それは私にとって恐怖だけでなく謎を残した体験でした。
島根県在住。Uさんの体験談。
「金縛り」と聞けばたいけい恐ろしいとか、体が動かないなどといいますが私の場合は妄想が起こりやすい質だったせいか音つきだったのです。
その晩私は夢の中で横たわっていました。この段階では小さな子どもが自分を取り巻き、私の体をやわらかな手付きで触れているという謎の状況だったのです。
私はむしろ快適な思いで逃げようとは感じずなんだか気持ちがいいわとむしろ心地よい感じに身をゆだねていました。
ところが場が一変して私に対していきなり子供ではなく恐ろしいものが近づいてきたような感覚に意識が覚醒しました。
私は体が動かないと同時にパニック系のホラー映画に使用されるような音楽が流れているのを感じました。
それはきっと私の心象が自分の頭に作り出したホラーのイメージを表現したものだったのではないかと思います。
体が動かないことに動揺したのもそうですが音楽の他にどうも奇妙な気配を感じるのです。ただそれは長く続かず怯えて過ごした8分ほどの短い時間に私は冷や汗をかきつつ恐怖で耐えているだけでした。
その後私が大学をやめ、定職についていない頃に夢見が悪かったせいでしょう。金縛りにあったのです。
ただ二度目のせいか私はその金縛りにある意味反抗しました。
私の金縛りに関しては再度聴覚に関わる体験がついてきました。今度はピエロのような、人をあざけ笑う声と恐れている私を挑発して小心者と嘲るような言葉でした。
動けない!と気づいた瞬間にまたか、と心は不安におそわれました。親が襖越しに寝ているため声を出せば勝てる!というより親にはきっと私が聞いているこの声は聞こえていないから絶対私にしか聞こえていない声を不審に思うなんてことはありえないと感じて必死に声を出そうとしたのです。
か細い声でしたが声がとにかく少し出たその瞬間から体にきちんと動く確信がもて実際ゆっくり金縛りはとけました。
恐ろしい白昼夢も見ました。
ただこれは本当に夢を見るような睡眠がとれていない、睡眠障害の頃の体験なので精神的な影響に違いないと思います。
私はスーパーマーケットの駐車場で少し眠気をとるために寝ることにしました。すると車の後部座席にどんどん何か入ってくるのです。
気配は人なのですが現実にはありえません。私は車をとめて目を閉じてうとうとしていたのですがもう目は開きませんでした。恐ろしさで必死に目を開けようとするのに全然開かなかったのです。
慌てて開けれたのは三分ほどしてからで誰も後ろにいませんでした。