私はもともと心霊番組とか本当にあった怖い話とか大好きな人間でしたが、自分は見えない人だと思っていました。しかし、高校で帰宅時間が遅くなり暗い廊下を歩いて居る時に赤いスカートの先生を見て「さようなら」とあいさつをしたのです。すると。
それは秋も深まり寒くなってきた頃のお話です
私は高校生で書き物をしていたら、すっかり時間が遅くなってしまい学校内も職員室以外は明かりがほどんど消えていました。
廊下も、とても真っ暗だったのを覚えています。教室から玄関に向かうには、真っ暗な渡り廊下を歩いて職員室前の階段を降りて行かなければいけません。
しかし職員室前はとても明るかったので、安心して歩いて行きました。職員室前には先生たちのロッカーがあり、先生たちは帰る時にはそこで上着を着たりして、よくその場に立っている先生がいたのです。
その日も、ロッカー前には赤いスカートでボブカットの先生が、ロッカーに手をかけて居ました。いつも通り私は「さようなら」とあいさつをして、ふとおかしな事に気づきました。
「あれ?あんなに短いスカートをはくような若い女性の先生って、この学校に居たっけ?」おかしいなぁと強く感じたので振り向いてみると、そこには誰も居ませんでした。
移動した気配すら感じていないのに、私は途端に背中にゾッとするものを感じて、慌てて階段を駆け下りて走って玄関に行きダッシュで帰りました。夜道がやたらと怖くて泣きそうだったのを覚えています。
そうして家に帰りつくともしかしたら自分が見たのは気のせいだったのかな?
とか、どっかの学校の先生がうちの学校に来てて、また職員室に入って行ったのかもしれない。などと、落ち着いたら考えられるようになり、気のせいだったで終わらせてしまおうと決めてその日は眠りました。
そうして、何日か過ぎて忘れかけて居た頃に、友達が霊感があるんだという話しになり、ふと赤いスカートの女性の事を思い出したので、話しのネタになるかなと「私、職員室前で見たんだよね。」とだけ友達に話しました。
すると驚いた返事が帰って来たのです。「赤いスカートでしょ?」と先に言われてしまったのです。そして友達は淡々と私が見た赤いスカートの女性の容姿を当てて行くのです。
髪はボブカットで、赤いタイトの結構短いスカートを履いている。ロッカーの所でいつも俯いて立っているという所まで、全てがピッタリでした。私は本当に血の毛が引く思いをしました。
何しろ冗談で人から聞いた心霊話をする事は、いままで何度もあったのですが、自分が経験した事を先に言い当てられたのは初めてだったからです。校内では結構有名な話しだったらしいのですが、私は転校生だったのでそんな話は一切聞いたことがありませんでした。
正直自分が見えるとは思わなかったので、あれだけハッキリ見てしまうと自分が見えるという事を信じざるおえませんでした。何しろリアルの人間だと思い挨拶までしてしまいましたから。