南米には、アヤワスカという蔦植物を用いたシャーマンの儀式があります。アヤワスカツーリズムと言われていて、近年欧米人を中心に南米旅行者の間では有名になりつつある儀式の一つです。南米旅行中に体験してみました。
南米のアマゾン奥地にいるシャーマンたちが扱うアヤワスカ
近年は欧米人を中心に有名になりつつある言葉なので、奥地まで行かなくても旅行者が集まる地域にはアヤワスカ茶として液体を売っている人も多い。
ただ、液体として味わうだけでなくアヤワスカを使ってシャーマンの儀式を受けるなら、それなりに経験のあるシャーマンのもとを訪れることになる。
アヤワスカ自体は、それを摂取した人の多くが幻覚作用を見ると言われていて、それはビジョンと呼ばれる。
人によって見えるビジョンはいろいろ。全く何も見えずに終わる人も多いが、一度目で多くのビジョンが見える人もいる。
フラッシュのように短く多くのビジョンが見える人もいれば、一つのビジョンがスローモーションのようにゆっくりと長く見える人もいる。
私の場合は、最初に多くの短いショットが現れ、しばらくしたらその内の一つのビジョンに戻って、それがアヤワスカの効果が薄れるまで実にゆっくりゆっくりと流れていった。
このビジョンをもう少しゆっくりと見たいなぁと思うと、それが一時停止してしたり。
アヤワスカの効果が持続する時間は人によってまちまちで、飲んで30分ほどたってから効き始め、2~6時間持続すると言われている。その儀式の間じゅう、同じくアヤワスカを飲んだシャーマンの歌声が聞こえている。
この歌声はイカロスといって、シャーマンがアヤワスカの精霊から授けられた歌で、シャーマン自身だけでなく儀式を受けている私たちを精神世界へと導いてくれる。
私が見たものはたくさんあった
これまでの人生で印象の深かったシーンだけでなく、今の今まで忘れきっていたような平凡で何気ない、でも、きっと私の今を作りあげるにおいて必須だった出来事や思い。
最後にスローモーションで長い時間をかけて見えたのは、亡き両親だけではなく、今も生きていて私を支えてくれている家族や親類、そして距離の遠近にかかわらず私に愛を感じてくれている大切な友達たちへの私自身の感謝の気持ち。そして、これからももっと幸せになって欲しいと強く願う気持ち。
初めてのアヤワスカ体験が、良いビジョンが見えてよかった。人によっては苦しみのもとになるビジョンしか見えない場合もあるのだから。
アヤワスカ。
飲む前に胃腸を軽くしないといけないので軽い断食状態にするのだけど、その状態で飲むアヤワスカ茶は実に苦くて不味くて、吐き気のひどさも半端なく、実際吐きまくったのは苦しかったけど、受けてみたよかった。