独身の時に深夜帰宅の際に女性の霊を見た恐怖の実話体験談

恐怖の心霊体験談

これは私が独身の時です。今の会社で、当時イノベーションが色々と画期的でした。業務で使用する機械のシステムや仕事の取り扱いの変更等、当時の上司が「若いうちに色々吸収し覚えておけば君の為になる。」と言われ県外のS県の研修所兼支店がある場所へ一か月の出張兼研修へ行きました。

今でもありますが大きな建物と研修と仕事ができる素晴らしい施設です。

W市という所にあり、列車も多くアクセスしやすく、休みの日は1h以内で大きな街に遊びにも行ける気候も自然もある程よい良い所でした。研修では全国の私と同じような仲間達と一緒で授業や実技等をやりました。

よく飲みに行ったり遊びに行ったりしていました。研修所は本当は寝泊りができるのですが、私の行ったときは老朽化で一部しか使えない。全員が寝泊りは駄目でした。私は会社が用意してくれたマンスリーアパートで寝泊まりしました。犬種所から歩いて3分もかからず楽でした。仕事が終わり研修所で食事か、仲間達と外食、または遊んで帰って風呂入り寝るという生活でした。

人の出入りの激しいマンスリーでしたが余計な気遣いもなく過ごしてました。ですが、妙にこのマンスリーアパートの周りの雰囲気が暗いというか、湿気とか建物のせいなのか行った時期は春から夏に入る間というのにやたら涼しく寒い。梅雨に入ったわけでもなく何か変だと思う時がありました。特に夜。帰りが何となくですが誰かにみられているというか視線を感じました。

私は用心深いので帰り道は振り返ったり、部屋に入る際も辺りを見てから入りましたが特に不審者も居ませんでした。住んで10日くらいたった時でしょうか?週末で休みで昼過ぎに起きて腹が減り、アパートを出てコンビニに行こうとした時でした。アパートの前の家の主婦のおばちゃんが掃除をしていました。部屋から出てくる私を見て近づいてきました。

「ねえ、あなた。ここに住んでるの?」と聞かれ、私は軽く自分の事情を話しました。するとおばちゃんは「…そう。今、貴方や数人しかいないみたいだけど。夜は気を付けたほうがいいよ。この付近は…」と意味深な事を言ってきたのです。私は何故と聞こうとしたら、おばちゃんの女性友達が声を掛けてきたので私はその場を去りました。聞きたかったのですがいつの間にか忘れてしまいました。

私の研修も20日過ぎました。

最後の追い込みで一番大事な核。授業や機械、端末を使用した訓練が大変でした。覚えることや教官の熱さや叱責で殆どの者が残業で夜9時ぐらいまで居ました。飯食って寝る、帰るの繰り返しでした。
 ある日、次の日は休みだったからよかったのですがシステムの修正のマニュアルやオートの最後の訓練が非常に長引き終わったのは夜の23時でした。本当は仲間達と飲みに行く予定でしたが全員ぐったりでそんな気力も湧きませんでした。研修所の食堂も流石に閉まっていて各自で食事。皆それぞれの場所に引き上げました。

私は所を出て仲間と分かれてコンビニでご飯を買い、アパートに向かいました。暗い夜道で人も全然歩いてませんでした。私は最初は何気なく歩いてましたがふと誰かに見られている…と感じました。後ろを振り向くと誰も居ない。おかしいなと思い歩いてふと電柱付近の大きなカーブミラーを見たのです。すると髪の長い灰色の服を着た女性が映り、私の後ろを離れて歩いているのが見えました。(えっ!!)とびっくりして後ろを見ましたが誰も居ません。

私は不気味に思い小走りでアパートに向かいました。アパートに近づき、ふと一台の軽自動車の窓ガラスをふと見ました。すると黒髪の顔が隠れた女性の姿が一瞬映ったのです。キョロキョロ見回しますが誰もいません。いたずらにしては気味悪すぎる。私は部屋の鍵を開けて入りました。真っ先にリビングのカーテンを閉めようとした時でした。
窓ガラスに青白い顔をした黒髪の女性がべったりと手と顔を付け張り付いているではありませんか。しかも上半身は見えるけど、下半身は見えない。

「うわあああああ!!」私は怖くて絶叫しカーテンを閉め電気を点けました。部屋の中は何故か冷凍庫にいるような寒さでした。ドアがノックされました。恐る恐る出ると隣の部屋の人でした。「何かありました?」心配してくれて来てくれたのです。中年の男性に事情を話し、一緒にアパートの周りや付近も見てもらいました。が、女性の姿は見えませんでした。男性に礼を言い、部屋に入りました。怖かったです。が先ほどの部屋の寒さは無くなってました。私はテレビを付けて電気を消すことなく布団に入りました。何かあったらいつでも出るように。警察にも連絡できるようにと備えてましたがいつの間にか眠ってしまい朝になりました。

朝になり私は、ふとアパート前のおばちゃんを思い出しました。部屋をでるとおばちゃんは玄関の花壇に水をやってました。私はおばちゃんの所に行くと、「あら、何かにあったみたいね…」と静かに深く溜息をついて話してくれました。
 以前マンスリーアパートの跡地はボロのアパートでした。そこにはお金はないけど貧乏なあるカップルが住んでいたそうです。男性は売れない画家で女性は生活を助けるために働いていたそうです。ですが画家の男はギャンブル好きで競馬やパチンコにハマり借金を作る。それを止めるように進言した女性を暴力で殴っていたそうです。ある日喧嘩になりもつれ合い、女性の包丁が男性の腹部を刺して病院に運ばれました。

女性は部屋で悲観したのか首つりし部屋に火を放ったそうです。アパートは半壊し取り壊し。しばらくマンスリーができるまで更地だったそうです。その時の女性の風貌が黒髪で長く灰色の服を着ていたとのことで、周りの人はその女性の霊を見るようになったと教えてくれました。

「私の所もたまに出るのよ。まあ害はないから大丈夫だけどさ…」と笑いながら言ってくれました。その後は何事もなく研修が終わり地元に帰りました。
 先月数年ぶりにそのS県の研修所に2泊3日の研修に行きました。まだ私が過ごしたマンスリーアパートはありました。今はあの付近がどうなっているかわかりませんが、近づきたくないし考えたくもありません。あの時私が見た物体験したものは女性の霊だったと思います。アパートの窓ガラスに映った女性の形相が何か叫んでいるような顔つき。今でも脳裏に焼き付いて忘れられません。本当に怖かったです。