墓地が隣地の実家で姉を悩ませた女性の恐怖の幽霊体験談

恐怖の心霊体験談

田舎にある実家は庭の裏が墓地で、彼岸には庭先に墓参りで訪れている人が垣根を越えて目に入るような環境でした。私や姉を含めた子供の部屋は2階にあり、姉は昔からベランダから墓地が見えることを嫌がっていました。

そんな折に実家においては様々なことが起こり始めます。

よくある話でいえばテレビの電源がひとりでに付いたり切れたり、そんな実家でした。他にも自分の経験では、私の部屋は2階で一番階段に近い部屋だったのですが、夜中廊下の奥の方へ歩いていく影が見え、奥の部屋に兄弟が入っていったのかと思えばだれもいなかったり。

そしてある夏、姉が夜寝ている間に枕もとで女性が囁くような音を耳にしだします。眠れなくなった姉を更に追い詰めるかのようにそれと並行して姉の部屋ではクラップ現象が発生しだしました。

隣の部屋にいる私でも聞き取れるような、断続的に響く乾いた拍手のような音。時間を問いません。

日中なりだすこともあれば夜に音がすることもありました。

また、姉の部屋のクローゼットの中で何かが音を出す、というケースもありましたがこれはその一種だったのでしょう。

姉はもちろん家族に相談をし、ある日母親が姉の部屋にてずっと過ごすこととしました。

姉も安心したようでしたが、やはり始まったクラップ現象。それまで半信半疑であった母親も何かを感じ取り、これはいけないと部屋を姉と後にして、一階のリビングへおりました。

するとなんと今まで何も起きたことのなかった一階においてもキッチンのあたりから乾いた拍手のような音が鳴りだし、どんどん強まっていったのです。ついに姉はパニックを起こし泣き出してしまいました。

耐えかねた母がそこで「娘を泣かせるなんて!」と虚空に一喝。するとその瞬間、書斎の棚から、ダン・ブラウン作の「天使と悪魔」の上巻がドサッと音を立てて床に落ちました。

それを最後にこの一連の出来事は起こらなくなったのですが、未だにあんな分厚い本がひとりでに落ちたことを何かの偶然と思える家族はおりません。私はその間一階にずっとおり、この出来事を目の当たりにしていた訳ですが、今となってはこの話は家族間ではタブー視されています。

ちなみに姉と母親が二階から降りてきたのに続くように、階段を下る足音が後を追うようにして聞こえてきたのは誰にも話していません。その後捨て猫を迎え入れてからというもの実家では何も起きなくなりましたが、やはり今考えても怖い話です。