学生生活が終わり就職活動を経て
大阪府在住。Fさんの体験談。
企業に勤務をする事になりましたが、親元を離れて地方で一人暮らしをする事になりました。初めての一人暮らしでアパートで生活をしましたが、思い出しても怖い体験をしてしまい霊の存在を知りました。
自分で住居を見つけて暮らさなければいけなかったのですが
大学を卒業後に企業に勤務をする事になり研修を兼ねて地方勤務を命ぜられ、社会への第一歩が始まりました。
当時は20そこそこの年齢でお金も持っている訳ではありませんでしたし、良い暮らしをする程の身分ではありませんでしたので、なるべく易いアパートを探す事にしたのです。
会社が家賃の6割を負担してくれる事になり、簡易的な手当てが出た状態でしたが支出を抑えて家賃を抑える為に、築40年以上が経過したアパートを見つけ出し暮らす事にしたのです。
2階建てで10室の賃貸物件で見るからに古そうな物件です。
6畳一間と4畳半の二部屋でしたが
家賃も4万円と安くなっており、古いですが初めて自分の城を構えた気持ちになり、仕事をやり遂げる為に数年はがんばる気持ちで新しい生活をスタートする事にしました。
毎日アパートから仕事場までの往復で殆ど自由時間も取ることができませんでしたので、アパートには寝る為に帰っているような状態でした。
月日は流れ半年を過ぎた頃に学生時代からの友人が遊びに来る事になり、私のアパートでゆっくりする事になったのです。
駅まで迎えに行きアパートの前まで来たのですが友人の仕草がおかしく、アパートを見上げては周りを確認するように不安な表情をしており、アパートに入りたがらないのです。
何かが居る様な感じで気持ち悪くて入れない
と言い出し、足が止まって敷地内に踏み入れようとしないのです。
嫌がる友人を考えすぎだと諭し部屋に招き入れたのですが、さらに友人は変な事を言い出し、誰かが見ていて何かが居ると言い出しました。
始めは冗談だと思いましたし、感性が豊かで想像力があるのかなと思いつつ、気にするなの一言で、その場を過させました。
2時間程して友人は帰って行きましたが、夜の12時を回った頃に就寝の為に布団に入る事にしました。
夏の暑い時でありましたし冷房も無いアパートだったので扇風機を点けて寝ていたのですが、羽の回転をする音に混じり畳の上を歩く音がしたのです。
ガラガサという音と床の軋むミシミシと言う音が聞こえ誰かが居るような気配がしました。
振り返って見てみると誰も居ないので勘違いだと思いましたが、なぜか布団を被ると聞こえ始め振り返ると音が止むのです。
こんな事が何回か続き気持ち悪いと思っていたのですが
窓際に掛けてあるカーテンに長い髪の女性の姿がはっきりと映り、あまりの恐怖に悲鳴を上げ布団に潜り込みました。
心臓の心拍数も上がり脈を打つのが感じられますし、足にも力が入らず完全に怯えている状態でした。
カーテン越しに女の人を見てしまい、味わった事のない恐怖に引きつりましたが、今度は布団の上に人が乗ってくる感触があり、怖さのあまり布団の中に潜り混んでいました。
布団を引き剥がされるような感じがしたので、中でしっかりと握り締め剥がされないように耐えていました。
2時間以上はこの状態が続いたと思いますが疲れたのか寝てしまい、朝起きた時に改めて昨晩の恐怖が蘇ってきました。
友人が嫌な感じがすると言っていた事もありますし、何か霊的な事を感じ取っていたのだと思います。
しばらくは電気を消して寝る事ができませんでしたし、思い出しても身が凍る出来事でした。