいよいよ先生が亡くなった話をしたいんだけど

その前になんか質問ある?

(話の続きお願いします!

(とりあえず続きを希望

(搬山流という流派があるということは、妖怪退治にも他にも流派があるんですか?
同じ搬山流で仕事をしている人はどのくらいいるのかな。
本家、分家みたいなのはあるんでしょうか。

一応あるんだけど、関係は結構希薄だよ。個人的な親交以外ほとんどあったりしない。
じゃあ、先生の話終わったら、そこら辺にまつわるエピソードをひとつ話すよ

(九州方面で大きな事が起きるという話を読んだのだけど、妖関連で何か動きがあったりしてますか?

何の大きな動きかはしらないけど。
そこまで仕事増えたりしてないから大丈夫じゃないかな。
それ以外であまり判断の基準がないからw

(関東が風水的にいい?っていうのは、山手線太極図がどうとかっていうのと関係あるの?

昔はよかったという話は聞いたことあるかな。
でも風水というのは地脈の変動とかでよく変わるし
今どうなのかはわからない。

風水専門じゃないからね。

でも、そういう大きな土木関係のものなら、何かしら考えがあってやってんじゃないかな?

(続きをお願いできるか?
ここ最近、毎日楽しみにしてるんだ。

俺にも気分の問題があるから少しくらい待っておくれよww

(おっけ。
急かしてすまない。。

フルハウスみてウルッときてたわ。

結婚したくなった

(ミシェル役の双子のオルセン姉妹は、ティーン向けの服飾ブランド「メアリーケイト&アシュレー」
立ち上げて、19歳の時、「最も稼いだ10代」で1位になったんだぜ。

まじかよ。

俺も霊力とかあったら、宝くじ当てて稼ぎたいわ

(ミシェルかわいいよね

(1のそのマイペースさが嫌いじゃないよw

ではまぁ、先生の話の本題のほうを

その日は先生に呼ばれて、先生のところまでいったんだけど

先生の最初の発言でびっくりした。

もう一人新しく弟子をとることにした

俺の顔はΣ(゚д゚;)って感じになって。

え?急にどうしたんですか。と先生に聞いたら

実は弟子にとるつもりのやつは、自分の弟の子供で
ちょっと込み入った事情から、そいつを入門させることになったとかなんとか

いきなりすぎる!相談ぐらいしてくださいよと俺は思ったが

まぁ、先生がいつの間にか勝手に色々決めるのはよくあったことだし。
「ちょっと込み入った事情」ってのもなんか人の家庭の問題っぽいあんまり詮索しないことにした

そんで、先生はその弟の子供に会うために
何日か後に、久しぶりに里帰りをするといった。

俺はえ?先生が実家に!とかさらに(゚д゚;)だったが。
でも、そういえばこの時期って先生の父親が亡くなった時期だ。と思いだした。

いつかは忘れたんだけど、先生の父親は9月の終わりごろに亡くなったと
聞いたことを思い出した。

ちょうどその年は先生が大学入試の年で。
先生の気をちらさないために、危篤のこともそして、亡くなったということも
合格の発表までに教えられなかったらしい。

俺は少しびくびくしながら先生にこう聞いてみた。
先生の父親の墓参りとかしたらどうですか?と

(本題キター

先生は俺のその言葉を聞くと、少し意外だったのか
目を見開いた。

そして、4日ほど滞在する予定だから、もし気が向いたらいくかもしれない

と答えた。

俺はそうですかー、と相槌をうちながら

内心でやったー、4日間もフリーじゃ!と、ガッツポーズをとり
自由をどう謳歌しようか考えた。

ちょうど、こん時期にだけど、先生に高卒認定試験を受けろと命令されて
夏に受けて、一度おちちまって、もっと勉強しろ的なことを言われて。

11月にある試験に向けて毎日、先生のところでそういう勉強させられた。
俺は勉強がすきってタイプでもないし
短い間でも、先生がブックオフで適当に買ってきた教材とおさらばできるのは
感劇ものだった。

そんな俺の考えを読みとってか。先生は俺にこういった。

ちなみに、お前の分の旅券も予約した。

どうでもいいが、ちょうど先日、二回目の試験受かったという知らせが。

でも、これがあると中卒じゃなくなるんですかね

(本当に、おめでとう!

