昔から霊感が強く、霊が視えると話す友人のA君。ある夏の日、地元で有名な「オバケトンネル」に肝試しに行くことに。トンネルの前につくとA君は立ち止まり、突然叫んだ。「大量の幽霊が迫ってきてる!」と。何も視えなかったが、あることがきっかけで私もそれを視ることになる。
私の友人に霊感が強く霊が視えると話すA君がいる
A君からはよく心霊体験などの話は聞いていた。
そんな私は霊感というものが全くなく、話を聞いても信用していなかった。ある夏の日、A君が最近体験した心霊体験を聞いていた。もちろん私は信じていないので適当に流していた。
そのとき、ふと別の友人B君が、地元の心霊スポットで有名なトンネル、通称「オバケトンネル」での肝試しが流行っているという話を思い出した。A君に伝えたところ、A君も興味があったらしく、行ってみようということになった。
深夜1時、街灯も少ない道を自転車で走り、「オバケトンネル」に向かった。このトンネルは隣町に向かう道の途中にある、大きなトンネルのすぐ隣にある。昔使われていたらしいく、新しいトンネルができてからは歩行者用として使われているトンネルなのだ。
といっても町のはずれにあることもあり、歩行者や自転車で通る人自体少ない。また、「オバケトンネル」と言われることもあり、誰も近づこうとしないことでも有名だった。自転車を走らせること約1時間。
トンネルの前についた。霊を信じていなかった私は、いつも通りふざけながら先にトンネルに入ろうとした。その瞬間A君が声をかけてきた。
「待って、先に僕から入るよ。」といって私の肩をぽんぽんと叩いて進んでいった。ところが、トンネルに入った瞬間、A君の足が止まった。しかもそのまま動かないでトンネルの奥を見つめている。よく見るとA君の足は小刻みに震えていた。
そう止まっていたわけでもなく動かなかったわけでもなく
動けなくなっていた。異変を察知し、私はA君に声をかけた。ところがA君からは返答がない。もう一度声をかけると、小さい声で何かぶつぶつ言っている。
「おい!」と大声で呼ぶとA君は「わぁぁぁあああ!!!」と大声で叫び、こちらを振り返り「大量の幽霊が迫ってきてる!」と続けて叫んだ。いきなり叫ばれたことにびっくりはしたが、トンネルの奥を見ても何も視えない。
A君がトンネルから走って出てくるなり私の手をつかんだ。「視てみろ!」と言われ、なんのことかと思いトンネルを改めて視ると、目の前からおびただしい量の白い塊がこっちに迫ってきていた。私たちは一目散に逃げ、急いで自転車に乗りその場を去った。
A君の話によると、霊感のある人が触れることで、霊感の無い人も幽霊が視えるようになるとのこと。あの時とっさに手を掴まれた私は「視える」状態になってしまい、初めて幽霊を視てしまった、ということらしい。
もし、あなたの周囲に霊感がある人がいて、幽霊を視てみたいのなら、手をつないでみるといい。きっと今まで視たことのないものが視えるかもしれない。