賃貸マンションのなかには、綺麗で駅からも近く、家賃が安くてもなぜか人が入居してもすぐに出ていってしまう部屋が存在します。いま思えば「変だな、おかしいな」と思うことが数多くありましたが、なぜかそんなお部屋に10年近くも住んでしまったわたしの体験談をご紹介します。
板橋区の東京メトロのとある駅からほど近くにたたずむマンションの7階に10年近く住んでいました
会社にも近く便利だからと特にこだわらず入居を決めました。窓の外を首都高速が通り、排気ガスで窓を開けることができないかわりに相場より安い家賃で借りることができたのです。
しばらくしてある日、窓が汚れているのに気が付きました。近づいてみると手のひらの跡に見えました。内側から吹いても落とせず、汚れは外側についていました。7階の、高速道路に面した窓の外側です。背筋がぞっとしました。
またお隣の方も変わっており、夜中に大喧嘩をしているので目を覚ますことが何度かありました。
また飼っている犬がその大声に反応して大きな声で吠えるのでまったく寝付けません。問題にするのをためらい、とくになにもしませんでしたが通報した方がいたらしく、警察が何度も来ていました。
男性を見かけたことはそのときぐらいで、普段はたまに女性とすれ違い挨拶をするとおとなしそうな印象でしたが、そのぶんあの夜中の大声は忘れられません。
おかしなことがいろいろありましたがなんだかんだそこに住み続けて10年近く経ったある日、病院で「心臓に異常がある」と診断されました。
ちょうどそのとき職場の同僚から霊媒師を紹介され、初めて電話をしたときに「あなた心臓をつかまれていますよ」と言われて驚きました。
彼女が家までお祓いに来てくれるというので家の前で待ち合わせをし
7階の部屋に入るときに彼女がエレベーターの前に立ち「ここであなたをにらみつける女性にあったことはありませんか」と聞かれ、またしぐさもそっくりなのではっと思い当たる女性が浮かびました。
そのときは真昼間でしたのでそういう存在とは認識していませんでした。
いつの休日だったかコンビニから買い物をしてエレベーターを出たところに立ってこちらをにらんでいる女性がいて「ご近所なのになんであんなに失礼なのかしら」とこちらもにらみつけるようにして部屋に入ったことがあったのです。
霊媒師の彼女が言うにはその彼女がわたしに憑いているというのです。
過去に不幸な恋愛をして飛び降り自殺をした方だそうです。
また彼女が立っていた部屋から私の部屋に鬼道が生じていて、たくさんの霊が部屋に入り、立てかけていた鏡で反射し、部屋をぐるぐると回っている、といわれてそんなところで暮らしていることが怖くなりました。
早速引っ越しを決め、すぐ近くのマンションを決めました。
引っ越しが決まったとたんにおかしなことも増え、風もないのに服がひらひらとゆれたり、大きな音がしたりといろいろありましたが無事に引っ越しが完了しました。
お寺の隣りですが、これまで住んでいたマンションと比べると「天国のようなところ」と太鼓判を押されて、いまでも平和に暮らしています。
近所なので時々通りがかりますが、あの部屋に住んでいる人がいるのかと思うとかわいそうな気持ちです。