母が私を妊娠して入院中、悪夢に悩まされていましたが、お婆さんに話しかけられた日から、パタリと見なくなったそうです。そして、私が仮死状態で生まれ、極めて危険な状態から何とか蘇生。
後から知った話ですが、御婆さんの命日と私の誕生日が同じ日だったようです。
正確に言うと私も体験者ということになるのでしょうか
これは私の母が体験した話です。
母が私を妊娠しているとき、流産の恐れがあり、入院を余儀なくされたそうです。
母は看護師で、当時勤務していた病院に入院する事になりました。
産婦人科のベッドが満床だったこともあり、産婦人科のベッドが空くまで、別の病棟に回される事になりました。
入院中、母はある悪夢に毎晩悩まされていたそうです。
それは、毎晩金縛りにあい、餓鬼が部屋中に這ってきて、動けない母から赤ちゃんを連れて行かれそうになるという夢だったそうです。
母は夜が怖くなり寝ることが出来なくなったと言っていました
そんなある日、隣の部屋に入院していたお婆さんが「母と話したい」と、看護師さんに連れられ母の部屋にやってきたそうです。
知り合いでも、母が担当したわけでもなかったそのお婆さんが、なぜ母と話したいとやって来たのかは、不明ですが優しそうなお婆さんだったそうです。
お婆さんは、「○○先生(お婆さんの担当医)はいい先生ですか?」と母に聞いてきたそうです。
それに対して母は、「こちらの病院の先生は、みんな腕が良くていい先生ですよ。」と答えたそうです。
するとお婆さんは「そう。じゃあ、あなたも赤ちゃんも安心ね。」と言って部屋を出ていきました。
不思議だなと思いつつも、なんとなく安心感を覚えた母
いつの間にか眠ってしまっていて、気が付くと、次の日になっていたそうです。
久しぶりに悪夢を見ずに、朝までぐっすり寝られたと言っていました。
その日から、餓鬼の夢は一度も見ることはなかったそうです。
そうして、私が生まれる日になりました。
分娩室で生まれた私は、息をしていなかったそうです。
身体は黒くなり、産声を上げず、逆さにしてもお尻を叩いても泣かなかったそうです。
仮死状態で生まれた私は、蘇生術を受け、そのまま私は保育器に入れられました。
先生から、母にあきらめた方がいいかもしれないと告げられたそうです。
どうしてもあきらめたくなかった母は、保育器に入っている私を家に連れて帰ると言ったそうです。
「この子は、何があって私が生きさせる」と。
母の気持ちが届いたからか、私の生きたいという気持ちが強かったのか、どうにか私は息を吹き返し、今日までの人生を大きな怪我や病気もすることなく生きてこられました。
後から知った話なのですが、病室で母に話しかけてくれたお婆さんの命日と、私の誕生日が同じ日なんだそうです。
きっと、私はお婆さんに守ってもらったのでしょう。
生かされて生きているのだなと、思います。
辛いことがあったときは、母から聞いたこの話を思い出すと、不思議と、頑張ろうと思えるんです。