先生の言わんとすることは俺は>>757と同意見かな~
就職がどうというより、もっと大まかな意味で「普通」を体験させてやりたかったんじゃないかなぁ
22で高校に通うのはキツイけど大学なら平気だしね

(めでたい

(合格おめでとうございます

ありがとー

難しいというか俺の場合は圧倒的に時間が足りなかったw

先生的には、8月で合格、10月にセンター受けて大学に行けとか言ってた。
俺は自分はもう22だし、いまさらーとかいったが

先生は大学に行けば4年間を無駄にしたことを後悔するが
行かなかったら、一生を無駄にしたと後悔するっていってた

さすがにセンターの申し込みはまにあわないか…
まぁ、できても碌な点数とれないと思うが

(1にいいことがあってなにより
合格おめでとう!

やぁ、ご飯炊いたら続き書く

大学はまぁ、まだ考える時間があるしね

(1キターーーーーヽ(・∀・)ノ
おかえり!!

それから何日か後、俺は先生と一緒に先生の故郷に向かった。。
特に場所は明言しないけど、海に面した県での小さな港町だった。

俺はいくならいくで、そこまで反発しなかった。
先生の生まれた土地のことは少し興味あったし、自分のおとうと弟子になるであろう人物も
気にならないというと大ウソになる。

しかし、新幹線に乗るとき、先生がまた高認の教科書を押しつけてきた時はさすがにげんなりした。

出発したのは早朝の8時くらいだったのだが。
その場所に到着したのは午後の6時あたりだった。
昼飯はおにぎり二つだけで、かなり腹が減った。

俺としては、先生が帰ることはもう家のほうには伝わっているし
関係が悪いにしろ、港町だし、お寿司とか食えるんじゃないかなぁとか
淡い期待を抱いていたが。

もちろん、それは裏切られた

(待ってたよ~

目的地に着くなり、先生は俺をつれて人気のないところに向かった。

そして、持ってきた荷物をあさり始めて、すごく大きな釘を一本取り出して
アスファルトじゃない地面に打ち付けた。
先生は自分の髪を一本ぬくと、すこし頭を出した釘に結構複雑に撒きつけた。
俺はそれを見ると、少し驚いた。
これは「定山」という、うちの流派のなんというか決まり事で。

