数年前までは、よく金縛りにあっていました。通常は、体が動かなくなるだけなのですが、この時だけはその時間も雰囲気も恐怖感も全く違うものでした。寝ている私の上を、黒い何かが這い上がってくるのを感じ、息苦しさも通常のものとは大きく違ったのです・・・
あれは、数年前の夜中2時頃でした・・・
いつも通り、床につき、いつも通りの睡眠をとっていました。
私が金縛りにあう時は、大抵夢の中で金縛りにあう自分を客観的に見ていることが多いのですが、この時も寝ているはずなのに何となく金縛りにあうことがわかりました。
金縛りにあう時は、いつも「そろそろか・・動かなくなるな・・」と思った後、とにかく大きな声で「あーーーー!!!」と叫びます。
そうすると、少し時間がかかる場合もありますが、少しづつ体が動き始めます。その時も、「あーそろそろ来るなぁ・・・」と思ったところまではいつもと同じでした。
しかし!そこからが大きく違ったのです
叫ぼうと思っても声が出ない・・・息苦しさがいつも以上・・・そして、何より体に重さを感じる!!!今まで、味わったことのない恐怖が私を襲いました。
この時ばかりはどうすることも出来ない・・
こういう時は、なぜか頭はものすごく冴えて起きています。「えっ!どういうこと???どうすればいい???」不安と恐怖で半ばパニック状態です。そんな時、次に考えるのは・・・「目を開けるか否か・・・・」
いつもなら、ある程度声が出れば一度目を開けて、大きく深呼吸をして、また睡眠に入ります。ただ、この日ばかりはかなりの葛藤がありました。だって、いつも感じない体の上に誰か乗っている感じが凄く伝わってくるのです。
葛藤すること数秒~数十秒ぐらいでしょうか・・・意を決して、目を開けることにしました・・・目を開けた瞬間、足元に黒い影が立っているのが目に入りました。「あーー、やってしまった・・・」
そこから黒い影が足を掴み私の上を登ってくる感触が伝わってくるのです
一つよかったことは、目が金縛りにあっていなかったことでしょう。恐怖を感じた瞬間に目をつぶることができました。
ただ、もう目の前に顔があるんじゃないかという感覚が、何となくわかるぐらいはっきりとその黒い影が登ってきているのを感じました。「俺はどうなるんだ?もういいや。とにかくやれることをやるしかない!!」
そう考えた私は、もう一度大声を出せないかチャレンジしました。最初は、かすれたような声で「あ・・あ・・あ・・」という感じでしか声は出ません。まだまだ、体は全く動きません。重さも感じたままです。
「頼む!声よ出てくれ!!」必死の思いで、声を出すように口を開きました。次の瞬間、やっと「あーーー!」と声を出せるようになったのです。それと同時に、金縛りがとけました。
体は汗だくで、息苦しさは残っていましたが、ゆっくりと目を開け、恐怖のあまり眠れないと感じたため寝室の電気をつけました。それ以来、同じような金縛りにはあっていません。本当に、怖い体験でした。