病院勤務中に経験したリアルな恐怖心霊体験談

恐怖の心霊体験談

大学を卒業してすぐ、高齢者病院の栄養室で勤務をしていました。
私は新人栄養士として、一日3食、食事を作り、患者さんに届けるのが主なお仕事でした。

ある日、朝食準備の前に、経管栄養剤をチェックしていました。

これは、患者さん一人一人に合わせて分注されているボトルについて、分量や名前が間違っていないか確認する、重要な作業です。
このチェックを、ある自動ドアの近くで行っていましたが、自動ドアのセンサーに触れないところで行っていました。

集中して作業を行っていると、突然自動ドアが「ウィーン」と開きました。
驚いて見回しても、誰もいません。また。自動ドアのセンサーに触れる範囲には、何も物は置いていませんでした。

「なんで開いたんだろう?故障かしら?」と不思議な気持ちで見ていましたが、そのうち静かに閉まりました。

その後、作業を続けましたが、自動ドアはそれ以降開きませんでした。
経管栄養剤のチェックを終え、各病棟へ届けに行きました。
すると、ある病棟の看護師さんが、私の姿を見て、急いで近寄ってきました。
「栄養士さん!うちの病棟の〇〇さん、さっき亡くなったから朝食止めてくれる?」

そういいながら、食事箋(食事の種類や食止めなどの連絡をする病院の用紙)を渡してきました。

そこには確かに、「死亡退院」の文字がありました。

私はとても驚きました。
というのも、その患者さんは自力で歩けた方で状態も安定しており、つい前日までしっかり食事を食べていた方でした。
食事中にミールラウンドに行くと、いつも笑いながら「今日もごはん、おいしいよ」と言ってくださる、とてもやさしい方でした。

実はその日は友引で、同じ時間帯に、同じ部屋の患者さんが先に亡くなったそうです。
そちらの患者さんはもともと食事が出ていない、状態が悪い方でしたので、栄養室に連絡はなかったのですが、看護師さんが言うには「今日友引だからね、●●さんが、同じ部屋の〇〇さんを連れて行っちゃったんだね」

と平然と言っていました。
また、亡くなった患者さんのうち、〇〇さんのご家族のおうちが、病室から見て東側にあったそうです。

病室から見ての東側、という方向にちょうど栄養室があり、私が経管栄養剤のチェックをしていたあたりが、通り道にあたるそうです。
看護師さんは、「〇〇さんが亡くなって、ご家族のところへ行こうとして、そこを通って自動ドアを開けちゃったんだね」

と言っていました。
平然と話す看護師さんはベテランさんで、きっとこの程度の経験はいくらでもあるのでしょうけれど、社会人一年目、病院勤務初めての私には、かなり怖い体験でした。