友達の体験したある夏休みの真夜中の廊下での怖い話

恐怖の心霊体験談

この話はわたしの友達が体験した話です。
わたしの友達、あいちゃん(仮名)は怖い話とかは苦手な子です。わたしたちは当時小学5年生で、習い事が同じだったことからあいちゃんと仲良くなりました。

夏休みの宿題をあいちゃんの家で一緒にしていた時にあいちゃんが、「そういえばこの前、変なことがあったの」と あいちゃんが言うのです。

わたしは「どんなこと?」と聞くと、あいちゃんが話し始めました。
まず最初に、あいちゃんの部屋は2階にあります。
私があいちゃんの家に遊びに行った時もこの2階のあいちゃんの部屋でした。

冒頭でも書いたように、あいちゃんは怖い話が大の苦手で、夜1人でトイレには行けるけどめちゃくちゃ怖くて出来たら夜中にトイレに起きたくない と言うくらいに苦手なのです。

何日か前の夜、あいちゃんはいつものようにテレビを見ていて、寝る時間になったのでそろそろ寝ようと思い、同じ2階の両親の部屋を出て自分の部屋に戻って寝たそうです。
少し記憶は曖昧ですが、あいちゃんの家の階段を登り、すぐ手前があいちゃんのお兄ちゃんの部屋で、その隣がお姉ちゃんの部屋、廊下の突き当たりがあいちゃんの部屋で、両親の部屋の位置も、その時にあいちゃんから聞いたけれどよく覚えてないのですが、お兄ちゃんとお姉ちゃんの部屋の向かいだったような気がします。

あいちゃんは自分の部屋に戻って寝ていたけれど、トイレに行きたくなって目が覚めたそうです。時刻はもうすぐ深夜2時になる頃だったそうです。

あいちゃんの家のトイレは1階にあります。階段を降りてすぐのところです。急いで階段を降りたらすぐだし怖くない、とあいちゃんは廊下の電気をつけて階段を降り、トイレに行ってまた自分の部屋に戻るために階段を登ってきました。階段の電気を消して、2階の廊下の電気をつけようとした時に、廊下に誰かいることに気づいたのです。

その日は月がとても綺麗な夜で、あいちゃんの部屋の窓から漏れる月明かりで誰かいることに気づいたのです。

あいちゃんはトイレに行く時に、戻ってきたら早く部屋に入りたくて、ドアを開けっ放しにして部屋を出て来たと言っていました。
白いワンピースを着た黒い長い髪の女の人。
あいちゃんのお姉さんは当時高校生で、廊下にいたワンピースの女の人と背格好も髪型も同じだったそうです。

あいちゃんはお姉ちゃんだと思い、「姉ちゃん何してるの?」と声をかけたそうです。その人物は立ち止まったそうです。でも、振り返りはしなかったそうです。もう1回あいちゃんは「姉ちゃん?」と声をかけたそうです。でも、その人は振り返ってくれません。お姉ちゃんなら振り返ってくれるはずと思い、あいちゃんは一気に怖くなったと言っていました。

その後あいちゃんは両親の部屋で寝たそうです。
翌朝お姉ちゃんに昨夜あったことを話すと、わたしは白いワンピースなんて持ってないと言っていたそうです。

ならあれは一体誰だったのだろう、と思った時に あいちゃんは気づいたのです。
あいちゃんの家は車の通り沿いで、通りを挟んですぐ目の前はお寺で、その奥には墓地があるということを。
あいちゃんの部屋は、お寺に向かう霊の通り道になっているのかもしれないということを。

それ以来あいちゃんは真夜中にトイレに起きないように寝る前にトイレに行ってから寝るようにしているそうです。
今でもあいちゃんの家の2階の廊下は、霊が通り道にしているのでしょうか…