もしこういうのを見つけても、だれも抜かないでほしいwww

結構危ないときとかにやるもので
自分の魂というかそういうものを地面にうちつけるという意味を持つ。

だから、妖怪とかで魂持って行かれそうになっても
この釘が刺されってさえいれば、無事でいられるというものだ。

基本的に、釘をうったひとが一人。これを响搬といって。
この人が色々動きまわったりしても大丈夫なようになる。

その打ち付けられた釘を見守る人が一人。これを助搬という。
この人は釘が無事なのかずっと見守る必要がある。

釘で打ち付けれているとはいえ、魂がそこにあるんだから
いろんな悪いものが寄ってくる。
だから、そういうのから釘を守る役割だ

釘は市販のやつを溶かしたあとに
自分の薬指の血をいってきたらしたり、他にも色々やったりして
最後に、形にしたものだ

俺は先生にどうしたんですか、急に?ときいたら

すこし兄が亡くなった場所を見てくる。見張っておいてくれ的なことを言って
日本酒を一本俺に渡すと
すたすたとどこかに行ってしまった。

俺はえ、でも、と言いかけたが。やはりやめることにした。

先生はあまり俺に助搬をまかせたがらない。
理由は簡単で、俺のまわりにいるイタチたちになにかいたずらをされるのが怖いんだろう。

でも、これを俺に任せるということは多分。

俺のイタチなんかより、遥かに怖いものに会いに行くんだろうと
俺はそう感じた。

(きたきた
支援支援

(わくわく

時期的に肌寒くなっていたころだったし、それに日も短くなっていて

もうほとんどあたりは真っ暗だった。

前にも書いたが、俺はあまり飲めないタイプではあったが
先生からもらった日本酒を一口だけ飲んで、後は釘のまわりに円を描くように
撒いておいた。

すきっぱらだったから、すぐに酒で体がポカポカしてきた
でもさすがに量はそんなに取らなかったから、頭がぼうっとするようなことはなかった。

「定山」が魂を打ち付けていられるのは精々2,3時間だ。
それ以上長いと、魂は自分の体に戻ってしまう。

俺は携帯を取り出して、タイマーを3時間に設定した。
その時間になっても先生が来なければ、釘を引っこ抜いて
先生を探しに行かなくてはならなかった。

正直すこしこわかったのもあってか、いつの間にか俺の頭の中で
夏祭りの曲のサビの部分が延々と無限ループしてた。

うちあげはなびー
うちあげはなびー
うちあげはなびー

多分8,9回目ぐらいになったときかな。

今までお酒でポカポカしていた体がすっと、謎の寒気を感じた

(ドキドキする

俺はドキッとしたが、すぐに釘の周りのお酒の濡れた後を見つめた。

ここからが本番であった。

お酒は水より乾くのが少しだけ早い。
もちろん、科学的にはアルコールが入っているとかそれだけなんだけど

しかし、昔の人はこれを妖怪がお酒を「飲んだ」とおもっていた。

妖怪というのは大抵お酒が好きで
かなりな有名どころだとヤマタとかもそうだしね。

夜にお酒とかをこぼすと、そこにそういうものが群がっているように感じるとか
霊感ある人から聞いたことはある。

実際どうかは知らないけどね。

だから、まったく霊感のない俺はこういう風にお酒を少し撒いて
その渇きぐあいで、やばさを判断したりする。

そしてこの状況だと、そういうものの注意力を釘からそらす効果も期待できた。

(ゴクリ・・・・

(wktk

眠いから1レスだけ

酒のほうを見ると案の定、殆ど乾ききろうとしていた。
俺は急いでお酒をまた同じあたりに撒き散らした。

でも、こんなのはただの時間稼ぎにしかならない。

お酒の量にも限りがあったし
このペースじゃすぐにつかい果たすのは目に見えていた

だから俺は持ち物のカバンをあさって、短いしめ縄を取り出した。

お酒を好む妖怪は大抵まだ話せる相手だ。
人間にとって害があるか、ないかはともかく、少なくとも交渉しようと思えば
なんとかなる奴が多い。

だから、俺は一種の囲いを作ろうと思った。
中二的に表現すると、結界だけど、そんなすごいもんじゃない。

ここでいう囲いは言葉にすると意味合い的には「なわばり」という表現のほうがいい
漢字にすると「縄張り」だ。

つまり酒のあるほうの土地をお前らにやるから、代わりにこの釘の打ってある場所は俺のもんだから
入ってくんなよ!的な暗黙のルールを結ぼうとした。

これにまつわる昔話も一つあって。

昔々あるところに猿好きの爺さんがいた。
その爺さんは猿が好きすぎて、家族さえ捨ててしまい、何十匹の猿を飼った。
しかし、猿を飼いすぎてしまったせいか、餌代がたりなくなった。

