濡れた黒髪の幽霊から救ってくれたワンピースを着た守護霊の話

恐怖の心霊体験談

自宅の階段から何度も踏み外しては捻挫をするので、家族も私もおっちょこちょい過ぎると言われていました。階段を数えながら昇り降りするようにすると不思議と階段を踏み外さなくなった途端に踊り場付近がとても嫌な感じと視線を感じるようになりました。

実家の階段を降りていて後数段という所で足を踏み外したのです

その時は軽傷で、湿布程度で済みました。ですが、足が治った頃にまた同じ場所で踏み外しました。
その時は整骨院に通い2週間で治りました。

そして翌日の夜、再び同じ場所より数段上の階段から足を踏み外してそのまま一階まで落ちました。
この時は流石に足が腫れあがり、完治に数か月を要しました。

気のせいかもしれなかったのですが、この時私は誰かに声を掛けられた気がして振り返ったのです。
振り返った途端に背中を押されて階段から落ちたのです。

この時点で霊の仕業とは思いもよらなかったので、もう二度と踏み外さない為に必ず数を数えながら階段を昇り降りするようにしたのです。
そうすると、当然ながら踏み外す事がなくなり「やっぱりおっちょこちょいが原因だったね」と家族と話した夜の事です。

寝支度を整えようと洗面所に向かうと、右側にある階段付近にとても嫌なものを感じました。

ふっと階段側を見ると照明が点いていないので暗かったのですが、それとは違う黒っぽい闇のようなものをみたのです。
階段の電気を点けると黒っぽい物は消えました。
気のせいだと思う事にして、そのまま寝支度を続け再び家族と軽く会話をし私一人階段を降り自室に向かいました。

何も考えず廊下の電気だけを点けて階段を一歩降りようとした時に

少し先の踊り場から強烈な視線を感じたので目をやると髪がびしょ濡れになった黒髪の長い髪の女性が頭から鼻先まで床から顔を出して階段上の私を睨みつけているのです。

一瞬で固まり動けなくなった私にその女性はそのまま顔を全て床から出して口を開き何かを言いました。ですが、聞き取れません。
そうすると、その女性は再び何かを言いながら床の中へ消えていきました。

そうです、この踊り場から一階に降りる時に私は必ず踏み外していたのです。
怖くなりその日から私は2階の和室で寝るようにしました。

和室で寝るようになって数日後の休日、お昼過ぎに急に眠くなりリビングでうたた寝をしていました。
うたた寝から覚めた時リビング横の和室の扉が少し空いていたのですが、その隙間から何故か目が離せなかったのです。
そうすると、和室の中を白いワンピースを着た長い黒髪の女性がふわっと横切りました。

踊り場の女性と違って怖いという感じはありませんでした。
その後再び白いワンピースの女性が扉の隙間の間に立ちました。
私は横になった姿勢のまま動けません。
けれど、やはり怖いという感じはないままなのでその女性に見惚れているといった感情に近かったと思います。

その女性は私に「もう大丈夫」と言って窓の外に消えました。

何故か何が大丈夫になったのかが分かった気がしたのです。
すぐ、踊り場を見ました。
もう黒っぽい物も嫌な感じもなくなっていました。

私には濡れた長髪の女性もワンピースの女性も同じ霊だったように感じました。

何故いつも閉めている和室の扉がその時だけ数センチ空いていたのか?
私に何を言いたかったのか心当たりもありませんが、その日から階段を数えなくても踏み外さなくなりました。