【異世界体験談】阪神淡路大震災を二度経験した友人が彷徨った街

不思議な体験談

阪神淡路大震災を経験した友人Yが、家も家族も無くし、避難所で暮らしていたある朝、起きると、周りに誰もいなくなっており、街が元どおりになっていた。自宅に戻ると、亡くなったはずの家族がおり、震災前日に戻っていたことに気がついたYが、家族を助けたという話。

これは私の大学時代の友人Yから聞いた話です

Yは、兵庫県出身で、あの阪神淡路大震災の被災者でした。
そしてあの大震災を「二度経験した」というのです。

事の発端は、大震災が起きた後から始まります。
大震災により自宅が倒壊し、家族を亡くしてしまったYは、避難所になっていた体育館で寝泊まりをしていました。

家が無くなってしまった事、それ以上に家族がいなくなってしまった悲しみで、気力を無くし泣き暮れる日を過ごしていました。
食事もろくにできず、目的もなくただ時間を過ごすだけの日が何日か続いたある日の事だったそうです。

Yがいつものように朝に何気なく目を覚ますと

いつも周りにいるはずの非難していた人たちが、誰もいなくなっていました。
不審に思ったYは、体育館の外に出たそうです。

すると、おかしなことに倒壊していたはずの街並みが、何事もなかったかのように整然と並んでいたそうです。
驚いたYは、もしかして自分は死んでしまったのかもしれないとさえ思ったそうです。

いつもの商店街、いつもの駅、コンビニ、、全てがいつもどおりの顔で並んでいるのに、一人も誰もいない街。
異様な光景だったとYは話していました。

不気味に思いながらも、Yは自宅に戻ってみることにしたそうです。
もしかしたら、自分の家も、元どおりになっているかもしれないと思ったから。

家に近づくにつれて、不安が大きくなっていったY

もし、自分の家だけなかったら?それに、自分が死んでしまったから、誰もいない街に一人残されたのかも、と。

そうこう考えているうちに自宅に着くと、やはりいつもの通りに家があったそうです。
そして、家の中から夕飯の匂いがした気がしたと話していました。

玄関を開けると、Yのお母さんが出迎えてくれたそうです。いつものように「お帰り。」と。
Yは思わず、その場で泣き出してしまったと言っていました。家族に会えたのが本当に嬉しかったんでしょうね。
その日食べた夕飯は、今までのどんな料理よりも美味しかったと教えてくれました。

夕飯を食べながら、Yは家族に大地震があったこと、家族みんなが死んでしまったはずであることを話したそうです。
当然のごとく、信じてもらえなかったそうです。

そうしているとお母さんが思い出したように

「明日、お父さんの誕生日だね!明日早く帰ってきてね!」と言ったそうです。
その言葉を聞いたYは、ハッと驚いたそうです。

なぜなら、Yのお父さんの誕生日は「1月17日」だったからです。
1月17日は阪神淡路大震災が起こった日です。

Yはどういうわけか、1月16日に戻ってきたんだそうです。
その日、布団に入っても寝付けるわけもなく、Yは地震が起こる時間の少し前に家族全員を起こしたそうです。

Yと眠い目をこする家族を、1月17日午前5時46分に大地震が襲いました。
しかし、Yが前もって家族を起こしていたおかげで、Yの家族は全員命が助かったのだそうです。

Yはどこからか現実で、どこから夢だったのか今でも分からないけど、何れにしても、誰もいなかった街も、夢とは思えないぐらいリアルだったと語っていました。

YもYの家族も、現在は元気に暮らしています。