だから、ある日の朝、爺さんは猿にこう言った。

「前までの餌は、朝に栗4つ、夜に栗4つだったが、今日からは朝に栗3つ
 夜に4つで我慢してもらえないか?」
それを聞いた猿どもは激怒して、猛反対した。だって、朝の栗が一個減ったんだから!
怒り狂った猿たちを見たじいさんは、しょうがないなぁというような顔をして
「わかった、わかった。もう怒らないでくれ!こうしよう。さっきは朝に栗3つ、夜に栗4つ
 といったが、仕方ない。特別に朝に栗4つ、夜に栗3つにしてやろう。これで満足か?」
といった。
それを聞いた猿たちは、朝に4つくれるのか。ならいいやと納得し
その案に賛成した。
夜のこと?そんなの夜にまた考えればいいじゃん。もし3つだけだったら
また泣き叫べばいいし。と猿たちは思った。
でも、実際に夜になって、猿たちがどんなに泣き叫んでも、爺さんは約束だからと言って
栗を3つしか渡さなかった。まぁ、あげたくても金がないからね。
猿たちはそれで納得するしかなかった。
人間もこの猿たちのことをバカにすることはできないかもしれないが
でも、妖怪はこの猿たちよりもっとゲンキンな奴らで

しかも、一度した約束は絶対に守る。

(きたー!!

おやすみーとぼーる

(おやすみーとぼーる

(一度した約束は守るってなんかすごいな。
力の強いやつなら人間ごときなんとも思ってなくて平気で約束破ったりしそう
単純にうまい話じゃないと約束すらしないって意味かもしれないけど

(どんな大悪魔でさえも絶対に約束は守る
簡単に約束や誓いを破るのは人間だけ
人間が一番怖い

(ほしゅ。本当このスレ面白い。
続きがきになるぜっ!

俺はしめ縄に「はぁ」と自分の息を吹きかけた。
あと3分の1くらい日本酒の入った瓶をもっとすこしだけ遠くの場所で
瓶でこんこんこんと地面を3回軽く叩いた。
そして、瓶をそのまま地面に置いて、いわゆる神社に行く時の二拝二拍一拝のようなことをして
最後に酒瓶を軽く蹴って、酒をこぼさせた。
これで、妖怪の気はこっちのほうに向くはずだ。
あとは急いで、釘のところに行って、しめ縄で釘と自分を囲えば良かった
俺は少しだけ安心して、釘のうちつけてある場所にもどろうとニ、三歩あるいたが
その時だった。
ピシャリと、何か濡れているものが、俺の肩をつかんだ。
その瞬間、足がまるで鉛のように重くなって、全身から嫌な冷や汗がどばっとふきだした。
耳のあたりから、なにか人の息遣いを感じた。
でも、もちろん生きた人間のような温かいものじゃなくて
すごく冷たくて、ねっとりとした嫌なものだった。
まるで掴まれた場所から吸い取られているかのように、俺の体の温かみが消えていった。
やばい。
俺もこの仕事をもう何年やってきたが、さすがに関わっちゃいけないものと
なんとかなるやつの区別とか付く。
その時俺の後ろにいた何かは、間違いなくやばいやつだ。
俺は自分の中の激しい振り返りたい欲求をなんとか我慢して、それでも釘のほうに行こうと
必死に歩いたが、奇妙なことに、どれだけ歩いても釘に近づくことはなかった。
その頃になると、俺の心の中でも焦りが生まれはじめた。
そして焦りはどんどん恐怖へと変わっていって。恐怖は俺の理性を食いつぶしながら
どんどんと成長した。

俺はパニックになる寸前の状態だったが、最後の気合いをなんとかふり絞り
寒気でカチカチな足を曲げて、地面に左膝をつけた。
そして、頭をあげ、はるか空のほうを見上げた。

流石は田舎。あたりは真っ暗だったし、いい感じに星空が見えた。
北極星を見つけると、俺は手で銃の形を作り、そこに向かって「バン」と口で言った。

なにか由来のある術とか、由緒ただしい技とかじゃない。
強いて言うなら、もう名前さえ忘れたんだけど。昔みたアニメの主人公のかっこいいライバルが
死ぬ前にやった行動で

