「すいません」声をかけた相手が幽霊だった恐怖の体験談

恐怖の心霊体験談

その頃、もしかしたら私幽霊見えるかも、と意識し始めた頃の話です。私はとある有名な遊園地で働いていました。休憩所は遊園地の館内を回るアトラクションの裏にあったのですが、そこで見たのはボロボロの服を着た職員でした。

その遊園地はところどころで色々ないわくつきの心霊話にあふれている所でした

私はとある遊園地で働いていました。中でも和風のお化け屋敷は本当に出るとの噂が、一般の人にも出回るほど有名でその噂を聞いてお客様も沢山来ていました。しかし、私の部署はそれとは全く離れた関係のない部署でした。

とても開けた所にあり、その辺りでは心霊的な話はありませんでした。仕事がひと段落すると休憩をとるのですが、休憩所がとても薄暗く嫌な所にありました。それは館内を回るアトラクションの機械室の奥に、ポツンと社員たちの休憩所があったのです。

常に節電の為に機械室は、機械のカラフルなランプ以外はほとんど電気をつけない状態でした。休憩の際に休憩室に行く時も、ズラッと並んだ機械室の正面にある長い廊下を歩いて行くのですが、どこのスイッチが廊下の電気なのかわからないので、ほとんどつける事はありませんでした。

そしてある日、私は一人休憩の為に休憩室へと向かっていました。その日はお天気でしたが、それでも廊下の上の方にある明り取りの窓からは、薄明りしか入らず薄気味悪い雰囲気が漂っていました。

私は長い廊下を歩いて行くと、休憩室扉の前にあるベンチで休憩をしている人がいたので、内心ちょっと邪魔だなぁと思いながらも「ちょっと、すいません。」と遠慮がちに前を通り過ぎました。そして休憩室の扉を開けて中に入り、扉を閉めました。そこで初めておかしな事に気が付いたのです。

同じ社員の制服を着ているのに、さっきの人はなぜか服がボロボロだったのです。嫌な予感がして、急いで扉を開けて廊下を見てみました。すると長い廊下には誰も居ませんでした。廊下と機械室しかないので隠れる場所等ありません。

しかも扉を閉めてからまた開けた時間は10秒~20秒くらいだったのです

とても長い廊下なので、仕事に行ったとしても後姿くらいは見る事が出来たはずです。背筋に寒気がして、慌てて扉を閉めました。

前にもこういった経験があったので、もしかしたらと思いましたが、たった一人での休憩だったので、その場は忘れようと努力しました。そして、実際忘れて何日かした後、霊感の強い先輩社員さんと館内アトラクションの担当になりました。

あまり話した事がなかった人だったのですが、霊感があるのは有名だったので、それ系の話なら場が持つかと、なんとなく話を振ってみました。

「この間、ここで見たんですよ。」とだけ私が話したのに「ボロボロの服でしょ?」と言い当てられてしまいゾッとしました。しかも格好や、どこで見たかも全部当てられました。

先輩曰く、基本的には休憩室前のベンチが居場所だけど、結構機械室に居たりとかこの辺りをウロウロしているとの事。そんな情報聞かされても、と泣きそうになりました。

しかしそこでは私だけではなくて、結構な人数がそのボロボロの服の人を見ていたそうです。先輩曰く、昔社員さんで人間関係を苦に自殺した人が居たというような話を聞いた事があるとの事でした。