【怖い話】父が亡くなる直前に見た黒い影の物体は死神だったのか

恐怖の心霊体験談

人が亡くなる直前に現れるという死神。良く聞く話ではそういった死神は「黒い影の物体」だということです。これは私の父が亡くなる直前に起きた出来事ですが、私が見た黒い影みたいなものも死神だったのでしょうか。

もう10年前になりますが私の父が亡くなった時の話です

父は病気知らずでバリバリと働くビジネスマンでした。
ある日、お腹が痛いと言うので病院に行くのですがはじめは神経痛と診断され痛み止などをもらいました。

一向に良くならず、結局いわゆるドクターショッピングの状態になり、「がん」と診断されたのは痛みが出てから3か月経った時でした。

精密検査をしてみるともう末期の状態で余命は長くともあと2か月、と宣告を受け、残りの時間を有意義に過ごすことを優先し自宅で過ごすことに決めました。

父は日々動ける範囲も狭くなり、痛み止もだんだんきかなくなり、自宅で過ごすようになって1ヶ月ほどで再入院することになりました。

入院先ではいつ急変するかわからないので、家族が常に交代でそばに居るようにしていました。

ある夜、私が父の横で眠気に襲われ座ったままうつらうつらとしていました。
眠気と闘う中で夢なのか現実なのか、近くでガサガサと何か音を立てているのです。

虫のような、虫ではないような…ビニール袋をまるめるようなそんな音だったように思います。

ふと音がより近づいてきたので目を開け父の方を見ると…

父の頭が何か黒い影のようなものにすっぽりと覆われているのです。

例えていうのも難しい物体なのですが、まるで「まっくろくろすけ」または「小さなブラックホール」のようなモヤモヤとしたものでした。

数秒の間、私自身も何を見ているのか理解できずあ然としているとその黒い物体は父の頭の上辺りに移動し、父の頭から何かを吸い上げているようなおかしな動きになりました。

その直後、父は小さく唸り声を出し始め、落ち着きをなくしたように、かろうじて動く手と足を何かを振り払うかのように動かし始めました。

だんだんと動きは激しくなりどうにもできないと思い、私は病室で疲れて寝てしまっていた他の家族を起こし、ナースコールで看護婦さんを呼びました。

すぐに戻ると父の頭の上に移動していたその黒い影はもうどこかに消えてしまっていたのです。

その後、徐々に暴れるような状態になり、父は朝方に息を引き取りました。

あの黒い影みたいなものは「死神」だったのでしょうか…。父が亡くなってしばらくは、自分がうとうとと眠気に襲われずちゃんと看病していれば、そんな黒い影が来ることはなかったのかもしれないと自分を責めていました。もしかしたら防げたのかもしれません。

この黒い影は、例え死神ではなくても「人の死」に関係する何かだったと今でも思えてならないのです。