自分で決めた、自分を落ち着かせるための一種の儀式だ。

退治の時に一番怖いのは相手の妖怪じゃない。
自分自身の心の中に眠る恐怖だ。

人間でも同じだ。
交渉するときに、弱気になると、相手は強気になるし
こっちが強気になれば、相手は弱気になる。

怖がれば怖がるほど、対峙しているものは勝てないものになっていく
でも、逆に、落ち着いて、自分の友人といるような心持になれば、相手側も心を開いてくれる

俺は怖くなった時、この行動をして。あのとき見たアニメを思い出す。
そんで星空を見上げると、なんというか自分とか妖怪とか全部がちっぽけな感じがして

心の何もかもが穏やかになっていく。

はたから見たらかなり痛い行動だったかもだが、そんなことは気にしていられなかった。

そこから俺は、2,3回深呼吸をしたが、もっと気分がよくなった。
海潮の香りが微かにしていた。

これが終わったら、絶対先生にうまい寿司を奢らせてやる。
そんなことも考えた。

すると不思議なことが起きた。さっきまでがっしりと俺の肩を掴んでいた「何か」の存在が
急に消え、体が自由に動くようになった。

俺はすぐに立ち上がりながら、手のひらに唾をかけて、ぽんぽんと額を4回たたいた。
そして、今度こそ、釘のほうに向かい。しめ縄で俺と釘を囲った。

周りに撒いた酒は殆ど乾ききろうとしていた。

急いで俺は「そっちの酒と、この円以外の場所はお前らのもん、でもこの円の内側は俺のもん」
といった感じに詩を読み上げた。

あ、ドリアができた。ご飯食ってくるわ

(食ってらっしゃれ

(食ってらー

(ドリアいいなwww

(うわー
怖かったー

(これリアルでも創作でもすごいんだけど

ただいま。続き

それからどれくらい時間がたったか。
俺は囲いの中でひたすら、じっとしていた。

普通ならこういう風に時間を潰す時、携帯いじったりするだろうけど
今の状態だとそれができなかった。

携帯の液晶が鏡になって、なんか変なものが見えるのを避けるためだ。

だから、かなり手持ち豚になってたんだけど

さっきよりはだいぶ落ち着いていたのか。
また心ん中で夏祭りのメロディーがループし始めた。

そんな中、急に「ぴぴぴぴ」と携帯のタイマーがなったときは結構びっくりした。
俺は「あ、まじかよ。先生3時間たったのに帰ってこないのかよ」と思った。

これはつまり先生の身に何かが起きたかもしれないということだ。

俺はまた焦って、地面に突き刺さった釘を抜こうとした。
今すぐ先生を探しに行かないと。

「定山」をやり終わった後の釘とかは使いようによっちゃ、「定山」をやった人間を
呪う道具にもなるから、回収して、ちゃんとした処理をしないといけない決まりがあった。

でも、手が釘に触れたところで、俺はぴたりと動きを止めた。

うちあげーはーなびー

これで78回目だ。

仕事をしているとき、時間を気にすることは多い
術や儀式によっては、やり始める時間とかもちゃんときまってたりする。

でも、時計や携帯の時間というのはあくまで目安で、完全に信用できない。
なぜなら、妖怪に「目隠し」されて、変な時間が見えてしまうのだ。

大抵は蝋燭とか線香とかの短さとかで時間を大まかに判断する。

次点として、こういう風に音で判断できるものを使う。
そして、それもできない場合は心の中で図る。

俺の場合、それが「うちあげーはーなーびー」のサビの部分だ。

心の中で図る場合、焦って早く回数を数えてしまうこともあるが
遅くなるという場合はめったにない。

さすがにタイマの音が鳴るのは早すぎないか?と数えた回数を思い出して
心の中で引っ掛かった。

そういえば、今の携帯の音、聞こえたのは俺のポケットからじゃない。

