夜中に目を開けると私の頭上に髪の長い女性の姿が。。女性は私を見下ろしたまま何もしてきませんでしたが怖くなった私は布団を頭まで被りもう目を開けませんでした。翌日起きると母の化粧台と父の姿見が向かい合わせになっていたのです。私は二つの鏡の間に寝ていました。
ある日の夜のことです。
いつも通り布団に潜り込み就寝しました。寝つきはいい方でなかなか夜中に起きることのない私です。
ですがその日は違いました。なにかの気配を感じて目が覚めたのです。
ゆっくり目を開けると私の頭上には髪の長い白い着物の女性の姿が。私と向き合うように浮かんでいたのです。
女性は私を見下ろしたまま何もしてきませんでした。髪の毛のせいで表情は良く見えません。
しかし肌は青白くなにかうめき声をあげています。夢か現実か分からなく混乱した私は、横で寝ていた母に助けを求めようとしました。しかし思うように声が出ません。
怖くなった私は布団を頭まで被り目をきつく閉じました。また女性を見るのは危険だと直感的に思ったのです。
気がつくと朝になっていました。夢だったのかな。。。
とほっと胸をなで下ろしたわたしですが、そこでいつもと違う寝室の様子に気が付きます。
母の化粧台と父の姿見が向かい合わせになっていたのです。いつも姿見はホコリを被らないにカバーをしているのですがなぜかその日は外れていました。
そして私が寝ていた場所は二つの鏡の丁度真ん中だったのです。
鏡はあの世のものの通り道だとか合わせ鏡はするもんじゃないと聞いたことがあります。
もしかしたらあの女性も鏡を通ってこの世にやってきたのか。そして私が寝ていた所はそんな彼女たちの通り道だったのか。
真実はわかりませんがその出来事以来、鏡の位置を変えた私のもとにあの女性が現れたことはありません。
彼女はどうして私を見ていたのか。
あの時もう1度目を合わせていたら今頃私はどうなっていたか。考えるだけでも恐ろしいです。。