学生のころに住んでいたアパートでの恐怖体験。深夜に心霊サイトを閲覧中に突然の停電。背後からから感じる視線に意を決して振り返るが何もなかったが、目を戻すと開いていたPC画面に女の顔が。肩にかかる冷たい手と、耳元で女がささやく。
今から5年前の私が大学生のころ東京で一人暮らしをしていた時の体験です
当時、貧乏生活を送っていた私は駅から徒歩1分、1DKの3階角部屋というアパートに月6万円で住んでいまいた。
23区内で主要ターミナル駅から1駅に好条件物件。友人たちに「なんかあるんじゃないの(笑)」とからかわれるぐらいの良い条件でした。
入居してからというもの平穏に暮らし、友人たちからからかわれるような事も起きずに暮らしていましたが、ある時を境に恐怖体験をするようになります。
私はもともと心霊現象など信じておらず、むしろ進んで怖い話を読んだり心霊動画を見るような人間でした。
ある日、いつもの様にネットで怖い話を集めたサイトを閲覧していたところ、異変がおきました。時間は深夜を回っていたでしょうか。
そろそろ読み終わりにして寝ようかなと思っていた時に、突然部屋の電気が落ち、暗闇に包まれてしまいました。
もちろん直前まで使っていたパソコンも電源が落ちてしまい
真っ暗闇です。最初はブレーカーが落ちたのかな?
なんて考えていましたが、直前まで見ていたサイトがサイトなだけに、静寂につつまれた暗闇で次第に恐怖を感じだします。
とりあえずブレーカーの状態と見なければと思いましたが、なぜかそこから動いてはいけないと思い、息をひそめ身体中の感覚を研ぎ澄ましました。
背中から頭にかけて毛が逆立つような感覚を覚えます。と同時に、私の後ろからとても強い視線を感じました。
絶対に振り向いてはいけない。私の中で危険を感じ取り、全神経がストップをかけます。
その間も、背中から感じる視線は強くなるばかり。後ろにこの世のものではない何かが居るのは確実でした。
私は意を決して後ろを振り向くことにしました。振り向けばただの勘違いであったと自分を安心させることができるような気がしたからです。
後ろを振り向いた瞬間、やはりそれはただの勘違いであり、私の思い込みであったことが分かりました。
先ほどまで見ていたサイトのせいで
少し考えすぎていたのだと安心し、ホッと息をつくことができました。
ならばやはりブレーカーを見に行かないとなとパソコンに目を戻した瞬間、画面には女の顔がハッキリと映っていました。
目があるはずの場所は真っ黒に窪んでおり、断末魔が聞こえるほどに絶叫した顔でした。
しばらく私はそこから目を離せなくなってしまいました。恐怖で目を見続ける以外の行動がとれなくなってしまったのです。
ほどなくして気が付くと女の顔は消えていました。
まだ恐怖のため頭の中がぐちゃぐちゃです。今起きたことは何だったのか、これは現実のことなのかと必死に頭を回転させます。
すると、私の肩口にスッと手のようなものがかかる気配がします。触られたらマズイ、逃げなければ。しかし身体は言うことを聞かず動けません。
冷たい感触と、力のない手の平がゆっくりと肩にかかります。
「見えたでしょ」耳元で冷たい笑いを含んだ声が聞こえます。
その声が聞こえた瞬間、体の緊張が解け肩にかかった手を払いのけ何も持たずに部屋を飛び出しました。その夜は近くのコンビニで寝ずに過ごしました。
その後もあのアパートには住み続けたのですが、怖い思いをしたのはあの一度きりでした。
深夜に怖い話を読んでいたことで、何か波長が合い呼び寄せてしまったのかもしれません。