俺の後ろのほうからだ。

俺の動きはそこでピタリと止まった。
ポケットから携帯を出して、なるべく液晶をのぞきこまないように
時間だけを見た。まだ2時間にもなっていなかった。

確かにそれまではなんか大人しいなぁとか疑問に思ったりしたけど
俺の携帯の音をまねするとかこういうパターンはやっぱり奴らだ。
と思った

特に証拠はなかったが、長い付き合いだし
これはイタチたちのいたずらであるとなんとなく確信した。

わりと危ないところだった。
もし本当に釘を抜いちまって、先生になんかあったら
結構心に来てたはずだ。

まぁ、イタチたちの狙いはそれなんだろうけど。

俺がそのまま、釘に触れていた手を離すと
どこからともなく「ち」というような舌打ちする声が聞こえた。

(1さんだ!1さんだ!手持ち豚に少しわらっちゃた

先生が戻ってきたのは、それから約30分後だった。

かなり疲れた顔をしていて。

俺はどうでした?と聞いたが。何もなかったよ。と首を振って
それ以上何もいわずに釘を回収すると。

先生は本来の目的地にもくもくと、向かい始めた。
まぁ、なんというか複雑そうなので俺も何も聞かなかった。

しばらくすると先生の実家のほうに着いたんだけど。
それなりに大きなお寺で、あまり表現しすぎるとすぐ流派とか分かっちゃうから
具体的な部分は省く。

出迎えてくれたのは先生の弟とその嫁さんと先生の母で。
どうやら、弟のほうが寺を継いでいるみたいだった。

母は先生に大きくなったねぇとか言ってて涙ぐんでて

俺は晩御飯を期待したのだが、なんというかそういう雰囲気じゃなかったというか
さすがに初対面の人たちにご飯は?とか聞く勇気もなかった。

俺は弟さんの嫁さんにとまる客室に案内してもらうと、そのまま放置プレイをくらった。

先生はさすがにつもる話しでもあるのか、弟さんと母親さんと家のどっかに消えていった。

携帯で2ちゃんのスレみながら、空腹を紛らわすこと2,3時間。
先生が部屋に来て、ちょっと来いと言われた。

先生は弟さんと一緒にいて、弟さんはメガネをかけていて一人称が僕で
かなり丁寧な印象な人だったんだけど。どこか不安げだった。

その二人について、家の中を進んでゆき、とある部屋でとまった。
弟さんが部屋をノックして、入っていいか?と聞くと

部屋の中から、どうぞ。と女性の声がした。

中に入ると、そこは13,4くらいだろうか?中学生っぽい感じの女の子がいた
部屋は年相応というか、これが女子なんだなーって感じの部屋で。

目立つ所に書道のなんかの賞状が貼ってあった。

ねむくたくてねむくたくて

めがしゃきーー

(続きは気になるけど、心身の快適さ優先してね

(続きすげえ楽しみだけど
無理せず寝てくれw

ありがと。ねるわ。土日はすこし仕事でこれないかもかも

(朝晩冷えますのでどうぞ心身ご自愛ください。
お仕事の成功と1さんの幸いを祈ります

今日中に埋めておくかな。
続き

女の子はベットから体を半分起こしている感じで、見知らぬ人がいることにびっくりしていて
少しいぶかしげにこちらの様子をうかがっていた。

弟さんは、こちらが前に言っていた人だよ。という風な感じに先生を紹介すると
先生とその子はお互い軽く会釈をした。

そんで、その次にちょうど俺も紹介されそうになった時、俺はその女の子と目を合わせた。

すると、なぜか女の子は急に手で口を押さた。
顔色も見る見るうちにものすごい勢いで真っ青になって。

そのまま、吐いた。

弟さんはそれを見ると急いで嫁さんを呼んた。
嫁さんは先生の母親さんと一緒にやってきて、女の子の周りの惨状を急いで
片づけ始めたり、大丈夫?とか女の子に聞いたりした。

