「お前は来るな!」と私を救ってくれたお婆さんの不思議な体験談

不思議な体験談

事故に合い、意識不明の中で見た不思議な夢の話。三途の川はお風呂だった?お風呂に入りたいのに絶対に私を入らせてくれなかったお婆さん。あの時夢の中でお風呂に入っていたら今の私はきっといない。あのお婆さんはご先祖さんだったのかもしれません。

もちろん早急に手術が行われたのですがその時に私は不思議な夢をみたのです

数年前、事故にあってしまい大学病院の救命救急センターに運ばれ処置を受けているときの不思議な体験です。
そのときの私は脳挫傷を起こし、脳髄が体外に流出しており、一刻を争う状態でした。

ここからが私がその時にみた夢の内容です。
知らないマンションのエレベーターに沢山の人が乗っていて、私もそのエレベーターに乗っています。そのエレベーターは激しく上に行ったり、下に行ったり。

かと思えば、いきなり途中で止まり、中に乗っている人がぽつぽつと降りて行く。降りて行く人達の顔もどこかで見たことあるような、ないような…なんて事をボーっと考えていると、またエレベーターは急降下します。

そして一番下の階であろうところにエレベーターが止まり、扉が開くと、そこは何と銭湯?温泉?とにかく大きなお風呂があるのです。それもラベンダー色のような赤ワインのようなお湯の色をしており、ほのかに入浴剤のようないい匂いもします。

中には既にお湯に浸かっている人もいて、エレベーターに乗っていた人達も何人か降りてお風呂のほうに向かいます。そのとき初めて私は「ここで降りたい!お風呂に入りたい!」と思いエレベーターを降りお風呂のほうへ向かおうとするのですが…

今までは居なかった髪の毛を結った着物姿のお婆さんが私の前に突如現れ

とても恐ろしい形相で「お前は来るな!」と怒鳴って物凄い力で私をエレベーターに押し返すのです。

他の人達は気持ちよさそうにお風呂に入っているのに何で私は入れないの!!と私もムキになり、何度もエレベーターから降りてお風呂場に向かおうとするのですが、そのたびにお婆さんが現れては怒鳴られ押し返されました。

何度か押し問答をして結局お風呂に入れず、私はまた上下に激しく動くエレベーターに乗る…
夢はこの辺りまでしか覚えていません。

目が覚めた時の私は救命救急センターのICUで頭が動かないように固定され、手と足も動かないように拘束されていました。しばらく状況がわからず混乱していたのですが、母親や手術を担当してくれた医師から自分の怪我を聞いてゾッとしたのです。

私が不思議な夢を見ていた間、私の意識はなく、親族は医師から「今夜乗り越えられるかわからない」と伝えられていたそうです。三途の川とかあんまり信じていませんが、もしかするとあの夢に出てきたラベンター色のいい匂いのするお風呂は、この世とあの世を結ぶもので、あのお風呂に入っていたら私の意識は戻らなかったのかもしれない、あのお婆さんが私を怒鳴って押し戻してくれなかったら…

私は今生きていないかもしれない。その時のことを思い出すたび、あのお婆さんにお礼を言いたいけど会えないよなぁ~と苦笑いしています。