私自身さほど霊感が強いとは思っていません。だから初めてこの体験をしたときは ちょっと驚いたし、私にも霊感があるのかも~!と 嬉しいような特別になったようなきがしたのです。
初めてのときは、主人の友人夫婦の結婚式の日でした。
あれは夏の結婚式で朝から蒸し暑く、私はすでに頭痛であまり調子がよくありませんでした。新郎側が教会関係者に知人が多かったので午前中のミサはかなり丁寧に2時間近くかかり、私はもう頭痛が耐えられないくらいでした。披露宴は郊外の大きな5つ星ホテルでのアペリティーヴォと夕食、と長い夕べになるはずでした。
私は頭痛薬を飲んで夫と当時8歳の長男、新生児の長女と参加しました。アペリティーヴォの時間は夕刻でホテルの庭でカクテルを飲みつつ おつまみを食べる、というくつろぎの時間でした。井戸の周りにたたずむ年齢も様々なご婦人方の中に、その中でも一番年配っぽい女性(跡で分ったのは彼女は新郎の祖母でした)の見え方が他のご婦人方と違うのです。
トーンがぼけていてちょっとセピア色が混ざったような?感じにみえたのです。でも”年配の女性だからこんな風にみえてもしかたないのかな?時間帯が夕刻だから光のいたずらかな?と思い気にしないことにしました。でもどうして彼女だけあんな見え方をしたんだろう?
その後招待客はだんだん室内のレストランへと誘導されて入っていき、前菜のお皿が配られ始めました。私はここまではいたのですが、頭痛に耐えられなくなって、新生児の長女と一緒に夫に頼んで自宅に送ってもらいました。
(自宅は幸運にも近かったのです)ここから先は 夫と7歳の長男によって翌朝語られたものです。「あの後 どうなったと思う?大変なことがあったんだよ」「え?なんだろう。わからない」夫がホテルに戻って小さなオーケストラも入り、ざわざわとかなり騒がしかったらしいです。
ある時、夫達のテーブルのはるか遠くの方で何かあったような気配が伝わってきたらしいです。夫は最初は「誰かが何かをこぼしたんだろう」くらいにしか思っていなかったようです。でも、だんだん場の静けさが夫のテーブルに伝わってきました。オーケストラも演奏をやめ、ほどなく遠くから救急車の音が聞こえ、救急隊員が入ってきました。
この頃には新郎の祖母が倒れたらしいということがわかったようです。シンとした宴会場に救急隊員が彼女に取り付けた心音の音がピッ、ピッと鳴り響いていました。あれだけの大人数いる会場がシンと静まり返って、ただ心音が響いているという妙な光景だったらしいです。
そのうちに心音の間隔がおかしくなり、ピーーーー、、と。新郎の祖母は亡くなったのです。私はびっくりしました。夕刻彼女の見え方がちょっと他の人達と違っていたのは、このことに関係あるんだろうか。この件からしばらく経ちました。
自宅の窓からふっと外を見ると同じマンションに住む老夫婦が
仲良く腕を組んで歩いていました。すると、おじいさんの方だけ例の白っぽいベールにかかったような見え方をしているのです。あ、もしかしたら彼もまもなくお迎えにくるのかな。案の定、数日後彼は心臓発作で救急車で運ばれ亡くなりました。信じられない!私って何か人に見えないものが見える?
その後 私達は手狭になったマンションから少し広いマンションへと引っ越しました。私達は2階にすんでいます。1階にはおじいさんが住んでいまして、ときどき自分の庭のベンチに腰掛けてタバコを吸ってくつろいでいたりしているのをよく見ました。その日、このおじいさんが例の見え方に変わったのです。あ。。。
このおじいさんもお迎えが来てるのかな、って思いました。この日の夕方おじいさんは「なんだ、子供達のおしゃべりがうるさくて、やかましいんだ」ってぶつくさ言っていました。子供達って私達の子供2人しか居ないし、彼らはそんなに大声だすタイプじゃないし。でも私の子供達への不平を言われるのは嫌だし、知らん振りしとこ、とその場を去りました。
この日から数日後 おじいさんが救急車で運ばれ病院でなくなりました。この子供達のおしゃべりって もしかしたら天使達が彼をお迎えにきてたのでは?なんて 思っちゃいました。最後は仕事先での出来事です。彼も年配で血液関係の病気で2週間に一度透析だか輸血だかをしなくてはならないのでした。
その日遠くから私の方にやってくる彼の見え方が、例の見え方でした。あ、、ついに彼にもお迎えがやってきたのかな、と思ったのですが、お迎えはすぐにはやってきませんでした。それから6ヶ月経ってからでした。これらは10年前の出来事で、今はこの見え方がありません。何だったのでしょうか。