俺は状況がわからず( ̄△ ̄;)って感じだったんだけど。
先生は弟さんと2,3小声でしゃべると

ついてこいと俺に言って、すこし離れた部屋に移動した。
その部屋は和室で、先生のが泊る部屋みたいだった。

そんで、三人で座布団に腰をおろすと
俺はあの子は?と先生に聞いた。

先生はお前の妹弟子になる人だ。と答えた

俺はびっくりした。

さすがに女だとは思わなかった。
なんせ、うちの流派は女を入れない決まりはないが
やっぱり女性を忌避する部分がある。

なぜなら、女性は男より変なものに入り込まれやすい。
それはイタコとかそういう意味合いでは役に立つが、うちのやり方だと
正直ただの足手まといにしかならない。

(人一倍感受性が強いんかね

どうしてまた女性を?と俺は聞いたが
あの子は少し危なくてね。と先生は答えた。そして、弟さんに

それにしても、またひどくなったのか?というような言葉を投げかけた。

弟さんはすこし言いにくそうになったが
どんどんひどくなる一方だ、と答えた。

先生はそれを聞くと、俺のほうを見て、なら仕方ないなぁとつぶやいた。

俺は良く状況がつかめなかったんだけど、さっきの女の子の様子とか
このやり取りとかを見て。少しピンと来て

もしかして、あの子って霊感あるんですか?と先生に聞いた。

先生は、ああ、そうだ。それも随分とはっきり見えるようだ、と頷いた。

俺も仕事柄上たまに霊感があるというひと(自称だから本当かどうか知らんが…)と
たまに関わり合うことがあるんだけど

みんな結構俺のことを嫌な目で見る。なんか後ろのほうでたくさんの真黒な何かがニタニタとしているらしい。
まぁ、もうそれが何かは分かり切ったことなんだけど。

でも、目を合わせただけで吐かれたのは初めてだった。

弟さんは、あの子は小さいころから、少しは見えていたらしいけど
本当にひどくなったのは二か月前のある出来事からだ、とその時のことを話し始めた。

(はっきり見えたら吐くほどのものがいつも1には憑いてるとなると
これから一緒に仕事をするであろうその子にとっても1 にとっても辛いなぁ

女の子は小さい頃はわりと変なものが見えるとか言ったりしていたが
その頃にはもうそんなこともなくて、普通な子って感じだった。

その日は土日だったんだけど、女の子は学校に部活しにいってて。
帰りがすこし遅くなると家に伝えていた。

でも、いくらたっても女の子は戻ってこなくて
夜の10時くらいになると、さすがに弟さん家族は心配になり
女の子の友達に電話したり、学校のほうに聞いてみたりしたが
なんと、女の子は部活にも行っていないという答えを得た。
とりあえず、弟さんたちは12時まで自分たちで女の子をさがして
それでも見つからなかった場合、警察に通報しよう。と話し合い。
近所の人とかに女の子の行方を聞いたりして回った。
近所の人たちも女の子が消えたことを聞くと、捜すのに協力してくれて
町を結構くまなく探した。
でも、女の子はどこにも見つからなかった。
捜している人たちがまじでやばいんじゃないか?とか焦り始めたころ

町の近くの草むらに、女の子の名札のついた制服が見つかった。
捜していた人たちが急いでそのあたりをさらに探してみると
少し離れたところに女の子のカバンがあって
さらに離れたところにスカートとか、靴とか
どんどんと町の離れの海の崖のほうに続いていた。

大人たちはそっちのほうに向かった。
これはもしかしたら事件かもしれないと、誰かが警察にも連絡した。
場所に着くと、あたりはもちろん真っ暗なので、懐中電灯の光をたよりに
何か手掛かりがないか探した。
すると、崖の近くの大きな岩の上に人影があった。
近づいて、光を当てると。そこには女の子の姿があった。
ほとんど裸で、両手に何か持っていて、何か楽しそうにぶつぶつ言っていた。
それを見た弟さんは急いで女の子のほうにいったんだけど
女の子が持っているものを見ると唖然とした。
女の子は小さな木の枝を箸のように片手で持っていて
そして、もう片方の手には石を持っていて、その石の上には大量のミミズがいた。
女の子はさもおいしそうに、ミミズを木の枝で挟むと、口に放り込み
ひとかみ、ふたかみ、ごくり。
彼女は生きたミミズを啜っていた。
異様な光景に弟さんは凍りついたんだけど
他の大人たちが来るのを手で静止した。なんせ女の子は裸だ。
その間もずっと、女の子は目の前に誰かがいるかのように
その何かに、ひたすら話しかけていた。
何を話しているのかは良く聞こえなかったらしい。
弟さんも少しも知識があったみたいで、ごくりと唾を飲み込むと
懐中電灯を一度消して、光を出すガラスの部分にはぁーと息を吹きかけて
女の子が話しかけている場所に向かって、一瞬だけ電灯をつけて、またすぐに消した。
その一瞬に、弟さんは見た。
何もなかったはずの場所には、なにか動物のようなものがいた。

