意味がわかると怖い話の「呪いの鏡」「トイレットペーパー」「辞書登録」を紹介。2ちゃん発祥のクイズのような推理のような、怖いけどクセになる不思議で面白い意味怖を答え解説付でまとめました。サクっと読めるよう短編を中心に、少しでも怖さが和らぐように恐怖の意味怖を猫が、意味怖の解説(答え)を犬が語ります。
意味怖 答え解説付「呪いの鏡」
メキシコシティー郊外の古い屋敷には、
触れると中に引きずり込まれると噂される
呪いの鏡がある。
そこを訪れた学生グループの一人Kが、
「迷信に決まってる」と
その鏡に触ったが、何も起きなかった。
しかし帰り道、友人の一人が
Kの服の模様が来たときと左右逆になっている
ことに気付いてしまったという。
(Kは気付かない間に鏡の中のKと入れ替わってしまった。
となると…Kはいつもの世界と
全く逆の世界で生きることになる。
意味怖 答え解説付「トイレットペーパー」
浮気をしたのが彼女にばれて2週間。
ずっと連絡がなかった彼女がやっと部屋にあげてくれた。
でもお互い気まずくて一言も口をきけないまま時間だけが過ぎていく。
僕はその空気に耐えられなくなってトイレに逃げ込んだ。
ふと脇みるとトイレットペーパーの端にペンで「真美より」と書いてあった。
なんだろう。どきどきしながら紙を引き出すと、
そこの彼女からのメッセージが書き込まれていた。
メッセージは何行にもわたっていた。
僕は紙を1行ずつ引っ張り出しながらかみしめるように読んでいった。
真美より
あなたは私を裏切った それは事実
でももうすべてリセットしていいと思うの
あなたと過ごした宝物のような日々
それが私にとって大切だと気づいたから
なにもかもぶち壊してしまうこと
許されないことだもんね
あなたが浮気していたことは
全部忘れてしまえるわ あの娘と
あなたとの関係もこれで帳消しってこと
にしてあげるお互いつらかったよね 私と
あなたは 十分に苦しんだからこれから楽
しんじゃおうよ 一緒にね
隆史へ
涙があふれてきた。
扉の外に真美が待っている気配がする。
早く出て行って彼女を抱きしめてあげよう。
(『十分に苦しんだからこれから楽しんじゃおうよ 一緒にね』
文章のようにそのまま読むと
浮気を許しているように思える。
しかし、トイレットペーパーに記載するのであれば、
本来なら下から書いていくはずである。
『真美より』が最初にきていて、
『隆史へ』が最後に来ていることからもわかる。
下から読むと語り手を殺して、
自分も死のうとしているのが読み取れる。
意味怖 答え解説付「辞書登録」
休み時間ヒマだったので、上司のパソコンに
「うんゆ」→「運輪」
「こくどこうつうしょう」→「国土文通省」
「せんじつは」→「先曰は」
「けっさん」→「抉算」
「ねんどまつ」→「年度未」
「しゃちょう」→「杜長」
「おくえん」→「憶円」
などを辞書登録しておいた。
辛いまだバレていないようだ。
(『辛いまだバレていないようだ』
「幸い」ではなく、「辛い」になっている。
つまり語り手のPCの辞書も
誰かにいじられている。