8年ほど前に、ずっと近くにいた祖母が病気のため亡くなってしまいました。
静岡県在住。Eさんの体験談。
亡くなったときには、一家総出でその瞬間に立ち会い最期の時を過ごしました。親戚や自営業をやっていたので、お葬式にはとてもたくさんの人がいらっしゃり、葬儀屋の方にも「一般の人でこれだけ人が集まるのはとても珍しい」といわれるくらい多くの人から愛されている祖母でした。
私は初めて身近な人が死ぬ、ということを体験し、そしてそれが大好きだった祖母、すぐに会いに行ける距離にいた祖母がいないという実感がだんだんと重みを増していき、ふさぎ込むようになってしまいました。
その当時勤めていた会社も結構ブラックで仕事内容もきつかったため、少しずつ病んでいき、ついには死を考えるようになってしまいました。
死んだら仕事から逃げられる、死んだらばあちゃんに会える…なんて思いながら日々を過ごしていました。そんな時、ある夢を見ました。
気がついたら祖母が運転する車に乗っていたのです。
夢ならばあちゃんに会える、とウキウキしながらドライブを楽しんでいました。けれど、その運転する車がだんだんとスピードを上げてきたのです。
生前車を運転するときは安全運転を心がけていた人だったので不安になっていきました。どうしたのかと聞いても大丈夫とにっこり笑うだけ。
そんな祖母が少し怖く感じました。猛スピードの車はそのまま山道を登っていきます。少しでも運転をミスすればごつごつした岩肌にぶつかったり、崖に落ちそうな感じでとても危険な運転でした。
そんな運転を続けながら祖母はずっと笑顔でした。もしこれで事故になったらどうしよう。と私は思い、運転を変わると提案しました。
そうすると祖母は渋々といった感じで運転を変わりました。よし、これでゆっくり運転しようと思ったところで夢から覚めました。
夢から覚めたときはばあちゃんに会えた!という感情でしたが、時間をおいてから考えると、とても怖い夢だったと思います。
もしあのまま夢から覚めず、あのまま運転を変わらずに事故にあっていたら、現実では私はどうなっていたのでしょうか。
事故にあった瞬間、もしかしたら夢から覚めず、心臓まひなどでこの世にいなかったのかもしれません。たかが夢といわれるかもしれませんが、とてもリアルだったのでそんな恐怖がずっとぬぐえないのです。その後はだんだん立ち直り、仕事もやめてストレスから解消されました。
祖母が怖かった夢は後にも先にもこれだけです。今でもちょくちょく夢に出てきてくれますが、新しい車を買ったんだと笑顔で話したり、旅行に行ったんだと話したり、天国で楽しくやっているんだと思います。
これが本来の祖母の姿だと思います。なのであの時見た夢の正体は、死にたい私の気持ちを感じた悪霊か何かが自分のところにひきづりこもうとドライブに誘ったのではないか、と思っています。