私は、同棲&魏実家同居生活8年目に入籍し、約2年ほど子どもが授からなかった。
岐阜県在住。Tさんの体験談。
職場で結婚する前は、子どもを産んではいけないという謎のルールがあり、それに従ったことを今でも強く公開している。
岐阜県は下呂にある安産の神様に祈ったり、葉酸を飲んだり、排卵検査薬を試したりといろいろ試したが効果はなく、ほぼ諦めていたころ、長女がおなかにやってきてくれた。
出産予定日超過40w4d
出産予定日調度に産婦人科を受診すると、ドクターから、「これから連休に入って人手が足りなくなるから、週明けに入院して誘発分娩しましょう」と言われる。
「おいおい、それはないだろう。一週間くらい待つなんて普通じゃん。」と内心思ったが、初めての出産の上、内弁慶な私は何も言えずに入院。
誘発分娩をすることになった。なるべく自然分娩したかった私は撃沈。
しかし病室におサンセットが置かれているのを見て、妙にテンションが上がったのを今でも覚えている。
誘発はとても痛く、同じ日に入院し向かいのベッドにいる友達と一緒にもがき苦しんだ。
友達はすでに8日待っていただいていたようで、すぐに陣痛再来し、陣痛室へ。私はその後後を追ったが、子宮こうは開かず人口は幕での出産となり、9時間ほどかかった。
入院生活は充実
私の夫はコロナ下でもなのに、面会をせず、荷物だけ持ってくるスタイルだった。理由は、女性しかいない病室に入るのは失礼だからだそうだ。
だが向かいの友達の夫は、妻に付き添い、産後も一緒に誕生を喜んでいた。多少の寂しさはあったものの、旦那さんのいないときには、二人で楽しく会話をし、仕事も同業種だったので、話が合い、良く盛り上がった。同室の残り二人がカーテンを閉めている中、私たちはお互いのカーテンを開け、コミュニケーションを取り合った。最終的には全員が仲良くなり、明るい病室で、恵まれているな、と幸せを感じていた。
心霊現象勃発
そんなある夜、ぐっすり寝ていたら、「ピタ」と子供の手が私の肩に触れた。
その手は徐々に私の首のほうにも伸びてきて、ぎゅっと抱き着いた感じだ。
寝ぼけながら、私は考える。
「私の赤ちゃんは生まれたばかり。さっき寝かしつけて隣で寝ているはず。鳴き声もしない。」
「職業柄わかるけれど、これは1,2歳くらいのこの手。しかも強い力。夢?!金縛り?!」
このあたりから冷静さを失い、一生懸命そのお化けの頭なのか体なのかわからないが引っ張る。
とにかく引っ張る。
手を放そうとする。
それでも離れない。
それどころか「ぐっ」と力を入れてくる。
あまりの恐怖にパニックになり、テレビ台についているタオル掛けにつかまり難を逃れようとするができない。
最後にありったけの力を込めて引っ張ったら、スーッとどこかに消えていった。
あまりの恐怖に夜中にやけ食い
頭の中で、ここは病院で産婦人科。
だから、不幸にして亡くなった子供の例なのかもしれない。
と考えるが恐怖はぬぐえず、眠れなくなってしまった。
結果私のしたことは、夫がたくさん持ってきてくれたゼリーをひたすら食べることだった。
そして、窓を見るともう夜明け。病院の窓から外をのぞくと、牛がのんびりと草を食べていた。
その様子をみて、少しホッとする。
そして朝食の時間になると、友達に一連の出来事を話した。
友達も怖いものを感じる人のようだが、ここにはそんな気配は感じないけれどな。
とのことだった。
長男の生まれてきた時の記憶
その2年後、望んですぐに長男を授かる。
その子が、大きくなってくると、なんとそのお化けがしたような、しがみつき方をするのである。
私は、あんなにできなかったのに長男はすぐに来てくれ、しかも、同じような行動をするので、あのお化けは実は長男なのではないかと思っている。
先天的に目が悪いことと、誕生時は骸骨腫という病気があったが。
お化けになってしまったときには、何があったのだろうかと考える。
流産か、死産か…。
そして言葉がしゃべれるようになったころ、長男は言った。
「ぼく、ママを選んで生まれてきたんだよ。生まれられなかったのはママを選んだからなの」
「僕生まれてくとき、ママに早く会いたいって思って、おなかの中からグルグルスポンて生まれてきたんだよね」
と。あの時引っ張って話してしまったのは、申し訳ないと思うところもあったけれど。
こんな言葉を聞いて、とても嬉しく、大事に育てていこうと思った。
長女の時から、長女の弟になると決めて、私の子になると決めて、あの時くっついてきてくれたのだと思えたから。
今は、目は悪いけれど、骸骨腫は骨折の後だったのではという話になり、元気いっぱい過ごしている。
やっぱりあのしがみつきは。まだまだあって。
それは、まま大好きだよ、って言ってくれているのだな、と思って、私も全身で受け止めている。
命って本当に不思議。
私はこの子を産むまで心霊体験は一度もなかったけれど、あの体験から、心霊現象を信じるようになりました。
あの時はただひたすら怖かったけれど、こうして、私のもとへ息子として来てくれたから。
心霊体験は怖いイメージがあるけれど、ただそれだけじゃない。
そこには、何かメッセージがあるのだと知ることができたから。