子どもの足がテクテク歩く怖いけど少し笑える心霊体験談

笑える心霊体験談

私の母親は、霊感がとても強いです。かといって子どものころから幽霊が見えていたわけではなく、学生のころ、大きな交通事故にあって生死をさまよってから、そういう感覚が身についてしまったらしいのです。

母は嘘をつくような人ではないので、何だか信用できるのです。

私は母と二人暮らしなのですが、普段一緒に生活していても、母が突然壁を見て「わっ!」と叫んだり、天井を見て「そこに人がいる」と言ったりするので、幽霊が見えない私も「何かがいるんだろうな」という実感があります。

いくら日常的に幽霊が見える人であっても、やはり人間が突然出てくるというのは怖い現象のようです。母によれば、ときどき家の中を知らない男の人が通り、壁をすり抜けてまた壁の向こうに消えていってしまうのだそうです。それをいきなり見つけてしまうのは確かにおそろしいと思います。

そんな恐怖体験を味わっている母でしたが、あるときちょっと笑ってしまうような幽霊を見かけたそうです。

私が自分の部屋で勉強をしていたとき、母は居間にいたのですが、そこで母は小さな足音を聞きました。

家の中には私と母しかいないので、母は私がトイレにでも行こうとして廊下を歩いているのだと思ったみたいでした。

そして、居間のテーブルに置いてあったお菓子を私にすすめようと、母は廊下に顔を出しました。

しかし、足音がまだ続いているのに、誰も廊下にいないのです。
おかしいなと思った母は、玄関のほうに目をやりました。

すると、なんと小さな子どもの足だけが、てくてくと歩いていたのだそうです。
母は意外な光景にびっくりして、その場で「うわわわああ!!」と叫んでいました。
私もその声は聞いていたので、ゴキブリでも見つけたのだろうか、と軽く考えていました。

母は虫が大嫌いなので、ときどき私が代わりに捕獲したりしていたからです。
しかし、母が心配になって部屋から出ていくと、母が玄関のほうを指差して言いました。

「さっきそこで、子どもが歩いてた」
私はいつもの幽霊かと思い、怖いおじさんじゃなくて良かったじゃん、と言いましたが、母が「足だけだったんだよ。膝から下だけ」と言うので、さすがに驚きました。
でも、小さい子どもの足だけがてくてく歩いている感じが、何だか面白くて、私は笑い出してしまいました。

「それもそれでかわいいんじゃないの?」と言うと、母も笑って「そうね、なんだか笑えるね」と言いました。
子どもの足は壁の向こうに消えていったらしいですが、今でもほほ笑ましく思い出すエピソードです。