私の兄はオカルト好きで、心霊番組やDVDの視聴は数知れず、さらにその年は車で県外や地元の心霊スポットによく足を運んでいました。私は兄の趣味が心配でたまらず、「そのうち取り憑かれちゃうんじゃないのー?」なんて言っていたのです。その後本当に悲劇はおきたのです。
ある日の晩のこと私の寝床は幼い頃から妹と使っていた2段ベッドをそのまま使っていて、その上の段で寝ているのです。下の段は今は荷物置き場になっていて、妹と兄は、各自の自分の部屋で寝ています。
深夜、私は突然目を覚ましました。すると、廊下をスル、スルと歩く音。私は「お兄ちゃんがまた夜中まで遊んで帰ってきたのかな?」と思い、あまり気にせずもう一度目を瞑ると、今度は部屋の扉があく音がしました。
「え?私の部屋に入ってきた?」この時点で、時刻は深夜だったこともあり急に怖くなった私。家族の誰かにしては、こんな深夜になんの用事だろう・・そう思って、天井に近い2段ベットの上から下を覗き見ました。すると。
ベッドの高さ的に下のほうはあまり見えないのですが、ベットのフレームの隙間から、黒い人の頭らしきものが見えました。部屋も暗いため、オレンジの豆電球でのみその物体が確認できました。
「だ・・誰?」思わず、声にだして確認すると、歩く音がやみました。そして突然、ベッドのフレームをガシリと下から何者かの手で掴まれ、驚いた私が声を上げられずにいると、フレームの隙間から黒い顔をした髪の長い女の人が覗きこんだのです。
私はベッドに横になったままだったので、フレームの隙間から覗き込むその女の霊の顔と、血色の悪い手しか見えませんでしたが、ハッキリとこの目に焼きつきました。