病院というと昔から幽霊などがいると言われ、肝試しの対象になったりしてきました。そこに務める職員もたくさんいます。霊が見える職員や霊がいるなんて気にも止めない職員などなど。たくさんの職員がいれば感じることも様々ですし、見えることのない職員のほうが多いこともあり、現実には霊の話はあまりしません。
看護師として長く病院での時間を過ごしていた私
よほど仲が良い相手だったり、その職員から霊の話が出ない限り自分から霊について話すことはしません。
私が昼間の仕事をしているときは、明るいためか霊たちが休んでいるためか出会うことの少ない霊たちですが、夜勤に出かけていくと廊下に座り込んでいたり、私の横をすり抜けたり、時には声をかけてくれます。
初めのうちは不思議な透けている人が話しかけてくれるなと思っていたものです。そのうちに、夜勤にはそういう人たちが歩いているものなのだと思うようになりました。でも、見える?と他の職員に聞いたことはありません。自分なりに不思議なことと感じたからです。
霊たちとお話を始めると引き込まれる感じがするようになり、お話は無理だなと感じ対話するのはやめました。でも、親しくなったので挨拶に来てくれたり、そっと手を挙げてくれたりと見守ってもらっている感じで若い頃は夜勤の時間を過ごすことができました。
年を重ねてくると世の中でも霊のことをテレビで取り上げたりするようになり
なんだか時代が変わってきたのかなと感じました。今までは霊の話はどこかでタブーかなと思っていたからだと思います。世の中がオープンになったら、霊のみんなもおおっぴらに歩き回れるのかなと思いますが、現実にはいい霊ばかりとは言えないようで。
いい霊ほど出歩くことはないようです。逆に、悪気はなくても人に害を及ぼす霊は様々な場所に出没するようですね。夜勤中は、忙しく駆け回っていると座り込んで横目で見ていたり、何人かで集まって話していたりと結構自由に動いています。まるで夜の散歩や会話を楽しんでいるようですが、あちこち不安そうに歩き回る霊も見え、馴染めないのか、自覚がないのかなと首をかしげたこともあります。
どうしたの?と聞くことはとても危険な気がして声掛けはしませんでした。まさに、そう感じるから行動しないです。
静かに霊がいてくれることを知り、見つめるでもなく話すでもなく過ごすことが一番楽な時間となりました。スマートにかわす、そして本来の私の仕事を行う。霊が多くいすぎる日は特にそれが大切だったなと感じます。