病院の廊下に現れた少女の正体とは 入院中の恐怖の心霊体験談

恐怖の心霊体験談

13歳のときのエピソードです。手術後のリハビリのため、長期入院をしていた病院で体験しました。季節は夏。小児病棟ではちょっとした『こわいもの』ブームが来て、入院中の退屈をはらすように、みんなは知っている怖い話をしたり・・・

怖いもの見たさがまさか本当に怖い体験をしてしまうなんて思ってませんでした

これはもう10年以上前の出来事です。

13歳の頃、わたしは手術後のリハビリ療養のための入院をすることになり、しばらく家族と離れることになりました。

アレルギーの子や小児喘息の子、骨折した子、いろんな理由で長期入院している子たちがいるので馴染むまでに時間はかかりません。
でも、夜は長くて嫌でした。

小児病棟の夜はざわざわしています。なかなか眠れない子、家族と離れてさみしい子、幼い子どもたちのザワザワした空気が流れて落ち着かないのです。
そんなある日、誰かが『ほんとうにあった怪談』というような雑誌を読んでいました。

退屈している子たちは新しい面白いものに飛びつきます

わたしは「病院でそれはないよ~」と思っていたので、その輪には加わらず、様子をながめていました。

その雑誌をふざけて読んでいる間はよかったのですが、何人かの子が本気で信じて、トイレにも行けず、とっても看護師さんに怒られていました。
わたしは年上として注意するように言われ、もう怖い話はナシと言い聞かせることに一生懸命でした。

それからしばらくして、わたしより年上の子が、「わたしは霊感があるんだ」と言って、不思議なことを話し始めました。
そのお姉さんは守護霊が見える様子で、わたしのうしろには母方のご先祖様がいるらしい・・・とか、そんな話をしてくれました。

その話には怖さは無くものすごく興味深々になって

「あれは?これはどういうこと?」とお姉さんを質問攻めにしたのです。

一番おもしろかったのは、お互いが、同時に頭に思い浮かべた記号を言い当てるゲームで、ほぼ同じ記号を同時に思い浮かべられるようになりました。
私は浮かれてて、このお姉さんは本当に力があるんだ!すごい人と出会ってしまったかも!とよろこんでいました。

こうなると怖いもの知らずで(笑)、わたしの中に不思議なことへの興味がどんどん湧いてきて、花子さんや妖怪の話も勉強しているような気分で調べたほどです。

でも、幽霊を見たいとは思いませんでした。
幽霊は怖い。マジ幽霊だけは出てこないでって思うと、私もトイレに行くことが怖くなり、小さい子たちと変わらない自分が情けなかったです。

ある夜「今日中に手紙を出したい」という友人と一緒に一階に下りました

なんだか寒い空気が通り抜け、怖くなった私は「はやく戻ろう」と廊下をサッサッと早歩き。

もう少しでエレベーターというとき・・・
「なんか浮いてるよ」という友人の声。振り向くと、そこには白いワンピース姿の女の子が浮いていました。

表情を確認することもなく、私と友人は「ぎゃー」とエレベーターまで走ります。ついてくる女の子。
エレベーターのボタンを連打。早く来い!!来い!

追いつかれるより一足早くエレベーターが開きました。「早く閉まれ~」と思ったとき、女の子はどんな顔をしていたのか・・・
これ以来、怖い話はしません。不思議な話は今も好きです。