無職でパチンコばかりしているどうしようもない彼氏から暴力を振るわれそうになった私。そんな私に味方が現れました。それは、初めて会ったおかっぱ頭の女の子。昼寝をしていた私を起こして、危機から救ってくれようとしてくれました。
これは私が20代前半の頃の不思議体験です
当時、ひとり暮らしをしていた私には彼氏がいました。10歳年上彼は、寿司職人だったのですが、転職したばかりの新しい職場が合わないからとすぐに辞め無職の状態でした。
以前からの趣味であったパチンコに毎日通い、負けたら機嫌が悪くなり、勝つと無駄に散財してばかりでした。
そんな彼氏が私のひとり暮らしをしているアパートに転がり込んできて、半同棲状態になりました。
私はもちろん仕事をしていましたし、毎日規則正しい生活を送っていたのに、彼は無職で昼夜逆転の生活、はっきり言ってとても迷惑でした。
以前から、きっとこの恋愛は長続きしないだろう、別れるならば早く別れた方が良さそうと思っていました。
そんなある日に何が原因だったか忘れてしまったのですが
出勤前にケンカをしたのです。
覚えてないくらいなので、きっと些細なことから始まったケンカだったのでしょう。
しかし、彼の怒りは頂点に達したようで、一瞬何が起きたかわからないくらいのスピードで、私の目の前を拳が横切りました。殴られる寸前で、私は避けたのです。
もうこうなったら逃げるしかなく、私はバッグを持って玄関へ走りました。彼は当然追いかけて来ました。
私が靴を上手く履けずモタモタしている隙に玄関へやってきた彼に、蹴られました。かすった程度なので大した痛みもなく、そのまま私は逃げるように仕事へ行きました。
その日は、ほとんど仕事に集中出来ず、家に帰ったらどうなるんだろうという心配ばかりしていました。
きっと、昼間はまたパチンコに行ってるはずで、もし負けていたならまた機嫌が悪いのです。
悩みましたが、とりあえず家の外から部屋に明かりが点いているか見てみようと家に帰りました。明かりは点いていなかったので、家に入りました。
結局その日彼は帰って来ず私は次の日仕事が休みだったので
家でゴロゴロしていました。
いつの間にか寝てしまっていたのでしょう。
トントンと肩を叩かれ、
「起きて!帰って来るよ!」
と、耳元でささやかれたので目を覚ましました。
その瞬間、目の前におかっぱ頭の女の子がいたのです。
誰?と思う暇もなく、玄関がガチャと開けられ彼氏が入ってきました。昨日のことは何もなかったかのように、いつも通りの態度でした。
私は、彼氏に気を取られていましたが、ふと思い出し、周りを見渡しましたがすでにあの女の子はいませんでした。
きっとみんな同じようなイメージを抱く、いわゆる座敷童子のような女の子。
彼氏に殴られそうになった私を見ていて、助けてくれようとしていたのでしょうか。
早く起きて身構えた方がいいよ、と言いに来てくれたのでしょうか。
それっきり、女の子に会うことはありませんでした。
しかし、今後も同じような状況になったら、今度もまた助けに来てくれるかもしれないと、私の味方がいるような気がして少し安心した不思議な体験です。
その後、彼氏とも無事に別れることが出来ました。