亡くなった弟の友達のS君の霊が出てきて弟を救った感動の心霊体験談

感動する心霊体験談

弟が小学校に入学した時に一緒のクラスの子で仲良くなりよく家に遊びに来てました。面白い子で頭も良く感じのいい子でした。弟も何かとS君とよく遊び、互いの家に泊まりに行ったり来たり仲を深めていきました。

私の弟の友達にS君という子が居ました。

部活も小学校は水泳部。中学校は卓球。高校は山岳部ととにかく同じ学校、同じ部活に入りうちの親も「S君が自分達の家族。本当の子供に思える時があるな」とよく言っていて私も同感してました。それほどの親密さだったのです。

しかし、高校3年生の時に変化が訪れます。大学の進学は二人とも同じ地元の大学に合格。互いに学部は違ったけど推薦で決まりました。センター試験も受けずに合格した彼らは羨ましく凄いと感心しました。

ですが、合格後S君は体調を崩し休みました。1月終わり頃でした。インフルエンザや疲れかなと弟は言ってました。どうせ直ぐにまた治って家に来て遊ぶだろう。私はこの時県外の大学に進学して休みで帰ってきていましたがそんなふうに思ってました。

ですが、S君はなかなかきません。時は過ぎ卒業式。その頃私は春休みで実家に戻ってきました。弟の高校卒業のお祝いをしました。が、弟は元気がない顔をしてました。私は尋ねると「S君は卒業式に来なかったんだ…」と。

携帯でしかやり取りしてなかったみたいで理由を聞いても病気が長引いているとの事。GW付近には大学に行けるとの事でした。私達はS君が何の病気かわからなかったけど、いつも明るく元気に家にくるS君が見られなくて寂しさがありました。春、弟は大学に進学し入学式を済ませ生活が始まりました。

S君抜きの…。私は7月就活と夏休みで帰ってきました。

弟から「兄貴。悪い。ちょっと時間くれない?S君の所にお見舞いについてきてくれない?」と。私は予定もなく弟にOKしました。弟の暗い顔に気づきませんでした…。
 翌日、お見舞いに向かった所は隣の市の大学病院。私は弟についてS君の病室に入りました。私は愕然としました。

ベッドにはS君が居ました。が、まるで別人でした。げっそりと痩せて顔色が青白く、鼻や腕に管を入れられていた彼を見て驚きを隠せませんでした。背が高く意外に筋肉質だったS君とは違いました。「あ…二人ともすいません…忙しいところ来てくれて。」弟も夏に、S君の両親から電話が来て知ったそうです。彼は悪性の悪い癌でした。急速に体を蝕み、春の終わりからベッドで寝たきりの状態でした。

余命は1年以内と診断され私もあとで聞かされて愕然としました。S君は「本当は夏にさ、アメリカに旅行に行ってさ、ワシントンや自由の女神を見たり撮ったりしたかったなぁ。もし良かったら俺の代わりに行ってきてくれない?」とか細い声で弟に願ってました。やがて見舞いを終えて、休み中弟は考えたり両親と話をした結果、バイトで稼いだお金や両親の援助もありS君の為にパスポートを作りアメリカ行きを決意。

滞在は約1週間ほど。弟は準備をしていました。出発の2日前でした。弟は突然朝から吐いて高熱を出しました。40度の熱。風邪でもなく原因不明でした。「大丈夫、直ぐ治るから。アメリカ行きは絶対キャンセルしない!!」私や親に言ってましたがとても辛そうでした。

その日の夜です。私は寝ていると耳元で声と体の上が重いと気づき目を開けました。

するとそこには何故かS君の元気な時の姿が。ただ足元があまり見えてませんでした。(えっ…なんで…)すごくびっくりして夢かとも思いました。私は身体も動けず声を発することもできませんでした。ですが、S君の顔は穏やか。だけど何かを私に言っています。よく聞き取れませんでした。

私は何とか声を絞り出し、「な、何が言いたいんだい?」とS君に聞きました。口の表情で「い・っ・て・は・い・け・な・い…」という風に見えました。そうするとスッと彼の姿は消えました。そして私の身体も声も動けるようになりました。ベッドの時計は3時でした。

翌日の弟のアメリカ出発の日まで弟の熱は下がることなく結果両親は判断しキャンセルの手続き。弟は悔しそうでした。夜になり弟は回復しました。私は両親と食事をしながらテレビを見ました。すると衝撃的な光景を目にしました。それは飛行機がビルに突っ込みました。ワールドトレードセンタービルに突っ込み、ビルは大破し崩れ落ちる。

各地での同時多発テロ。2001年の9月11日でした。弟はもしアメリカについていればその頃観光でその付近に言ってるはずでした。嘘みたいですが、あとでツアーのスケジュール確認したらそうなってました。青ざめてしまいました。まさかこんな衝撃的な事件が起こったとは…。驚きを隠せない中電話が鳴ります。それはS君が容体が急変し亡くなったとの電話でした。

S君の葬式に私達家族は行きました。丁度私が夜S君のような霊に遭遇した3時。この時間にS君は亡くなったそうです。焼香を済ませた後、「俺熱でうなされてる時にS君が夢なのか現実なのかよくわからないけど出てきて言ってくれたんだよ…アメリカは危険で危ないから行くなって…」弟はその場で泣き崩れてしまいました。

私も涙が止まりませんでした。悲しかったです。今も思い返せば、S君は最期の力を振り絞って弟を助けたのだと。私の前に出てきたのも弟を危険な場所に行かせないために教えてくれたのではないかと今でも思います。

S君の霊が弟に熱を出させて食い止めていたのかもしれません。もし行っていれば弟も被害にあいひょっとしたらこの世に存在していなかったのかもしれません。あの時は私はS君の霊だったと今でも思ってます。彼に感謝の念を込めて今でも命日には家族でS君の墓参りに欠かさず言ってます。
もし聞いてるのなら何度でも言いたい…「S君本当にありがとう!」と…