これは私が実際に体験したお話です。田舎から上京して初めての一人暮らしで住みはじめたマンションで、耳鳴りが起こると金縛りが来るという不思議な経験をしました。今だにあの時に体験したものがなんだったかはわかりません。
あれは今から10年前都内の大学に進学が決定し、埼玉県の某マンションで一人暮らしを始めてからしばらく経ってからの出来事でした。その部屋は単身赴任用の住まいとして分譲の1部屋を父が購入したものでした。その部屋は1階で2Kのユニットバス、部屋はカーペットが初めから敷いてあるタイプでした。
その日、私はアルバイトを終え深夜0時過ぎに帰宅しました。身支度を済ませて床に着いたのは午前1時を過ぎていました。熱帯夜で寝苦しく、じっとりと汗をかいていました。何度も寝返りを繰り返していると、耳奥が急にキーンと鳴り出してどんどん音が大きくなっていきます。
耳鳴りだ。そう気づいた瞬間、体のスイッチが切られたかのように急に体が動かなくなりました。金縛りです。真っ暗な部屋、生ぬるい室内、大きくなる耳鳴り・・・恐怖でした。
ほんの3分くらいの出来事でしたが、ものすごく長いように感じられました。翌朝、あれは一体何だったのだろう。と思いましたが、暫くは何もない日が続きしっかり忘れていました。ところが明け方4時頃、また耳鳴りがうるさく目が覚めた瞬間、金縛りになり1分ほど動けずにいました。
その時はうつ伏せの状態でしたが背中に何かが乗ったようなドンっと強い衝撃がありました。うつ伏せなので得体の知れない何かを確認はできませんでしたが、汗がだらだらと滝のように流れただただ恐怖でした。
しばらくすると何もなかったかのように急に体が軽くなり動けるようになりました。すぐに電気をつけて辺りを見回しましたが何もいませんでした。布団だけが汗で異常なほど濡れていました。今でもあれの正体はわからないままです。