小学生の頃、私は祖母がくれたお守りを粗末に扱っていました。ある時そのお守りをバカにした瞬間にあわや大事故という状況をかろうじて回避するという経験をし、神様への畏れとお守りのご利益を実感することとなりました。
私が小学校3年生だった時の話です。大阪の田舎に住む私の祖母は特定の宗教に熱心だったというわけではなかったのですが、何年かおきに神社で授かったお守りを遠方に住む私に送ってくれていました。
その神社は地元ではそこそこ有名で、主に交通安全や健康を祈願するところです。
手のひらの半分くらいのサイズで朱色に金の刺繍が施されたそのお守りを、私はお出かけに使っているリュックのポケット部分に入れっぱなしにしていました。
ある日、家族でドライブに出かけました。私はいつものリュックを抱えて後部座席に乗り、携帯ゲーム機に夢中になっていました。
すると早々にゲーム機のバッテリーが切れてしまい、暇になった私は何の気なしにリュックの中を探り、例のお守りを見つけたのです。
そのお守りを見ること自体久々だった私は、「こんなの持ってて本当に意味があるの?」って助手席に座る母に尋ねました。
その時、大きな反動を受けて私は助手席の背に頭をぶつけてしまいました。車を運転する父が急ブレーキをかけたのです。
その場所は私の住む町で一番大きな交差点で、休日は常に渋滞気味なため無茶な運転をする車による事故が多発する場所でもありました。大型トラックがうちの車の方に突っ込んできて、父のブレーキが遅れたら正面衝突していたかもしれません。
タイミングがタイミングなだけに私は悪寒を覚えました。私がお守りをバカにしたから神様が怒って脅かしたのか。
それとも本当は私が事故に巻き込まれる予定だったのを助けてくれたのか。今になってもわかりませんが、それ以来神社で授与されたものは大事に扱うようになりました。