怖話短編集

恐怖の心霊現象から感動して笑える心霊体験など今まで見たこともない不思議な怖い実話エピソードが満載

不思議な体験談

子供の頃の不思議な出来事。空き家の隣の家で一緒遊んだのは誰?

霊感ゼロな私の唯一の不思議体験です。
我が家は毎年夏になると海のある街に住んでいる母方の実家へ10日ほど滞在するのが常でした。

当時は交通も便もさほど良くなかったので、朝早く自宅を出て祖母の家に着くのは午後6時頃、子供にとってもなかなかハードな旅程でした。

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私が小学1年の時だったと記憶しているのですが、その年も同様に祖母宅に着くと近所にいる親戚たちが集まってきて大宴会となりました。
旅の疲れと大人たちの宴会で私の疲れはピークに達し、みんなよりも先に奥の部屋で休んでいました。
疲れているとはいえ、いつもと違う環境のせいか眠りは浅く何となくずっと周囲の音が聞こえていたと思います。

その時、大人たちの笑い声とは別な笑い声がしたんです。
若い女性の声です。
その声は大人たちの声とは別の方向から聞こえてきました。
私は何かの気配を感じたのか、起き上がって開け放しになっている網戸から外を見てみたのです。

するとそこにある椅子に2人の女性が腰掛けて団扇で煽いでいる姿が目に入りました。
そこはいつもは祖母がお風呂上りに涼む場所でした。
だからはじめはてっきり祖母と母が涼んでいるのかと思ったんです。
でも、腰掛けているのはもっとずっと年若の女性。
子供の私から見てですが、高校生くらいかと思われました。
その2人の女性は何やら楽しそうに笑いながらおしゃべりしている様子でした。
やがて私に気がついたのか、ひとりが私に向って団扇で「こっち、こっち」と手招きするようにしたのです。

私は誘われるまま窓際まで行きました。
女性は腰掛けたままの状態で私に「どこから来たの?」と聞きました。
私が「○○から」と答えると、「へえー、ずいぶん遠くから来たんだねえ」と笑っていました。

2人はワンピースのようなものを着ていたと思います。
髪の毛は肩くらい、顔は暗くてあまりよく見えませんでしたが、でもやさしそうに笑っていたと思います。
その後の記憶は全く無くて、起きたらもう朝でした。
私自身もその出来事をすっかり忘れていたのですが、祖母宅に来て2~3日経った頃、ひとり庭で遊んでいるとその女性2人がいつの間にか側にいました。
私はその時ようやく夜の出来事を思い出したのです。

昼間に見る2人の女性は田舎の山育ちの私からすると、とても綺麗で垢抜けているというか、とにかく自分のまわりにはいない雰囲気を感じました。

昼間に見る2人の女性は田舎の山育ちの私からすると、とても綺麗で垢抜けているというか、とにかく自分のまわりにはいない雰囲気を感じました。の画像

「何してるの?」と話しかけられてすっかり照れてしまい私が答えられずにモジモジしていると、「さっきバトミントンしてたよね」と言ってきました。
たしかに1時間ほど前に、近くに住む従兄弟が来ていて一緒に遊んでいました。
「楽しかった?」と言われて「うん」とだけ答えたと思います。
それから女性に「うちに来ない?一緒に遊ぼう」と誘われたのですが、きれいなお姉さんにすっかり気後れして私はまたモジモジしながら「お母さんに怒られるから」と答えました。

「どうして?いいでしょ、隣なんだから」って言ったので、ああ、この2人は隣の家の人なんだな、と思ったのを覚えています。
でもお姉さんは「怒られたら困るよね」と笑いながらバイバイと手を振り隣の家に入って行きました。

その夜だったと思うのですが、大人たちが盛り上がって遅くまで起きていたので、私はまたひとりで奥の部屋で寝ていました。
笑い声で目が覚めて見るとまた2人が竹の椅子に腰掛けていました。
私が窓に行くと近くに寄ってきて少しおしゃべりしました。

