私が以前勤めていたクリニックでの出来事です。病棟もない外来だけの比較的新しいクリニックなので、怪奇現象とは無縁と思っていましたが、霊感のない私がなぜか感じる気味の悪さや違和感。そこには確実に何かがいました。
私が以前勤めていたある個人病院での出来事のお話です
当時、まだ開業して7年目くらいの比較的新しいクリニックでした。私は一日中薄暗いMRI室に閉じ込もって、毎日休む暇もなくMRIの撮影に追われる日々。
操作室の後ろは真っ暗いレントゲン室なのですが、特に気味が悪いと感じることもありませんでした。外来だけのクリニックなので、病棟はありません。病棟がないということは、院内で患者さんが亡くなるようなこともありません。
私は霊感もないし、クリニック自体も怪奇現象や幽霊なんて無縁だと思っていたのですが、なぜだか突然、MRIを操作する自分の後ろから、視線というか、違和感を感じるようになったのです。
気のせいだと言い聞かせていましたが、ある日どうしても気になって、何かを感じた瞬間、パッと勢いよく後ろを振り返りました。すると、レントゲン室の窓を白い影がサッと通り過ぎるのを見てしまったのです。この時、確信しました。霊感なんてないと思っていた自分に見えてしまったのだから、やっぱりこの病院には何かいるんだと。
そんな怪奇現象は朝から起こることもありました
朝当番で一人で休憩室を掃除していた時のこと、隣の資材置き場からガラガラガタガタと物音がするのです。誰かが探し物でもしているかのように、物をガタガタ移動させるような音でした。
気味悪かったのですが、思いきって確認しました。当然、誰もいません。みんな出勤してきてから、最近あるそんな不思議な出来事のことを看護師さんに話してみました。
その看護師さんいわく、資材庫の物音は何人かのスタッフも経験していたようです。レントゲン室の人影を見たのは私が初めてだったのですが、看護師さんは霊感があるそうで、自分も何か気配は感じるとのことでした。
そして、確実にここには何かがいると確信した出来事がおこりました。MRI操作室で看護師さんと話していたときのこと。看護師さんの後ろを黒い影がサッと通りすぎたのが見えたのですが、私があっ!と思った瞬間、看護師さんがばっと後ろを振り返ったのです。
「今何か通ったよね?黒い影だったよね?」ゾッとしました。二人で同じものが見えたということは、気のせいではなく確実にいたのだから。こんなに怪奇現象を体験したのは、後にも先にも、このクリニックに勤めていたときだけでした。
更に不思議なことに、霊感のある看護師さんが一身上の都合で退職したのですが、それからというもの、不思議な物音を聞くことも、人影を見ることもなくなり、なんとなく感じていた違和感や気味の悪さも全くなくなりました。この世のものではない何かを引き寄せてしまう人っているものなのですね。