「トイレの花子さん」は誰でも知っているのではないでしょうか。実際に行ったことがあるかどうかは別としても一度は、流行ったことがあると思います。
もちろん私が幼いころにも流行ったことがありました。
トイレの花子さんは、その地域ごとに少しずつローカルルールはあると思うのですが、当時の私たちが知っていたものは三番目のトイレで三回ノックを行い花子さんの名前を呼ぶというものでした。
私もトイレの花子さんを行ったことがあったのですが、まだ幼稚園に通ってたことだったこともありとてもアバウトな方法で行っていたと思います。
当時幼稚園に通っていたころ仲が良かった友達(Mちゃん)と二人でトイレの花子さんを行っていたことがありました。それも1回だけ行てみたということではなく、私もMちゃんもハマると飽きるまでずっと行ってしまうという性格をしていたので毎日のように思い出しては行っていました。
ですが、ある日を境に全く行わなくなってしまいました。今回は、そのきっかけについてお話しようと思います。
その日もいつものようにMちゃんと遊んでいていました。
遊んでいる最中に私はトイレへと行きたくなりMちゃんへと伝えると二人で向かうことになりました。私たちは、トイレの花子さんにはまってからすでに二か月ほどが経っており、トイレの花子さんをやっているとはいえ花子さんはいないということには気づいていました。
だからこそ、二か月もの間悪ふざけで行うことができていたのだろうと思います。私がトイレから出てくるといつものごとくMちゃんが「花子さんやろう」と言い出しました。私も乗り気だったのでトイレへと戻りました。
いくら花子さんはいないとわかっていてももしかしたらいるかもしれないという気持ちがないわけではありません。まあ、花子さんは当時の私たちにとっては、ちょっとしたスリルを求める一番身近な手段だったのだと思います。
私たちは自分たち以外誰もいないことを確認すると三番目の個室の前へと行きました。
ドキドキしながらコン、コン、コンとゆっくりトイレのドアを三回ノックしました。そして、二人で息を合わせ「花子さーん」と大きな声で呼びました。今まで、返事など帰ってきたことがなかったのにですがどうやらその日は違ったようです。
個室の向こうからはーいと返事をするように「はーーー・・・」と聞こえてきました。ずっと続くその声に私たちは、驚き叫びながらトイレから出てきました。やはりまだ幼稚園児、慌てて先生のところまで行き花子さんが出たと先生へと伝え一緒にトイレへと向かうと声も消えトイレももぬけの空でした。
先生からは、きっと花子さんなんてやってるから誰かにいたずらでもされたんだろうといわれ私たちはしぶしぶ納得しました。しかし、確かに私が最初にトイレに入ったときには私一人しかおらずそのあと二人でトイレに入るまでに誰かが入った様子もありませんでした。
それに、ほかの物音にしてはあまりにも人間の声でした。
それ以来私たちは、トイレの花子さんをするのをやめました。絶対ないと思っていいても意外と起こり得ることもあるのかもしれません。