東京駅近くのビジネスホテルで遭遇した恐怖の心霊体験談

恐怖の心霊体験談

今はもう廃業した、東京駅近くにあったホテルに宿泊した時の心霊体験です。
そのホテルはもっと昔に東京に遊びに行った時に朝食で利用したホテルでした。その後東京に用事が出来た時に、昔使ったことのあるホテルを思い出して新幹線とホテルのセットプランで宿泊予約を入れました。

その日は東京在住の友人と会うために上京していました。

本当は宿泊者以外を部屋に入れてはいけないのですが、予定まで時間があったので泊まる部屋に友人を入れてお喋りをしていました。
シングルタイプの狭い部屋で、大体ホテルの部屋は照明も暗いものですが、昼間なのに薄暗い部屋で重苦しい感じだなとは思っていました。

私はその後友人と外出して夜遅くに一人で部屋に戻り、コーヒーを飲みながら夜更かしをしていました。

昼間友人と部屋で遊んでいた時に窓にかかっていたカーテンを開けて外を覗いたあときちんと閉めていなかったな、とカーテンをぴったりと閉じようとしたのですけど、どうしても隙間ができてしまいます。でも、どうせ覗く人もいないやと思って、カーテンをそのままにして寝ることにしました。

夜中にずるっずるっという何かを引きずる音で目が覚めました。

場所は室内から聞こえたような気がしました。部屋の作りはドアを入って狭い通路の横にバストイレ、突き当たりが窓、窓とベッドの間に机というもので、ベッドで横になっているとバスルームの前は見えません。

音はどうもバスルームの前から聞こえるような気がしました。
眠いし気持ちが悪いけど、まさかなにか荷物でも置いていたのが動いたんだろうか?と思い、照明をつけて起きてみました。

バスルームの前には何もありません。何かを引きずった跡もありません。

首をひねってまた寝ることにして横になると、また近くからずるっずるっという音が聞こえました。
時間は確認していませんでしたが、もしかしたら早朝に始発で旅立つ人がスーツケースなどを引きずっているのだろうか。それとも朝刊のサービスでドアに挟んだらしているんだろうか(昔はそういうサービスをするホテルもありました)と、思ってまた起きて、わざわざドアを開けて廊下を確認してみました。

誰もいません。
気味が悪いなあ、と思いながらも部屋にサービスで置いてあったコーヒーをもう一杯飲んで、また寝ることにしました。

横になると窓が見えます。寝る前に閉じようとしてどうしても隙間があいてしまった窓から外が見えます。その窓の上の方に、逆さまになった男の人の顔が見えました。
流石に驚きました。その狭い隙間から見えるのは男の人の顔全て。物凄く小さい顔です。それがじっとこっちを見ています。

怖くなって声を上げようとしましたが、どうしても声が出ません。

飛び起きようとしても身体が動きません。
やばい、金縛りだ。
そう考えて、その小さい顔を見ないで済むように私はぎゅっと目を閉じ、可能な限り布団に潜り込んで寝ました。

眼が覚めると朝になっていました。部屋の空気は夜中とは打って変わって柔らかく、気持ちのいい朝でした。
まずカーテンを開けて窓の上の方を確認しました。もちろん、何もありません。

チェックアウトの時によほどフロントにあの部屋で何かありましたか、と尋ねようと思ったのですが思いとどまり黙って帰りました。
その時は怖いとは思ったけど割と冷静だったのですが、帰りの新幹線では体調が悪く、思い出したらだんだんぞっとしてきたことを今でも覚えています。