夏の暑いお盆の日に、私が息子達を川遊びに連れ出した時のことです。中学生の息子に面倒を見てもらっていた小学生の息子が川で溺れてしまいました。救助された息子はしきりに「誰かに足を両手で引っ張られて足がつかなかった」と話すんです。
お盆に両親の家に里帰りをした時の出来事です
主人は仕事で休暇を取ることが出来ない代わりに、私が子供達を遊びに連れていくことにしたんです。
夏の日差しの強い日でした。
私と子供達の3人だけで近くのキャンプ場へ向かいました。
そのキャンプ場は、サイクリングや森林や川遊びなど好きなことができる総合運動場になっていて、多くの家族連れで賑わっていました。
私達親子は川遊びを選んだんです。
当初は、親子でサイクリングを楽しもうと考えていましたが、すでに利用者は一杯で、それに比べて川遊びが空いていたんです。
キャンプ場の川は山の源流に近く、流れも速くて勢いがあったんですが、多くの子供が川遊びをする穴場になっていました。
私は、川辺で息子達の姿を見ていたんです。
中学生の息子に小学生の息子の面倒を見させていました。
半日は良く遊んだ頃、 日も暮れてきて、周りのお客さんも徐々に少なくなってきていました。
私は、中学生である上のお兄ちゃんに「そろそろ帰るわよ」と声をかけようとした時に、下の息子が川の中でアップアップしているんです。
私は、息子達に「水の中でふざけていないで、早く上がってらっしゃい」と釘を刺してみたんですが、声が届いていないみたいなんです。
そこで、ようやく下の息子が溺れているんだなと分かりました。
運良くうちの息子達と同年代の孫をスパルタ教育していた男性に引き上げられて助かりました
救助者が言うには、「あんな場所で溺れるはずはない。足がつったんではないか」と息子に向かって話していたんですが、息子は「誰かに足を引っ張られた」と言い張るんです。
念のために病院へと連れて行ったのですが、お医者さんも、「足がつる感覚を、誰かに足を引っ張られた感覚と勘違いをしているんだろう。」という見解でした。
結局分からずじまいですが、今でも息子は足を「両手で引っ張られた」言いはるんです。
下の子供の近くには、上のお兄ちゃんしか居ないので、私は背筋が凍りつく様な思いでした。
のちのち、救助者の男性に聞いた話ですが、あの川で少し前にも、事件が起こっているという話なんです。
そして、その小学生も足がつったような症状で溺れかけたんだそうです。
でも、無事で生還したんですが、やはり「誰かに足を引っ張られた」と話していたそうなんです。
もう二度とあの川には行くことが無いですが、あの時の救助者の男性は、今でもお孫さんをあの川でスパルタ教育しているのか気になります。