怖話短編集

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不思議な体験談

取り壊される古い校舎でのお泊まり会で私が体験した不思議な夜のお話

小学5年生の時の話です。私の通っていた小学校は130周年という長い歴史のある学校でした。しかし、少子化や校舎の老朽化(当時話題となったアスベストも使われていました)に伴い、近隣の比較的新しい小学校に吸収合併されることとなりました。

卒業を間近にしながら思い入れのある校舎と離れなければならないなんて可哀想だと考えたのか

取り壊される古い校舎でのお泊まり会で私が体験した不思議な夜のお話の画像

主に5,6年生を対象に「さようなら〇〇小キャンプ」と称したPTA主催のお泊まり会が取り壊し直前の夏休み中に開催されたのです。お泊まり会では家庭科室でご飯を作ったり、校舎全体を使った肝試しをしたり、各々好きな教室に布団を敷いて寝たりと、馴染みある校舎での非日常的な体験に私たちはとても楽しい時間を過ごしました。

2日目の夜、私を含めた仲良し5人組は自分たちの教室である5年2組に布団を敷いて並んで眠っていました。5年2組の教室は4階建て校舎の3階にあり、渡り廊下で1番古い旧校舎(とはいえ理科室などがあり、現役で使用されていましたが)とすぐに行き来できるような場所に位置していました。

夜中の2時過ぎだったかと思います。トイレに目の覚めた私はみんなを起こさないよう静かに教室の引き戸を開け廊下に出て、ギィギィ鳴る木の廊下をそろりそろりと忍者のように歩きました。

6年生の教室の前にある女子トイレで用を足し(トイレでは何も怖いことは無かったんですよ)、再び廊下に出るとふと違和感を覚えました。
はて、私は今5年生の教室側から来たはずだけれどどうして廊下の先があんなに遠くにあるのだろうか…

田舎の過疎地域で各学年2クラスずつしかなかった私の母校では5年生と6年生は同じ階に教室がありました。
5年2組に泊まっていた私が6年1組と2組の間にあるトイレに向かうのには、たった1つの教室分しか移動する必要はありません。
5年1組の教室を勘定に入れたとしても廊下の先が黒く見えないほど遠くにあるのです。
夜中の学校のトイレに向かうのになんの躊躇もないような私も流石に背筋が寒くなりました。

寝ぼけているのかもしれないと己を励まし、月明かりに照らされる木の廊下を歩き出しました。

寝ぼけているのかもしれないと己を励ましの画像

妙に静かな後者に私の歩くギィギィという音だけが鳴り響いていたのをよく覚えています。ここが6年2組、1組、太い柱があって、石作りの水飲み場があって、5年2組………あった。私の泊まっていた5年2組に到着し、教室後ろの扉についている小窓からそっと中を覗きました。居ないのです。仲良し5人組と保護者1人で横に並んで寝ていたはずが、私以外の全員が誰一人。唯一教卓だけが黒板の前に鎮座しているだけの、がらんどうの教室。もう一度上の看板を確認するも、やっぱり5年2組。
おかしくなるのではないかというほど心臓がバクバクなり、指の先から血がスっと引くような感覚がしました。

取り壊されるこの校舎が子どもを恨んであの世かなにかに隠されてしまったのか、肝試しなんかしたから学校の幽霊を刺激してしまったのか
怖くて怖くて、このまま永遠に元の世界には戻れないかもしれないと絶望にうちひしがれました。
が、夜中の学校のトイレに一人きりで行くくらいには肝の座っていた私はものの数分で開き直り、色んなとこを覗いてみたら案外人が居るかもしれないと校舎内を歩き回ることにしました。

とりあえず誰かしら居そうな職員室へ行ってみようと階段を降りて1階へ向かいました。
1階には昇降口と、給食室、職員室、家庭科室がありましたが、人は見当たりませんでした。
昇降口から外に出ようにも鍵がかかっていて出られませんでした。今思えばそれもおかしな話で、内側から開けられないような鍵では無かったはずなんですよね。

困り果て、再び5年生の教室のある階へ戻りました。
ほんとはとてつもなく嫌な感じがして目を背けていた旧校舎への渡り廊下。
そこも月明かりが入るはずなのに真っ暗にしか見えなくて、本能的に行ってはいけないと思ったのを覚えています。
行きたくない、でもそこに誰かいるかもしれない。
ウンウン唸って立ち尽くしていると後ろから「どうしたの?」と声をかけられました。

心臓が止まるかと思うほど驚いて振り向くと、そこには5年2組担当のPTAの保護者の方がいました。
安心して半泣きで事情を説明しましたが、寝ぼけてたのね(笑)と手を繋いで教室まで一緒に戻ってくれました。
私が教室に戻ると、時刻は3時15分。
1時間以上も歩き回っていたのだと驚く私に保護者さんがこう言いました。
「私どうしても眠れなくてずっと起きて携帯をいじっていたのに、〇〇ちゃんが教室出たの知らなかった。時々顔上げてチラッと見た時確かに5人いたのになぁ」

私の代わりに布団で寝ていたのは誰だったんでしょうか。

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