本当に他愛の無いおしゃべりで、食べ物で何が好きかとかあそこのデパートに行ったかとか、ごくごく普通の話だったと思います。
翌日祖母に2人のお姉さんの話をしたのですがなかなか通じなくて。
祖母は耳が悪かったので私も諦めてその話は終わりました。

それから数日後、庭で遊んでいるとまた2人がやって来ました。
そしてまた「家においで」と誘われたのです。
躊躇していると「ちょっとだけ、お母さんに怒られないようにすぐに帰ればいいから」と、ちょっと強引でしたがきれいだしすごく優しいしで、手を引かれて隣の家に行ったのです。

そこは普通の家でした。ごくごく普通の家族が住んでいるであろう生活感のある家です。

そこは普通の家でした。ごくごく普通の家族が住んでいるであろう生活感のある家です。の画像

四角いテーブルに4つの椅子。
私の向かいに2人が座って、みどり色のソーダ水を出してくれてそれをストローで飲みました。
「美味しい?」「うん」
「お菓子もあるよ」「うん」
2人はテーブルを挟んで「可愛いね」、「本当に可愛いね」と私をじっと見つめていました。

何だか居心地が悪くなって「もう、帰る」と言うと、「もう少しだけ、いいでしょ、もうちょっとだけ」と押し切られました。
家の中では何をして遊んだという記憶はありません。
ただみどり色のソーダー水に、テーブルを挟んで私を見つめる2人のお姉さん、それだけの記憶。

帰る、もう少しだけ、そんなやり取りを3回くらい繰り返したと思います。
さすがにちょっと怖くなってきて「帰りたい」と言うと「そうだね、ごめんね、お母さんに怒られるよね」と言って、私の手を引き家の前まで届けてくれました。
「バイバイ」最後に見た2人はそう言って笑っていました。
祖母宅に帰ると母から「ひとりでどこに行ってたの!みんなしてずっと探してたんだよ!もう少しで警察行くところだったんだからね!」と大激怒されました。
「隣に行っていた」と答えると、祖母が隣は空き家だと言います。
1年ほどずっと空き家だったと。

でも私は間違いなく隣の家に行っていた、隣のお姉さん2人とソーダ飲んでお菓子食べたと訴えました。
「そういえば、この前もあんた隣のお姉さんがどうって言ってたんじゃなかった?」と祖母。

「近所にそんな人いないから何言っているのかと思ってたんだけど、なんか勘違いしてるのかね?」

2人の話をした時に祖母と話が通じなかったのは、耳が遠いんじゃなくてそんな人が近所にはいなかったからだったんです。

2人の話をした時に祖母と話が通じなかったのは、耳が遠いんじゃなくてそんな人が近所にはいなかったからだったんです。の画像

「本当だもん、本当にお姉さんと一緒にいたんだもん」と泣きながら訴えるも、母は私が言い訳に嘘をついていると決め付け、とにかく心配したみんなに謝りなさいとし言うばかりでした。

結局、私が号泣しながらみんなに謝りました。
その一件があってから2人のお姉さんは私の前に姿を現すことはありませんでした。
その後は母の厳しい監視の下、ひとり遊びも隣の家を覗きに行くこともできず、私は子供心にも腑に落ちない思いを抱いたまま自宅へと帰り、その出来事を思い出すこともありませんでした。

私が中学生くらいの時だったと思いますが、ある日母が急にその出来事を蒸し返してきました。

「そういえば、あの隣の家ね、少しの間だけ人が住んでいたの思い出したっておばあちゃん言ってたよ」と言いました。
何でも家の建て替えだかで数か月だけ人が住んでいたというんです。
しかも女の子が2人いたと。
同じ地区に住む親戚から指摘されて思い出したそうです。

でも、そこの家に住んでいた間にその家族に何かしら事件だとか事故があったとかいうことは一切無く、建て替えが終わり普通に自宅へ戻って行ったそうです。
なので何かしらの恐怖体験だったとか、心霊体験だったとかいうわけでは全然ないのですが、とにかく不思議だったなという話です。
もちろん、私以外にその2人の女性を見た人はひとりもいません。
でもあの時のみどり色のソーダ水の色は今でも鮮烈に記憶に残っています。

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