子供のころ、山ばかりの田舎の町に暮らしていました。当時通っていた中学校は新設割れたばかりでとてもきれいでしたが、山を切り崩してできた校舎で噂では墓地があった場所でもあったと言われていました。
心霊体験とは他に、カラスが夜のうちに校舎に侵入し廊下に羽がたくさん落ちて死んでしまっていたり不可解な現象は多くありました。
そんな不思議な現象が起こる中学校に通っていた私は吹奏楽部に所属しており、練習場所は校舎の奥の方の山に一番近い教室を使用していました。部員数名と一緒に練習をしていましたが、たまたま教室に一人になった時でした。急に周りの音が消えて一気に静かになった様になり、ふと顔をあげて正面を向きました。
目の前の窓ガラス越しに髪が長く、白い着物を着た女性がスーっと前を横切って行きました。窓ガラス2、3枚分程通ったあとすぐに消えてしまいました。一瞬のことだったので、ボーっと眺めているうちにいなくなっていました。当時はその女性が何者なのか全く分からず、不思議に思っただけだけで「幽霊であった」や「怖い」という考えには至りませんでした。目撃したのはそれ一度きりでしたので、すっかり忘れていました。
高校生になり、中学の吹奏楽部であった友人と会う機会があり
中学時代の心霊体験の話題になりました。その友人は、校舎の奥の方の教室で、女性の幽霊を見た。と話し始めました。すっかり忘れていましたが、私も同じような人を見たような記憶があり、詳しく話を聞いていくと、私が中学生の時に見た場所と同じ教室で、同じ長い髪で白い着物を着た女性であるというのです。
それを聞いた瞬間当時の光景が一気にフラッシュバックしてきました。当時は怖いとも何とも思いませんでしたが、同じような人を目撃した人がいてやはりそれが幽霊だったとわかった瞬間に怖さが倍増しました。実際に経験したのは3年程前の事なのに、その時見たかの様に背中が寒くなりゾクゾクしました。
子供のころからテレビや人から聞く怪談や心霊現象の話は怖くて嫌いでしたが、自分自身が経験したことはありませんでした。中学生の時に実際に心霊体験をしてみてもそれが幽霊なのかどうかが分からなかったので不思議に思うだけでした。中学生のころでも分からなかったとすれば、もっと子供でもっと無知なころには知らず知らずのうちに幽霊やそのようなものにあっていたかもしれないです。無知であることがある意味ありがたいと思います。