2chで肝試しの実況を読んでいるときに起きた怪現象

不思議な体験談

10年位前の話です。

当時は実家に住んでおり、その日私は仕事が休みで一人で家にいました。

昔から怖い話が好きだったので暇なときはちょくちょくパソコンで怖い話を読み漁っていましたが、ネットに散らばっている話はほとんど読んでしまっていて新しい刺激が欲しくなっていたところでした。

ふと思い立って2chのスレッドに何か面白いものがないか見てみると、リアルタイムで廃墟に肝試しに行っている人の実況スレッドが目につき、興味をひかれたので追って読んでみることにしました。

投稿主は定期的に携帯で撮影した写真もアップしながら廃墟を探索しているようでした。

特別何かが起きたり変なものが映り込んだりということもありませんでしたが、それでもリアルタイムということでもしかしたらこれから何か起きるかもしれないというスリルがありそれなりに楽しんでいました。

すると突然家の内線電話が鳴りだしました。

とっさに出ようとしてあれ?と思いました。
今家には私しかいないのです。
誰が内線をかけているというのでしょう。

しかし私がいたのは2階のリビングだったので、気が付かないうちに家族の誰かが帰ってきて1階にいたのかもしれません。
気を取り直して受話器を取りました。

「ツー…」

電話はどこにも繋がっていませんでした。
念のため1階を確認しに行きましたがやはり誰もいません。
玄関の鍵もかかったままです。

気味は悪かったですが機械の不具合か何かだろうと自分を納得させました。

時刻は夕方に差し掛かって薄暗くなってきたので2階のリビングに戻って電気を付けると、再び先ほどのスレッドを読むことにしました。
暗くなってくれば廃墟の実況も盛り上がるだろうと思ったのです。

そうしてまたしばらくその実況を読んでいると、今度は「キィ…」と音を立ててリビングのドアが開いたのです。

家族が帰ってきた気配はありません。
ドアが開く音以外何の音もしませんでした。
足音も、ドアノブを回すガチャっという音もした記憶がありません。

でもドアは15センチほど開いていて、向こうに薄暗い廊下が続いているのが少し見えます。

先ほどの内線電話のこともありさすがにドアを全部開けて確認する勇気が出ません。

ただじっとドアを見つめて動けずにいました。

そうして硬直していると今度は玄関の方からガチャガチャ…バタンという音とともに「ただいまー」と母の声がしました。

助かった!思わずそう思いました。
しかしその瞬間。

パァン!!

という破裂音がしたかと思うと電気が消えました。
パソコンのモニターの青白い明りでぼんやりとだけあたりが見えます。
あまりの驚きに声も出ず、もう頭の中はパニックです。

ドアの向こうが明るくなりました。

ドアが開いていきます。

「あんた電気もつけないで何やってんのよー」

そこには母が立っていました。

「あらやだ電気つかないじゃない」

部屋の電気のスイッチをカチカチ押しながら母が言いました。
母が懐中電灯を持ってきて確認してみると部屋の蛍光灯はなぜか破裂していて足元はガラスの破片だらけになっていました。

結局そのあとは何もなく、あの日起こったすべてのことは偶然だったのか何だったのか分かりません。
ただ、もし母が帰ってくるのがあと少し遅かったら何か違う結末が待っていたのかもしれないと思うととてもゾッとします。