ピアノのお稽古が終わってお迎えを待っている時、母から「豆腐買ってきて。」と電話があった。声は母だが妙な違和感。言われた通りに豆腐を買って帰ると、「そんな電話はしてない。」と言われ、履歴を確認すると、確かに母から着信はあったが母の携帯には発信の履歴がなかった。
高校生の頃ピアノに通っていた時の話です。家が田舎で、教室が終わる頃にはバスがなくなってしまうので、帰りはいつも親が迎えに来てくれていました。
その日もお迎えを待っていると、母から電話がありました。出ると「今日はお父さんが迎えに行ったんだけど、帰りに角のスーパーによって豆腐買ってきてほしいの。お父さんに言うの忘れちゃって。」ということでしたが、何だか妙な違和感を感じました。
声や話し方は確かにいつもの母です。上手く説明出来ないのですが、雰囲気がのぺっとした感じで、母にそっくり似せた何かが話している、といった感じでした。でも電波の調子が悪いんだろうと思い、迎えに来た父の車に乗りました。
そして言われた通りに豆腐を買って帰り、母に渡すと「なに?」怪訝な顔をされました。何って買ってこいて言ったくせにと、電話のことを説明すると、そんな電話はしてないと言われました。確かに電話があったと着信履歴を確認すると、ちゃんとありました。
それを見せてもまだ納得しない母が、自分の携帯の発信履歴を確認すると、私への履歴が無かったのです。もう何が何だか分からなくなりました。結局答えは出ず、うやむやになってしまいましたが、今でも何だったんだろうかと不思議に思います。