テーマパークのお化け屋敷で体験した怖い話

不思議な体験談

もう10年ほど前の夏になるかと思いますが、友人たちと行った近くのテーマパークのお化け屋敷での体験です。あらかじめ、その化け屋敷の内容は告知されていたのですが、どう考えてもそれに書かれていないような出来事を体験してしまいました。

決して私は心霊体験やそういった現象を感じやすい人ではありません

ごくごく普通の感覚の持ち主です。ただ信じない訳でもないですし、信じ過ぎる事もありません。

このお化け屋敷での体験をした時も、夏になればちょっと肝を冷やしたい、みたいな遊び感覚で友人同士誘い合って予定を決め、様々なアトラクションがある近くのテーマパークに決めたことを覚えています。

友人たちも小学校や中学校からの友人で、私と同じくみんなごくごく普通の感覚の持ち主ですし、以前も心霊体験をしたとか聞いたことがありません。当日も本当に楽しみにしていて、アトラクションのあれをしたい、これをしたいと言いながら並んで順番待ちし、いくつか段取りよく回っていました。

「そろそろお化け屋敷行ってみない?」

と友人の一人が言ったので、特に反対する者もおらず入口近くまで行きました。さすがに季節が夏ということもあり、かなり大勢の人たちが順番待ちしていました。待ち時間1時間半・・。

こういう時はただ我慢して待つしかありません。いよいよ待ちに待った順番が回ってきました。出口から出てくる人たちは、「チョー怖かったね」とか「あんまりもう一つだったね」、ギャーギャーと泣きながら親にしがみついて出てくる子もいました。

「まぁまぁ怖そうだね」と言い合いながら入り口から入っていきました。当然のごとく、中は真っ暗です。一寸先は闇とはこのことでしょう。友人同士の声と、先に入っている人たちの声が耳に入っていきます。

時折「キャー!」や「ごめんなさーい!」と悲鳴が響き渡ります。

私たちもどちらかというと怖がりですので、悲鳴にならない悲鳴や、腰が抜けてカックンカックンしてしまったりと、順路を這うようにして進み、友人らと共に支え合いながらそれでも楽しんでいました。

真っ暗闇の中に居続けますと目が慣れてきます。しかしながらお化け屋敷の順路って時折曖昧な場所が合ったりして、次にどちらへ進んで良いものか迷うことがります。何となく次はこちらかな?といった感じで進んで行きました。

しばらく進んでいますと、先ほどとは何かが違うのです。「何が違うのか?」少しの間分かりませんでしたが、さらに進むにつれて分かったことがありました。

先ほどまで私たちを驚かせてくれていたお化けが全く出現して来ないのです。友人たちと顔を合わせて、「全然お化け出てこないね」「順路間違ったんじゃあない?」など、おかしいことになっていました。

順路の際は続いているようなのですが

なぜかこの瞬間、これ以上進んではいけないような気がしてきました。不思議と私たち全員そう思ったようです。「引き返そうよ」ということになり、来た道を引き返しました。

2~3分ほど歩いたでしょうか。また遠くから他の人の声や悲鳴など聞こえてくるようになり、今まで通りお化けが出現する所まで戻って来ていました。そこから出口まではそう遠くはありませんでした。

出口に到着すると「あの途中の順路は何だったんだろうね」という話になり、「もしかしたら知らず知らずのうちに、入ってはいけない関係者の通路に入り込んでしまったのかも知れないね」と言いました。それでも腑に落ちませんので、近くにいたお化け屋敷の関係者にも話をしてみましたが、そのような順路は無いらしいです。

もしかしたら、開いてはいけないトワイライトゾーンが偶然に開いたのかもしれません。そしてあのまま進んでいたとしたら、二度と出て来れなかったのかもしれません。