新入社員の時って、先輩方より早く出社し、机を拭いたり、備品を揃えたり、お茶やコーヒーの準備をしたりといわゆる雑用をする事があると思うんですが、いつも誰もまだ出社しない部屋から足音が「バタバタ」と聞こえていました。それも複数人がいっぺんに走り出すような感じです。
運動会やマラソン大会のような感じといったらわかりやすいかもしれません。
同期が4人居たんですが、みんな同じ事を感じていました。
朝来て、一番初めに鍵を開けるのは私たちなので、絶対部屋には誰もいません。でも音が中から聞こえるのです。こちらが鍵穴に鍵を差し込むと、ぴたーっと足音が止むのです。
そして、中に入ると誰もいない。
上の階は空き部屋。不思議で仕方ない感じでした。
私が一番初めの日はさらに不思議な事があります。
掃除された後があるのです。
ちり取りにゴミが入っている事が数回ありました。
それは、後にわかったんですが、ぐずでのろまな私を見ていた、女性の次長が前日簡単に掃除をしていてくれたんですが、ただ、足音については心霊現象のようでした。
2年程経ち、異動した先の営業所でも不思議な事が起こっていました。
ふと気がつくと、背の高い、青いロングのワンピースを着たキレイな女性が立っている気配がしたのです。
営業所の様子を見るわけでもなく、ずっと外の方を見つめて悲しそうな顔をしている事が多かったのです。
営業所の同僚に話しても誰も気づかないというので
これはまた小さいときからある、霊感、幽霊なんだろうと思っていました。
1年くらい経ち、転職していきた若い女の子の歓迎会を開いていた時、その子から、同じような話を聞いてやっぱりそうなのだと確信。
その子は私がOJTだったのもあり、気軽に私に話をしたんだと思います。
彼女も私と同様に、たまに青いワンピースの髪の長い女性が立っている気がすると。
誰も私たちの話を真剣に聞いてはくれませんでしたが、明らかに私たちは同じ現象を体感していたのです。彼女も幼少期から霊感があり、不思議な現象にあってきていました。
その後は、二人で、「今日もあの人居た」「今来ていますよね?」って日常茶飯事のように話していたのを覚えています。
私も彼女もすでにその営業所を異動で出ていますが、はっきりと姿がわかった幽霊に出くわしたのはその営業所以外、今までもありません。恨みがあるのか、本懐叶わず亡くなったのかわかりませんが、物凄くかなしい、寂しい目をしていたのは覚えています。