家に帰る途中のトンネルで経験した恐怖体験

恐怖の心霊体験談

もう今から20年ほど前の話しになります。当時私は京都の山科に住んでいました。京都市内から山科に抜ける道は二通りあり、一つは三条通りから抜ける道。もう一つは五条通りから抜ける道です。五条通りから抜ける道には東山トンネルがあり、その東山トンネルの横には歩行者用のトンネルがあります。

その歩行者用トンネルで恐怖の体験を経験しました。

その日は友人たちと四条界隈で飲んでいました。その飲み会が夜中んぽ2時過ぎに終わり、四条で友人たちと別れました。普段はバスや電車が終わっている時はタクシーで帰宅するのですが、その日は次の日は仕事が休みだったため、酔いを醒ますこととお金を節約しようと思い、徒歩で帰宅することにしました。

その日は初夏だったこともあり、清水寺を横にみる頃にはかなりの汗をかいていたことを覚えています。清水寺を横にみながら坂道をどんどん上がり、ようやく東山トンネルのところまできた時にはもう疲れ切ってしまいました。

そこで徒歩での帰宅はあきらめ、タクシーで帰ろうとも思ったのですが、10分程待っても空車のタクシーは一台も通りませんでした。仕方なく徒歩で帰ることにし、東山トンネルの横にある歩行者用のトンネルの方にむかいました。そのトンネルはほとんど光がなく、夜中になると誰も通らないトンネルでした。

そのトンネルに入った時、何故だか分かりませんが言いようのない妙な寒気に襲われました。

そのトンネルを進むのは気が引けたのですが、今さら五条通りを引き返してタクシーのひろえるところまで行くわけにはいかず、そのままトンネルを進んでいきました。
トンネルの真ん中ぐらいにさしかかったとき、後ろから足音がするのに私は気づきました。

当初は自分の足音がトンネルで響いているのかとも思いましたが、よくよく聴いてみると、コツコツとした女性のヒールの足音のようでした。私は怖くなって急ぎ足で歩いたのですが、そのコツコツとした足音がどんどん大きくなっていきました。

私はその時後ろを振り向きました。しかし私が後ろを振り返ってもそこには誰もおらず、足音も止まってしまいました。もう私はパニック状態になり、とにかくこのトンネルを早く抜け出したいと思い、歩くスピードをあげました。

すると今度は女性の声で「待って。待って。」と聞こえてきました。

後ろを振り向くのは怖かったのですが、その時は何故だか分かりませんが後ろを振り向かなければならないと思い、後ろを見ました。すると足から下がほとんど見えない髪の毛の長い女性がぼんやりと見えました。私は大声を上げて走りだしました。

そのトンネルを抜けてもしばらく後ろを振り向かず、走っていました。ようやく車が通る道に合流し、そこで後ろを振り向いたのですがそこには誰もいませんでした。
その日以降も四条界隈でよく飲んでいましたが、その日以来、遅くなってもそのトンネルを徒歩で帰宅することなく、タクシーを利用するようにしました。