(ふむふむ

弟さんはかなり怖かったんだけど

それでも、自分の娘を助けたい一心で、覚悟をきめた。

数珠を握り締めると、大声でお経を叫びながら女の子のほうに走って行って
手に持ったミミズを払い落した。

すると、女の子はたちまち無表情になって、弟さんをじっと見つめた。

弟さんはそんな女の子に服をはおらせる、なんとか彼女を大人たちのいるほうに
引っ張って行った。

ちょうどそのころには警察も来ていて
全員急いで彼女を病院のほうに運んだ。

いつの間にか女の子は気を失っていて。意識を取り戻したのはそれから2日後らしく
失踪している間のことは全く覚えがないらしい。

そして、弟さんは彼女を無暗に刺激したくなかったし、どんなふうに見つかったのかは
女の子に黙っていて、彼女は自分に何があったのかまだ知らない。とのこと

俺はこの話を聞き終わると、ふと、これってもしかして「天命漏らし」じゃないのか!?
と思った。

もしそうだとしたら、女の子は確かにかなりヤバい状況だ

(リアル初遭遇。
不気味な話だ、弟さん娘見つけた時は戦慄しただろうな。

「天命漏らし」というのは、占いの業界で気をつけないといけないことなんだけど
未来をはっきりと、誰かに伝えることで起こる。
まぁ、占いとかで本当に占ったのか嘘八百なのはともかく
みんな曖昧にしか言わない理由がこれだ。
はっきりと誰かに未来を伝えてしまうと、その未来までの時間分の寿命が
聞いた相手も、教えるほうもちじむというものだ。
だって、未来に起こるはずのことを今知るというのはおかしいから、その分年をとる
と理解すればいいのかな?
というものだ。
これは漢字からもわかることなんだけど
天命というのはまぁ、運命とかそういう意味なんだけど。
「寿」という漢字の意味も、確か本来は「天命」からきたはずで
「天命漏らし」がそのまま「寿漏らし」につながるわけだね。
だから、普段の生活でも、もし予知夢とかみたら、あんまり他人に伝えないほうがいいね
寿命ちじむんだ。
あとすごい予言者とかが預言書書いたりするけど
それが全部意味不明な言葉だったりするのもこれを恐れてだ。
そして、妖怪は占いとかを通して未来をしることはできないんだけど
人をだまして、人を通して無理やり聞き出すことができる。
こういう風に妖怪が人間に何かをおもてなしして
さらに話しこむ場合は大抵、人間をコントロールして占いとかさせて
天命を聞きだしている。
妖怪はあんまり寿命とか気にしないけど、人間側からしたらたまったもんじゃない。
そのまま漏らし過ぎて死んでしまう例もある。
俺は先生に自分の思ったことを伝えると、先生は自分も同意だ
と答えた。

(天気が不気味だ。ワクワクしながら見てるよ

ここらへんで離脱。もしスレ埋まりそうになったら

誰かかわりに建ててくれ

立たなかったら、あきらめる

(1さん、お疲れ様です!
天命漏らしのこと、凄く勉強になった・・・

(今回も、ぞぞっとした…
寿命のこと言っちゃいけないっていうのは聞いたことあったけど、
ちゃんとした名前や理由は知らなかったわ

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